報・連・相って大事だよね
いつもよりも長いです。
シリアスなのかコメディなのか自分でもわからなくなりました!
なんでゲームの設定にないものばかり出てくるのかしら。まさか、続編!?前世でよくあったラノベでも続編が舞台だったー!ってオチがあった気がするからその可能性は捨て切れない!
そんなことをアストが帰ってから悶々と考える。まず、お父様娘を外に出すの早すぎない!?とりあえず明日、お父様に直談判しましょう。
「お父様、いくらなんでも決断がはやすぎると思うのですが、お父様はどう思いまして?」
私はテンプレ通りチートなので言葉に威圧とか魔力とか殺気とかのせてお父様に言う(朝食の席で)。今日はお父様がお休みだって知ってるんですからね!逃がしませんよ!…お母様とお兄様の顔がキョトンとしてますね。まるで「何その話?」って言ってるみたいな…まさか、お二人に言ってないのですか!?
「…エミィ?なんの話だい?」
「とぼけても無駄ですわ。アストに聞きましたもの」
「…そうか、あとで私の書斎に来なさい」
「わかりました」
あとで、たっぷり〆てやりましょう。…なんかお母様の笑みが深くなっているような…。…お父様がちゃんと言わないから悪いのですよ。
「父上。決断とはなんですか、なんの話なのでしょうか?」
「そうよ。ねぇ、ルーク。貴方とエミィちゃんだけが知っていて私達は知らないなんて…ねぇ?」
お母様はお怒りモードです。あのお母様コワイ。私はお母様の援護に回ります!
「お父様、ちゃんと話さないから悪いのですよ」
「…はい…。朝食後、全員書斎に来るように。ジェイデン、あと…ミリーナだけ立ち会ってくれ」
「「かしこまりました」」
この家の執事長のジェイデンはお父様から絶対の信頼を得ています。ミリーナは私の侍女なので立ち合いを許されたのかな。
「父上!僕は反対です!エミィはまだ10歳なのですよ!?」
「わたくしも反対ですわ。まだ幼いエミィちゃんと離れたくないですもの」
「私も断ったのだが…王命なため断るのが難しく…」
「わたくしたちの可愛い娘のためです。どうにかしてくださいな」
「私も掛け合ってみる…が…」
お三方は大変盛り上がっているようなのですが私自身なんとも思ってないのよね。なんせ精神年齢は30歳以上なので…。まず、アストからいつでも好きな時に里帰り出来る話、聞いてないのかしら。これはまず本人同士の話し合いが必要ね。
「お父様」
「なんだい?」
お母様とお兄様は…私の行動次第で動くってことかしらね。
「アストに会いたいのです。会えるように取り計らってくれませんか?」
「エミィ!そんな…無理しなくていいんだよ!」
お兄様、心配してくれるのはありがたいのだけど肩をつかんで揺らすのはやめて欲しいですわ。性別も年齢も違うのですから、力加減を考えてほしいですわね。
「大丈夫ですわ。正直な話、昨日はアストに頭の整理をしたいので詳しい話はまた後日、とお願いしたのです。わたくしの中で整理できたのでより詳しいお話しを聞きたいだけですのよ」
「…わかった、許可しよう」
「ありがとうございます、お父様!ではさっそくアストに手紙を書きたいと思いますのでこの場を辞させていただいてもよろしいですか?」
「ああ」
「それでは失礼いたしますね」
よし。まずはアストになんて手紙を書くか、よね。堅苦しく?でもアスト、と呼んでいるのだから少し砕けた文でもいいかしら。
その後数十分悩んだ結果、
親愛なるアストへ
こんにちは、とは言っても昨日会ったばかりなのだけれどね。昨日はわたくしのことを考慮して下さり、ありがとうございます。わたくしはもう大丈夫ですのでアストの都合がよろしい時にでもこち
らにいらしてくださいな。 エミィより
こんなものかしらね。私は手紙をミリーナに渡して届けてもらう。その間に…お茶にでもしようかしら、私の趣味は紅茶を淹れることなのです。戻って来たミリーナに「お茶にしない?」と声をかけて庭園に来ました。ミリーナの分も紅茶を淹れます。公爵家のお嬢様としては褒められたものではないのかもしれないけれど、しょうがないじゃない、好きなんだもの。
そうしてミリーナとお茶をしていると他の侍女がやってきてアストからの手紙を届けてくれた。
親愛なるエミィへ
お手紙ありがとう。まさか君から手紙をくれるなんて思いもしなかったよ。お言葉に甘えて明日の午後、君の家を訪問させてもらうことにするよ。この手紙の返事は必要ないよ。君の都合もあるだろうしね。
アスト
はやいな、返事が。そして、会う日が決まるのもはやいな。なに、皇太子って暇なの?まぁ、返事が必要ないって言ってくれてるんだもの。お言葉に甘えさせてもらいましょう。
さて、今からアストと会います。けどその前にもう一度今日の目的を整理しておきましょう。あ、今日はいろいろと聞くつもりなのでアストと二人きりになるわ。私が持つ二つのゲームの知識と今の現状を整理するための情報を得ること。これが一番の目的。もう一つはこの世界の誰かにもう一人くらい転生者いないかなーって。アストからいろんな人の話を聞けたら聞くつもり。にしても…
「この世界はスピ王の世界ではないのかしら。その世界のパラレルワールド?それとも本当に続編の世界なのかしら…?」
そんなことを考えていた私は気づいていなかった。アストがこの部屋に入ってきて今の独り言を聞いていたことに…