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ダンジョンは世界だ!  作者: トト
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21 ゴブリンと尖兵とシモベ

2019年5月11日:ゴブリン討伐後の処理に関する記述を訂正しました。

 気合いを入れ直すべき4人は、村を出る時こそ普通だったが、離れるにつれ本性を現している。


 やる気がないのはともかくとして、索敵もしないのはどうなのかね。


 まだ村に近いんで油断しているんだろうが、4日前に村を襲ったゴブリンたちの残党が、まだウロウロしているんだけど。


 今も起伏の関係で見えないけど、もう4、5米進めば、ゴブリン4頭とバッタリと出会うはずだ。


「ゴ、ゴブリンだ!」


 ほらね?


 棍棒を手にしているゴブリンに比べて、4人は武器に手をかけてもいない。


 いきなり怪我させても、しょうがないしなぁ。


 溜め息をついて、俺は先頭のゴブリン目掛けて石を投げる。


 ボヒュ。


 鈍い音と共に狙ったゴブリンの頭が消し飛んだ。


 突然の惨状に、ポールたち4人も仲間の血肉を浴びたゴブリンたちも動かない。


「戦わないの?」


 俺の言葉にやっと4人は動き出した。

 戦い始めれば、すでに数で優位に立っているポールたちがゴブリンたちを圧倒した。


(マスターたちに比べると、随分力任せですね)


 ココアの感想に、俺も頷いた。


 オドさんの教えを受けた世代のはずなんだけどな。

 オドさんは、基礎と同じくらい戦術を重視する人だ。尖兵見習いになる前に、みっちり戦術的な動きを教えられたはずだ。


 だが、4人は連携する動きを全く見せていない。勝つには勝つが、時間がかかるしなにより疲労するだろう。


 まあ、そこら辺はおいおいに、ってとこかな。


 命石(ライフコア)を取ると、瘴気化しないように処置をして死体は捨て置く。ゴブリンだと、命石(ライフコア)以外に利用可能な部位もないしね。

 まさか目の前でマイダンジョンに入れるわけにもいかない。


 その代わり


(回収よろしく)


 後続の2人に念話で頼む。


(謹んで)

(お任せください)


 そんなしゃちほこばった思念が届いた。


 そう。俺はシモベを召喚したのだ。

 昨夜、みんなで話あって決定した。


 召喚したのはエルフとドワーフ、それぞれ男女一人ずつで計4人。


 そしてシモベも二手に分かれている。

 俺の方には、エルフの男性イシュルとドワーフの女性ヴァニラについてもらっている。


 ついてもらっていると言っても、村の人間に見つかると面倒なので、だいぶ離れてコッソリとだけど。


 イシュルもヴァニラも、それがいたくご不満らしい。


「栄誉ある直衛とはいえ、お側に仕える事が叶わないとは慚愧に絶えかねます。何卒、ご再考を!」


 などと、涙を流さんばかりに土下座をしていた。


 シャルたちに付くエレールとドランに


「マスターのご命令に異を唱えるなど言語道断!」


 などと張り倒されていたけど。


 全体的に、シモベたちは俺に対する敬意過剰で、ちょっと疲れる。

 なんとか、フランクに接してと説得して、やっとこんな感じだ。


 シャルにノマ?

 2人はシモベたちに「奥様」とか言われてニマニマしてたよ。


 なんだよ奥様って。俺はまだ、やる事やってねーぞ。


 いやまあ、自ら罠に飛び込んで行くような、そんな愚痴を口に出したりはしないけどさ。


 さて、東の平原への移動を急ごう。


 それから2時間ほどの道中は、あまり変わり映えのしないものだった。


 ちょっと、ゴブリンやコボルドの姿が多いくらい。

 それを見つければ撃破し、後方でコッソリとイシュルたちがマイダンジョンに回収する。その繰り返しだ。


 実はポールたちが撃破した魔物よりも、後方でイシュルたちが倒した魔物の方が、遥かに多かったりする。


 やる気も索敵能力も違うから、当然といえば当然だ。


 なんかポールたちの足がどんどん重くなるな、と思った頃だ。


 俺は、それを見つけた。

読んでいただいて、ありがとうございました。


サブタイトルを思いつかなくて、とうとう名詞の羅列になってしまいました。

タイトルとか要約とか、本文書くより難しいのは、なんなんでしょうね?

私だけ?

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