表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

2.添付されたBAN画像

「やっぱりこれですよね。」

左手に生中の入ったジョッキ、右手には魚肉ソーセージをつまんだ箸を持ちながら小山さんが口を開いた。

久しぶりの乾杯をした小山さんはご機嫌そうに見えた。

しかし帰り道、あの高い自転車はどうするのだろうか?酒を飲んで自転車に乗っても立派な飲酒運転である。

そんなふうに考えている私を察したのか、「自転車は押して帰りますよ」とそっけなく言った。

ひとまず小山さんを信じることにして、前回の取材からの今日までの出来事をふりかえることにする。


小山さんとは昨年11月に行った最初の取材以降もメールで連絡を取り合っていたのだが、今年の2月ごろから音信が途絶えてしまった。

私は彼が永久BANされたのか、それとも婚活でも始めてドラクエを辞めたのかといろいろな考えを巡らせたものだ。

ここまでは前作の終盤に書かせてもらったのと一緒である。

連絡が途絶えてからは、取材内容をまとめた文章を更新するたびに今現在小山さんは何をしているのだろうかという心配が募り、冒険者の広場にRMTの処分情報が掲載されるたびに不安に苛まれる日々が続いた。


それだけに6月10日に小山さんからメールが届いた時には素直にうれしかった。

実に4カ月ぶりの連絡である。

「お久しぶりです」というタイトルのメールには、しばらく私に連絡が取れなかったことを詫びる内容と落ち着いたのでまた会って話しませんか?というお誘いが綴られていた。

このありがたい申し出に、私は即座に「是非お会いしましょう!」と返信しようとした。


返信を書きながら、あることに気が付き手が止まった。

小山さんのメールには添付されたファイルがあった。

何だろうと思いながらそれを開くと、スクエニからの【永久BAN通知の画像】だった。

この1枚とメール内の「落ち着いた」という文面が最悪な形で繋がった。


「キミーさんには何だか心配おかけしたみたいで、すいませんでした。

たしか2月ごろからメールを送っていなかったから失踪したみたいに思っちゃいましたよね。

でも、小説家になろうのサイトで僕の事を発表していたのは知っていましたよ。

しばらくしたら感想を送ろうと思ってたんですが、メール送るのを先延ばしにしてたらBANされちゃいまして……」

やはりメールに添付されていたスクエニからのメールは小山さん宛てのものだった。


私は2つの疑問を口にした。

ひとつは音信が途絶えてからもドラクエを続けていたのか?というものと、

もうひとつはRMTも続けていたのか?というものである。これは愚問かもしれないが。


「ドラクエはずっとしていましたよ。

メール送るのを忘れるほどにドラクエやっていました。

BANされた当日までドラクエをしていましたね。」

小山さんは音信が途絶えた後も4カ月ほどドラクエを続けていたらしい。

今日はドラクエの話を沢山語り合うことができるだろう。

そして……


「RMTはいろいろありましたけど、当然続けましたよ。

使った金額ですか?2~6月までRMTに30万以上は使ったと思います。

合計すると、ドラクエ始めてからBANまで100万以上掛けましたね。」

そして……RMTの話も沢山教えてもらうことができそうだ。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ