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私の過去

最初にDV表現があります。

苦手な人は飛ばしてください<m(__)m>


「おい彩翠。お前、これやっておけって言っただろ?」

「あ、ごめんなさい……」

「ちっ……ホント使えねーな」


そう言ってあいつは私を殴る。


「かはっ……くはっ……っはあっ」

「お前は!いつも!出来損ない!なんだ!」


ドコッ……ドコッと殴られて私は倒れる。嫌だと反抗したら余計にやられるだけ。そう思ってされるがままになっているとだんだんヒートアップして、私を蹴り始める。


「ゔっ……ぐぁっ」

「ははっ、いいザマだな」


そう言いながらこいつは蹴る頻度を止めない。ゴスッ…ドコッと鈍い音がする。ああ、もう痛みを感じなくなってきた……痛みを感じなくなったらヤバいって何かで聞いたことあるなぁ……


「お前、殴られてんのに何も言わないなんて気持ち悪い」


そう言ってこいつは私の傍を離れる。やっと終わった……そう思ってたら


「おい」


そう言われてあいつの方を見ると包丁を持って笑っていた。……まさか、刺すの?


「ははっ、お前、流石にこれは叫ぶだろ?」

「嫌、いやぁ!やめて!」

「やめてって言って辞めるかよ」


そう言ってあいつは私の心臓を刺した。あいつは笑っていた。








「……や、あや!」

「いやぁ!……ハァハァ……夢、か………」


哉太の声で目が覚めた。大丈夫、ここにあいつは居ない…………嫌な夢を見たわね……。


「あや?大丈夫?」


そう声を掛けてくれる哉太の声は優しくて泣きそうになる。


「どうした?怖い夢を見たか?」


そう言いながら私を抱きしめて落ち着くように頭を無てでくれている。……ダメだ、本当に泣いてしまいそう。


「……あや、泣いていいんだよ?俺に全部吐き出して?」


哉太がそう言うから私の涙腺は決壊した。


「っつ……う、うわあああん!」


私はまるで子供みたいに泣きじゃくる。そんな哉太は私を抱きしめて優しく背中を叩いてくれる。私はそれに安心してもっともっと泣いてしまう。そうしてしばらく泣いた後、哉太は私の腫れた目に治癒魔法を掛けてくれる。そして


「あや、どんな夢を見たの?話したら楽になるんじゃない?」

「……あのね、私が死んだときと夢をみたの。あいつに痛みが無くなるまで殴られて、蹴られて……それで、笑いながら私を刺した の。こんな夢を見るのは久しぶりよ。最近は見なかったから」

「……………………あや」


哉太の方を見ると悲しそうな顔をしていた。


「その記憶、消そうか?」


……正直、この記憶が消えたらどんなに楽だろうって考えたことは数えきれない程ある。でもね、


「あの記憶があってこその私なんだから大丈夫よ。ありがとね」

「でも……」

「大丈夫よ。でもね、私また泣いちゃうかもしれない。だからその時は今みたいに抱きしめてくれる?」


そう言うと哉太は「あたりまえだろ」と言って更に強く抱きしめてくれる。そのことが嬉しくてまた少し泣いてしまった。

次の話は明日更新します(^▽^)/

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