契約という名の《呪い》
二人がメンヘラっぽくなっちゃいました…!
今はアストの部屋のベットでご飯を食べています。なんで食堂とか部屋のテーブルで食べないのかって?単純に立てないし、体が重いし、声も出しづらいのよ。意思疎通は念話が使えるからいいんだけど。なんか恥ずかしいのよ。婚前交渉しないって思ってたのに……まぁ起きたことはしょうがない!でもこれをやっちゃったら本格的に私を娶ってもらわないと…困るなぁ。そう思って私の服の中からある石を2つ取り出す。そしてその2つのうちの1つをアストに渡す。その石を確認して魔力をアストにつなぐ。
[アスト、これあげる]
「なにこれ?」
[やっちゃったから本格的に娶ってもらわないと困るから。契約、しましょう?]
「契約?」
[ええ、お互いが一生愛し合う…的な?他の人を好きになったら殺す…みたいな?」
「エミィ、俺のこと好き?愛してる?」
[…?ええ、もちろん。そうじゃなきゃ貴方のこと受け入れないわよ。大好きよ?]
ん?なにを赤くなってるのこの人。重いから怒ってる?いやでもこれはいいんじゃない。婚前交渉させたのはアストだし………私のせい!?
[ど、どうしたの?顔が赤いわよ?]
「…お前が!初めて俺に好きって言ってくれた!」
え??そう思って今までアストと過ごしてきた記憶を思い出す…ホントだ、言ったことなかった。6年間も一緒に居たくせに。婚約者だからって油断していたのかもね。でも私がこうして好意を口にするとこんなに真っ赤になってくれるんだから…これからも不意をついて言ってやりましょう、こんな反応するアスト可愛いわ。
「初めて好きって言ってくれてうれしい…」
[あら、喜んでもらえるならこれからたくさん言うわね?]
「っっ!…契約、する。どうやってするんだ?」
[ありがとう。じゃあまず私の体治してもらってもいい?]
「ああ」
そう言ってご飯をベット脇のテーブルに置いて私の隣に座りなおす。それから私のおでこに手を触れて回復魔法をかける…あったかいから寝そうになっちゃうわ。2分くらいで全回復し(普通の人は5分くらいかかる。さすがチート)、契約方法をアストに書き出して伝える。石を掌で包み、2人のおでこをくっつけて………
「私、アストラル・ウェルトはこれからの人生を全てエミィ・ラストロイに捧げます。絶対ヒロインなんかに捕まらない…エミィと一緒に幸せな人生を送ることをエミィに誓います」
「わたくし、エミィ・ラストロイもこれからの人生全てをアストラル・ウェルトに捧げます。絶対にヒロインなんかにアストを渡しません。アストと一緒に幸せな人生を送ることをアストに誓いますわ」
私達の手の中にある石が光だし、手の中でお互いの魔力を込めた指輪が作られていく。この指輪は私達の半身のようなもの…これによって私達お互いの寿命を共有化する。アストにもわかってるみたいだけど…これは契約なんて生易しいものじゃない。これはお互いを縛り付ける契約だ。
「…エミィ、左手を出して」
私の左手の薬指にアストの半身ともいえる指輪が付けられる。そして私の指輪もアストの指にはめる。
「これで契約はおしまいよ」
「違うよ、日本ならこのあとで何をするのか、覚えてるでしょう?」
「でもあれは誓いよ?」
「関係ない…」
そうして私達はキスをして、契約を完了した―――――