あやの過去 アスト(哉太)目線
シリアス満載です。
アストの複雑な気持ちが伝われば幸いです(*^^*)
俺はエミィのことはなんでも知っているんだと自負していた。けど俺はエミィが結婚していたことを知らなかった。エミィにとっては思い出したくもないくらい嫌な記憶だろうけど。トラウマがあって、それでも俺と結婚してくれるっていうのは不安だったと思う。もともとの性格がいいからか最初から俺には心を開いてくれていた。俺よりも年下の子が旦那のDVに耐えて、最後は刺されて死んでしまった。そう考えると切なくなる。今はランス達の家に帰ってきて、エミィがお茶と、小腹がすいたからって軽くなにか食べるものを作ってくれている。俺を含む3人はエミィの話に衝撃を受けていて、何も話せない。そんな中、ティアが
《アスト、貴方はエミィのことを人一倍幸せにしなきゃダメだよ》
《そうだ。あんな体験があったのに結婚してくれるんだ。そんな記憶なんて無くなるくらい幸せにしろよ》
「…………わかってる」
わかってる、わかってはいるんだけど何をどうしてやればいいのか全くわからない。俺のとる行動が元旦那と被っていたら?そんな不安が押し寄せる。そう考えているとエミィがキッチンからエミィが戻ってくる。俺達は明るく見えるように振る舞う。
「ねぇ!二人とも!わたくし達の前世の名前ってなになのかしら!」
「あ、それ俺も思ってた。俺も二人だけの呼び名で呼びたい」
「そうよね〜」
二人は顔を見合わせて少し悩んでいるそして
《哉太と彩翠だったはずだよ》
「哉太……確かになんか」
「なんかこんな名前で呼ばれてたのかもしれないね」
《彩翠って漢字難しいよね》
「そうだったのよ。テストの時も大変だったわ。まあ、とりあえず!これからはアストじゃなくて哉太って呼ぶことにするわね」
「ああ、俺も彩翠って呼ぶよ」
「うーん、あやって呼んで?親しい人はそう呼んでたから」
「……わかった」
俺がそう言うとあやは本当に嬉しそうに笑った。あやはすごいな。
その後は二人で家に戻った。そしてあやに「話があるの」と言われてリビングのソファーに二人並んで座った。
「ねぇ、哉太。さっきのこと、気にしなくていいからね?」
「っつ!」
あやは気づいていたんだ。俺がどうしたらいいのか悩んでることに。
「魔力を繋げは分かるわよ。……ごめんなさい、あんな話をして」
「そんなことない!でも……」
「うん、わたくしが言わなければ良かったんだわ。……これはわたくしの我儘なの。わたくしは今本当に幸せよ?その言葉に偽りはないわ。だから安心して?」
そう言ってあやは俯く。どうしたのかと思って顔を覗いてみるとあやは泣いていた。あやは辛かったのにそれを思い出させるようなこと……。
「ごめん……あや、ごめんな」
「ううん、大丈夫…………ね?今日は沢山甘やかして?あいつのことなんて思い出させないくらいに沢山……」
俺はその言葉を聞いた途端あやに噛み付くようなキスをした
眠っているあやの寝顔を見つめる。あやの寝顔は本当に幸せそうにだ。俺はあいつを忘れさせるくらいになれた?まだ、忘れられない?あやの心を蝕んでいる元旦那の存在に腹が立つ。……これから元旦那に会うかもしれない。その時は
「俺があやを、エミィを守るから。ずっと傍にいるよ」
そう言ってプロポーズした後のあやみたいにまぶたにキスをした。
続きは明日になります




