元旦那との再会 前編
お久しぶりです…。
タイトル通り、元旦那との再会の話です。
ブックマークが沢山で嬉しいすぎです(*´艸`*)
さて、今回は私の元旦那が突撃してきた時の話をしようと思います。
「お前、彩翠か?」
そう声をかけられて声の方を振り向くと前世の夫である蓮がいた。前世とは全く違う容姿だけど私にはわかる。雰囲気が同じだ。
「お前何結婚してるんだ?お前は出来損ないだから俺が躾をしないとダメだろうが」
そう言われて前世のDVの記憶が蘇ってくる。嫌、こんなやつと関わりたくない。こういう時に限って哉太がいない。助けて、哉太。
「おい、なんとか言えよ。ホント気味悪いやつだな」
そうは言われても私はあんたへの恐怖で声が出ない。足にも力が入らない。あぁこのままじゃまた殺される。
「……貴方にそう言われる筋合いはないわ」
やっと絞り出した言葉は震えてしまった。
「関係はある。俺とお前は前世の夫婦だ」
「そんなの関係ない……口を慎みなさい。私はこの世界の神となるものよ」
そう言うと蓮は驚いた顔をした。私が反抗したことに驚いているのかしら。この隙に逃げられたらいいのだけど。足に力が入らない。蓮は驚いた後可笑しそうに笑った。そして私を射殺すような目で睨んだ。その睨みだけで動けなくなってしまう。蓮は私にゆっくりと近づいてきた。
「お前は何時から俺に反抗していい身分になったんだ?」
「前世からに決まってるでしょう?」
そう言い返すと蓮は私の胸ぐら掴んで頬を軽く殴ってきた。離して、と言っているはずなのに声が出ない。
「もう一回言ってみろよ?」
「っつ……」
離して、離して、嫌だ、嫌だ。その時
「お前、俺のあやに何してるんだ!?」
その声が聞こえてすぐに私の視界から蓮が消えた。その代わりに私は強い力で抱きしめられた。この匂いは哉太だ……そう思った瞬間緊張の糸が切れて哉太にしがみついて泣いた。
「哉太……哉太ぁ!怖かったよ……っうあああん!怖かったよぉ!」
哉太は私を落ち着かせるように抱きしめた私の背中をポンポンと優しく叩いてくれる。
「あや、もう大丈夫。大丈夫だ」
その言葉にもっと安心してもっともっと泣いた。
しばらくして哉太を見上げると彼は優しく微笑んでいた。そして私に優しくキスをしてくれた。そのキスのおかげかは分からないけど、大分冷静になれた。そして私を何回も何回も恐怖のどん底に落とした元凶の蓮を見る。蓮は顎が赤くなった状態で倒れていた。
「哉太?これはどういう……?」
「ああ、見ての通り。あいつ殴った」
脳筋!でも、そんないつも通りの哉太に思わず笑ってしまった。
「あや、辛いことかもしれないけどあいつ誰だかわかる?」
「多分だけどレイク・アンダーソンよ。最近まで体が弱かった。あと……わたくしの前世の夫の蓮の生まれ変わりだと思う」
「ああ、あいつのことか。前世の夫ってことはDV野郎ってことか?」
「ええ」
私が肯定すると哉太は舌打ちをした。
「もう何回か殴って置けば良かった。いや、これから殴る」
物騒ね!?慌てて止めると哉太は「止めるな!」と言っていたけど私が望んでないことを伝えて完全に止める。そんな風に情報交換をしていると蓮が起きたみたいで怒鳴りつけてきた。私はもう一度哉太に抱きついた。哉太の腕の中にいると落ち着く……あんなに声が出なかったのが嘘みたい……。
「おい!お前は関係ないだろう!それに俺を誰だと思っている!俺はこの国の公爵子息のレイク・アンダーソンだぞ!」
うーん?蓮に似てるといえば似てる?けど……ってそういう振る舞いはダメでしょうよ。私は哉太に抱きしめられて安心しているからかさっきの怯え様な嘘みたいにスラスラと侮辱する言葉が湧いてくる。
「だから何になるんだ?俺はこの国の第一皇子のアストラル・ウェルトだそしてお前が今胸ぐらを掴んで居たのはエミィ・ウェルト、皇子妃だ」
「なっ!?お前は彩翠だろ!?」
そう言っていた私達に向かって殴りかかってくる。哉太はそんなのものともせずに校則したけど、まだ喚いている。
「いいか、お前が敵に回したのはこの国、いやこの世界のトップの方の立場にいる存在だ。聞いたことないか?皇太子とその妃が次の神となると言う話を。あれが発表されてから俺は第2皇子のリディトに皇太子の座を譲った。つまり、その皇太子とは俺のことでその妃はあやのことだ」
哉太がそう言うものの、蓮はデモデモダッテを繰り返す。あぁ、私はこんな情けない野郎に散々虐められて、殺されたんだ。少し勇気があればこいつを返り討ちに出来たのかもしれない。そう思うと自分がどんどんみじめになってきた。そして私は抱きしめてくれている哉太の腕からでて蓮の方へ歩く。
次話は15日の19:00に投稿したいと思っていますけど…
遅れたらごめんなさい_(._.)_




