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ダンジョンは世界だ!  作者: トト
76/134

73 侵攻

「一番弱い魔物でホブゴブリンに、あれはグレーコボルドかな?」


 隠蔽や隠密を使用しながら、慎重に階段に近づいてきたが、残り1粁を切ると、魔物の密度が、シャレにならなくなってきた。


 しかも、魔物が強い。


 一番弱いホブゴブリンでも、オーク並みの強さで、それが何十頭も群れている。


 グレーコボルドも、そうだ。ゴブリンの倍近い体格で見分け安いホブゴブリンと違い、鼻先から額にかけて灰色の毛が生えているだけのグレーコボルドだが、強さは段違いだ。


 素早さも力も全く別物と言って良い。


 草原地帯で、極稀に遭遇する事があるが、グレーコボルドと気がつかないで戦いを挑むと命取りだ。


 その2種がもっとも多い魔物だが、他にもオークやトロル、オーガがうじゃうじゃいる。


「あいつらも、上位種だったりするのかな?」


 シャルが言うが、俺は首を横に降る。


「わからない。オークなんかの上位種は、5層にはいないからな」


 ホブゴブリンのような、分かりやすい上位種なら判別できるんだけどな。


「いると思って戦った方がいい」

「そうだな」


 ノマの言葉に頷く。


(さて、作戦通りに行くか)


 目の前を10頭のグレーコボルドが通りかかるのを見て、念話で合図を送る。


 みんなで一斉に飛びかかる。


 匂いも隠蔽していたので、完全な奇襲になった。


 グレーコボルドたちは、声を上げる間もなくなぎ倒された。


 俺は群れのリーダーを含め、2頭を倒している。


 ただ、殺してはいない。


 俺はリーダーの脇に腰をおろし、頭を押さえつけた。


「お前たちは、負けたんだ。俺を受け入れろ」


 リーダーの目を睨みつける。


 コボルドは、群のリーダーを頂点とした格付けがしっかりとした魔物だ。自分を破った強者を受け入れ安いと言える。


(従いました)


 ココアの言葉に確認すると、リーダーのステータスが見えるようになっていた。


 俺の眷属となったのだ。


 シャルやノマとは違って、制限を幾重にもつけていく。


 命令には絶対服従、意思は残すが必要なら、俺が直接動かせるようにする。


 代わりにと言ってはなんだが、能力を少し底上げしてやる。


「よし。お前はこれからアルファだ。いいな」


 押さえていた手を離し、他のグレーコボルドも含めて、治療魔法を使ってやる。


 アルファは、地に頭を擦り付けるようにして、恭順の姿勢を示した。


 それを見て、群全体が同じ姿勢を取る。


(コボルドは、リーダーを抑えれば楽ですからね)


「よし、じゃあアルファたちは、俺たちの後方を守るんだ」


「ガッ」


 アルファが頷くのを確認すると、俺は魔法を発動した。


 俺たちとシモベたちを乗せた10米四方ほどの土地が持ち上がる。高さは2米程だ。更に胸壁も作る。


「アルファたちは、この後に隠れて、回り込む奴らを倒せ」


「ガガッ」


 突如現れた砦に、魔物が集まってくる。


「よし、じゃあ戦闘開始だ」


 俺はそういいながら、一番近くにいたオーガに向けて《炎の矢》を放った。


 戦闘が始まる。


 思ったよりも、楽な戦いだな。


 なにしろ魔物は一直線に即席の砦まで走ってきては、俺たちの矢や魔法の的になる。


 射撃時間確保の為に《軟泥》を使っていたりするが、危険を感じることは、ほぼない。


 待機させたグレーコボルドたちだが、全く出番がない。


「見える範囲は、全て倒したかな」


「そうね。アルファたちを使って、回収させる?」


 辺り一面に散乱する魔物の死体を見て、ノマが提案した。


(回収しましょう!もったいない!)


 ココアはそう言うよなー。


 瘴気が増えても困るので、アルファたちに回収させて、マイダンジョンに放り込む。


 一部の魔物は、アルファたちに与えた。


 ちとグロいが魔物は魔物を食べて、瘴気を取り込み成長するのだ。


「よし、じゃ進むか」


 ツリーボアの血で作っておいた魔力回復薬を飲み干して、気合いを入れる。


「もうちょっと美味しければ、気合いも入るけどねー」


 顔をしかめながら飲み干したシャルが、文句を言う。

 無茶を言わないでもらいたい。

読んでいただき、どうもありがとうございます。


なんとブックマーク登録が100件を超えました。

感謝の一言であります。


実生活も忙しい中、もの凄く励みになります。

この勢いで、来週はなんとか週3回更新に戻したいと思います。


たぶん。

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