聞かれてたよね…あ、そうなの!?
なかなか進まないですね…
長い目でお付き合いして頂ければ嬉しいです!
え!?…これはもう聞かれましたよねー。アウトですねー。まぁだからなんだって話なんですけど。アストが転生者なわけないし。そう思って笑ってごまかし、アストと紅茶を飲み始める。
「で?スピ王って?パラレルワールドってなに?」
そんなのアストに教えてどうなるんだよー!痛い人認定じゃないの!
「転生者のエミィさん?」
うん、それはねー…ってなんで知ってるの!?
「…?なんのこと?わたくし思い当たらないわ」
「ごまかさなくてもいいんだよ。スピ王もパラレルワールドもこの世界にはないんだから」
そうだろうね。この世界にはない言葉だもんね。でもそれだけで転生者とか…いや、そうじゃない。
「ええ、認めるわ。わたくしは転生者よ。ですが、その話し方からしてアストもでしょう?」
「ああ、認める。俺も転生者だ。しかも例にもれずチートだ。お前もだろう?」
「ええ」
はい、転生者でしたね。同郷の人がいると心強い…神様仏様(仏様はないかな)ありがとう!
「さて、転生者なら通じるだろうな。ここは乙女ゲームの世界です。しかもストーリー通り進んでる」
「そうなの?続編ってことなの?」
「…あぁ、続編が出る前に死んだのか」
「そうよ」
「ここはスピ王とウェルラブの続編『スピウェルの恋物語』の世界だと思ってる」
へー、続編であってたんだー。っていうかこの人乙女ゲームしてたんだー。
「そこは否定しないが恋愛対象は女性だから勘違いするなよ」
声に出てた!?
「出てないけど…正直心の声って読めるよね」
そっか、チートだから心が読めるのか…。私も出来んじゃね?
「出来ると思うよ、簡単だし」
「じゃあ試しにアストの心を読もうかしら」
[どうだ、会話できそうか?]
「ええ、出来そうね」
「それを応用したのが念話」
「なるほどね。どのくらいまでだったら大丈夫なのかしら」
「魔力を繋いでおけばどれくらいでも大丈夫っぽい」
便利ねー。この世界って手紙くらいしか連絡方法ないんだもの!便利ー!もしかしたらスマホとかより便利なんじゃない?情報漏洩とか怖くない!
まぁ、その後は前世の世界の話をしました。くだらない話ばっかりだったのでここでは省略します。そのときに乙女ゲーム話をしたんだけど、私の立場は悪役令嬢だったよ!製作者、もっといい仕事して!前作で辛い役割だった人は良い立場にしてよ!そ、し、て!普通こういう乙女ゲーム転生ものってバットエンド回避する的な話が多いじゃん?何にも対策しないのよ!それをアストに言ったら
「俺は前世でも今世でもエミィが大好きだから大丈夫!」
…そんなこと初めて聞いたし、前世でもまともな恋愛してこなかったから恋愛偏差値は低いのよ。だから赤面したわ。私、おかしくないよね!