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ダンジョンは世界だ!  作者: トト
97/134

94 使い道

防御石の威力なのかどうなのか、午前中の討伐は全く苦労するところがなく進んだ。


遭遇して魔物を倒し、ところどころで魔樹を切り倒し空き地を作る。


「真木を植えても、すぐ倒されるでしょうから、植えられないのが残念ですね」


魔樹を20本ほど切り倒し、マイダンジョンに放り込むんでできた空き地を見て、エレールが言った。


魔物は本能的に真木を嫌がるが、接近することができれば攻撃してくる。


この魔樹の森に、真木を少しぐらい植えても、あっという間に倒されてしまうだろう。


「防御石を置いて守れば、少しは持つかな」


俺はポツリと呟いた。


気がつくとみんなが俺を見ている。


「天才現る」


ノマが目を見開いている。だが、すぐに肩を落とした。


「でも、いくつ作らなきゃいけないか」


あー。まあねぇ。

石に魔法陣刻んで命石(ライフコア)嵌め込んだだけとはいえ、この緻密さだ。

たくさん作るのは、辛いだろう。


「ココア」


「はい」


「これ、マイダンジョンで召喚するの大変?」


「模様が特殊なだけの石ですからね。見本さえあれば、楽なもんです。力素だって命石(ライフコアを別にすれば微々たるものかと」


「鬼才現る」


「惚れ直した?」


「無理。すでに限界一杯」


ブハッ。

軽口を叩いたら、素直な一撃を返された。


シモベたちがニヨニヨしている。


「ま、まぁ、なんと言うか、次回からは防御石を用意してこようか」


我ながら、挙動不審である。

シャル、その生温かい笑顔はやめろ。


さらに3時間ほど魔樹の森を荒らし回って、マイダンジョン経由で帰ることにした。


帰る直前には全員で、使える最上位の範囲攻撃魔法をぶっ放した。

まだしばらくは、自分たちが住めないと思っての鬼畜の所業である。


発案者は、俺だけど。


要塞山に戻って、山頂から眺めてみたら、点々と俺たちの破壊活動の跡が見て取れた。


なかなかの戦果ではあるが、その跡も魔樹の森のホンの手前の方だけだ。


「この程度じゃ、南下を少し遅らせる程度だな」


俺がいうと、シャルが頷いた。


「そうねー。もうちょっと別の手も必要かな」

「実は今、シャルと相談していることがある」


「へぇ」


シャルとノマは、自信有り気に微笑んでいる。


「んー。あと一週間くらい時間がほしいかな。乞う御期待?」


お手並み拝見と行こうじゃないか。





「これが、別の手?」


結局、あれから10日ほどたった。


2度魔樹の森に入って、真木を植える嫌がらせ攻撃をしてきたので、時間を取られてしまったせいもあるだろう。


思いのほか、真木を防御石で守る作戦がうまくいったのだ。


真木によって、どれだけ瘴気が薄れて魔樹の侵攻が遅れるかは、まだはっきりはしない。ただ、魔物を狩る上では大きな効果があった。


なにせ、真木を倒そうと魔物がどんどん吸い寄せられるのだ。

俺たちは、真木に注意を向けている魔物を後ろから襲うだけ。


効率は頗るいい。


植えた真木も、防御石の効果で今のところ倒されたものはない。


防御石の命石(ライフコア)が消費されるまでにどれだけ植えられて、育つ事ができるかが勝負だろう。


そして、今日。

新兵器ができたということで、魔樹の森の外縁部に来ている。


目の前には、巨大な球体が2つある。


なんだこれ?

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