グロい方法が1番メンタルに来るよね
残酷描写ありです
書いていてエミィの闇が深い…と思いました( ꒪∀꒪)
「攻略対象に殺される感じの映像を見せたらどうかしら?」
スピウェルのストーリーをイーサンに見せる。イーサンを見ると
「何これ〜……私、これからこうなるの?そうなのね!この生活が終わるのね!嬉しい!……この王子様、かっこいい!この人と恋人になりたい……」
スピウェルのストーリーを全て見せたあと、私は彼女に向かって
「どうかしら?今の気持ちを聞かせてちょうだい」
「私はヒロインなのね!じゃあ私はアストラル・ウェルトが好きよ!でもみんなかっこいいから全員と仲良くなるわ」
そう言って、その後もこの後の展開に思いを馳せるイーサンの前で、ティア達の情報通りねと考える。……この子、転生者ではないみたいだけど……なんで自己中てアストが推しだってことが分かったんだろう?……もしかして、未来視みたいなのがあるのかしら。もしかしたら私達も出来るやつ?終わったら聞こうっと。
あらかた話し終わった頃。私はもう一度魔法をかける。
攻略対象が、全員で寄ってたかってイーサンを囲む。そしてまず、アストがイーサンを殺す。すぐ彼女は起き上がって他の攻略対象に助けを求める。でも他の攻略対象もアストと同じように彼女を殺していく。その映像を何回も繰り返す。そうすると頭がおかしくなるからアストが精神干渉をする。何回も何回も殺される。助けて、助けてと叫ぶ彼女の横で攻略対象が彼女の腕、足などを傷つける。現場は血まみれでまさに地獄絵図。そして私は彼女に囁く。
「貴女を貴族にした人間を殺せば貴女はもう殺されないわ」
そう言って彼女を貴族にした人間の元にいる映像に切り替える。そしてその貴族を殺す。血みどろになった彼女のところへ騎士団が来て彼女は連行されていく。
その後、裁判にかけられて死刑判決。そして処刑される。
さて、こんなものかしら。最悪な映像だったからその映像を見た記憶を彼女の中から消す。そして私はアスト達の方を向く。
《……かなりグロい方法を取ったんだね……》
《なんというか……》
「うん、いいと思うよ」
アスト以外は引いてるんだけど……でも引かれてもしょうがない内容だったから何とも言えない。
「多分、これでシナリオに出てくるキャラには近づかなると思うわ」
《そうだと思う……記憶は消えてても拒絶反応は出るよ》
「あはは……やりすぎた?」
そう言うと二人は黙り込んだ。アストはそんなことないと首を降ってくれたけど、自分でもやりすぎたかもって思ってる。しばらく沈黙画流れた。その空気に耐えられなくなったのかアストが
「じゃあミッション完了したから帰ろうぜ!時間止めたままってのも問題だろ」
《《「そうだね……」》》
その掛け声てティアは止めていた時間を戻して私達はクォーツに転移する。
《終わったねー》
「そういえば俺達は攻略対象の教育をした方がいいのか?」
《一応やっておいた方がいいかも。念には念を入れてってやつだね》
「わかったわ。他に何かした方がいいことはある?」
《私達からは特にないけど……二人のタイミングて結婚準備した方がいいんじゃない?》
《確かにね。まだ発表されてないみたいだけどリディトが王太子になるんだ。皇室と近づきたいやつは婚約者ありでも言いよってきそうだし》
《そうだね。それに、もともと容姿が良かったんだけど神化したからね〜。髪の色を変えて認識阻害の魔法を使ったとしてもオーラは隠しきれないだろうね》
わーお。まぁ、結婚の準備ってかなり時間がかかるし。ちょうどいいのかもね。学園の卒業は18歳。乙女ゲームの開始は17歳のとき。今から約1年くらいね。1年くらいでゆっくり準備を進めていくのもいいわね。ローズとレヴィ様達は半年後に結婚式をするらしいわ。あの二人はなるべく早めに結婚したかったらしいしね。
《エミィ、どうしたの?》
「あ、いや。ゆっくり準備ってのもいいなぁって思ってさ。私、前世は結婚式を挙げなかったし。なにより、前世の旦那はDV男で浮気性だったから」
「え?エミィって結婚してたの?」
私、言ってなかったのかしら。だってあんな男のことなんて思い出したくもないくらい嫌いなのよ。口に出すのも嫌。
「ええ。私はあんなやつのこと思い出したくもないくらい嫌な奴なの。私の死因はあいつに刺されたのよ」
あれ?みんな黙っちゃったんだけど。
「なんか、よく俺と結婚しようと思ったな」
《普通、結婚がトラウマになっちゃうやつだよ》
「結婚した期間が短かったのが救いよ。それに、あいつのことなんて最初から好きじゃなかった」
《お見合い婚ってことか?》
「表面上はね。実家を支援する代わりに結婚させられたのよ。政略結婚?」
《《「………………」》》
「えっと……そんなに黙らないで?わたくしはもう気にしてないし、死んだからこそみんなに出会えたんだもの。言い方はおかしいけど死んで良かったわ」
もっと生きたかったって思ったことはない。私は"今"を生きている。もう、誰にも殴られない。それが嬉しいからね。
続きは明日です(*^^*)




