わたくしの”幸せ”
今回で完結です…
あの後、このことを話していなかった友人に問い詰められまくりました。正直言ってめんどくさかったですわ。だって同じ質問を何回もされるんですもの。うん。
「あや?どうかしたの?」
哉太はため息をつく私を心配そうに覗き込んだ。私は「大丈夫よ」とだけ答える。現在、学園を卒業して、正式な神となった私達。ティアとランスとも別れた。二人は今、何処で何をしているのだろうか?寿命が戻った二人は世界を旅するんだと言ってこの世界から出ていったわ。髪の色も元の色に戻して。でもたまに遊びに来るって言っていたから私はそれを楽しみにしている。学園在学中に私の元旦那に会ったのだけれど……その時は哉太が私を守ってくれたわ。なんと言うか、私は前世で諦めていたから。DVをされているのを当然のように思ってしまって居たから。哉太のおかげで目が覚めたの。
今日はローズたちに会いに来たわ。とは言っても私達は寿命が止まっているから歳を取らないわけで。ローズ達はもう40代。貴族女性では孫がいてもおかしくない年齢ね。実際二人にはこの前お孫さんが生まれたみたい。その話の話も聞きたいわね。
「そう言えば、アスト達はどうなんだ?」
とレヴィ様。こうして四人でお茶を飲んでいると昔に戻っているみたい。とは言っても私達は10代で年齢が止まっているから親子にも見えるのかも。精神的にはこっちの方が大人ですよー。で、どうなんだって子供のことかしら?
「ああ、それは…あや?」
哉太の言っていることに頷く。
「せーの「妊娠しましたー!」」
そう、今日は近況報告会ってことは嘘ではないんだけど。この年での第一子だし、前世でも経験ないし。子供に関して大先輩である二人に教えを乞いに来たってのが大きい。二人は信じられないって顔でこっちを見ているけど、レヴィ様はさっきどうだって聞いたじゃないの。
「え…ホントに?」
「ええ、本当よ。今は5ヶ月で安定期入ったわ」
「「お、おめでとう!」」
「ふふ、ありがとう。親としてはまだまだだからこれから教えてね」
「もちろんよ!おめでとう、二人とも!」
そう言ってローズは私を抱きしめてくれたわ。
「あぁ、疲れたわ」
思わずそう零すといつかと同じように私の顔を心配そうにのぞき込んでくる哉太。ただ、前と違うのは哉太の腕に銀髪で水色の目を持つ男の子がいること。私達の愛しい息子…ウィリアスは現在1歳。ぎりぎりになってしまったけれど親にも孫の顔が見せれたからいいでしょう。でもこの髪の色…人間は黒に近い色の髪を持つのだけど。この子の髪は銀髪だから…ティア達にこの事を報告したら「「次の神はこの子だね」」って。かるーい。蛙の子は蛙ならぬチートの子はチートってね(笑)。
「どうした?何に疲れた?」
「何というか…最近寝れてないからねぇ…この子の夜泣きすごいし」
「ああ、そうだよな。それに仕事もあるし」
「そうなのよ。仕事を放棄したら困る人がたっくさんいるし」
でも幸せな悩みよね。っていうか世の母親はすごい!ありがとうお母さん!って感じ。母は強し、ね。
「まぁ、俺も手伝うから頑張って」
そう言って私に優しいキスを落とす哉太。前世とは180度違う世界だけど…この世界にチートとして生まれて、哉太と出会って、神になって、可愛い息子も生まれて。どれもこれも一つなかったらどうにもならないことだから…運命ってこういうことを言うのかしら?…それはわからないけど。
私は今、本当に幸せ。
今回で完結という形になりましたが、番外編というのもいつか書いてみたいと思っています!(いつになるのかはわかりませんが…)エミィの前世の旦那に会った時の話はその際に投稿したいと思います。
最期に、ここまで私の拙すぎる小説を読んで下さり、本当にありがとうございました<m(__)m>




