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最弱の学習能力

そう、自身の身体の周りに小さい雷が起きていたのであった。


「うぇ?マジ?」

びっくりして変な声が出た。


「お兄ちゃん止めて!」

愛海が必死に言っている。


「どうやって止めんの…?」

泣きそうな声で聞いた。

「力を抑え込む感じ!腹筋に力を入れるの!」

わかりやすいアバウトな解説をありがとう。


「ふんぬ…」

(ブブゥ)

腹筋に力を入れた途端、雷が消えるのと同時にガスが出た。

「お兄ちゃん最っ低!」

おいおい、腹筋に力を入れると言ったのは誰だ。


「ま、まぁ止まったしいいじゃん!」

少し焦りつつも平然を装った。


「そうだけど…お兄ちゃんの能力も【電撃(でんげき)】なの?」


少し嬉しそうな顔をしている。

「うーん…違うはずだけど…俺の能力は電撃じゃなくて、【最弱(さいじゃく)】なはずなんだよな…」


「最弱ってのは、俺がつけた名前だからお前が知るわけないぞ?」

愛海の質問に咄嗟に答えた。ん?いま口動いてたか?

「え?何も言ってないけど…」

どうして言いたいことがわかったの?という顔でこっちを見ている。


「んー…あ!思い出した!」

愛海は「何を?」という顔をしている。

「俺が言った病院の先生の能力が視覚能力上昇だった!」

「それとこれがどう関係あるの?」

いま、口ははっきりと動いたよな…?

「俺の能力は全てを学習する力らしいから、原理を教えてもらった、先生の能力と、その能力で視覚したお前の能力を学習したんじゃないか!?」


確証はないがそんな気がしたため解説をした。

「えっと…え?つまり、相手の能力をコピーできるってこと?」

理解力があって助かる。


「たぶんそう!なんだけど…それだと、学習じゃなくて、複製って出ると思うんだよな…」

もちろん合っているとは限らない。


そんなことを二人で考えていると、夜になった。


料理は基本愛海がしてくれる。

両親は、母は主婦だったのだがママさん旅行中に能力事件に巻き込まれ行方不明。


父は警察として、その母を捜すために世界を飛び回っている。

親権はいつでも連絡を取れる父にあるのだが、特別なことがない限りは連絡をしないため、別居状態にある。


「はい、お兄ちゃんできたよー」

そう言って出されたのは、愛海の得意料理

生姜焼きだった。


「「いただきまーす」」

愛海は料理がうまい。手先も器用なため、いろいろな料理を作ってくれる。


なぜ、未だに彼氏いない歴=年齢なのかがわからないほどだ。

顔は両親には似ていないが俺には似て、可愛い。

もちろん俺もそんな可愛い妹と同じ血が流れているのだから、上の中ぐらいだ。まぁ、彼女ができたことはないが…


夕食を食べ終わると洗い物は俺担当だ。

愛海ほどではないが手先は器用な方で、洗い物は極めている。


洗い物が終わると、就寝する。

俺は一緒に寝たいのだが、妹が拒否する。


仕方なく自分の部屋で寝ているのだが、ホラー番組を見た後は許してくれる。


「明日は転入の準備するぞ?」

忘れてないかの探りを入れつつ、手伝いを促す。

「わかってるよ」

愛海は眠たそうに答えた。


「んじゃ、おやすみ」

俺は返事を待たず寝た。


〜次の日〜


朝起きると、9時だった

「やっべ!寝すぎた!」

急いで学校に行くための用意を始めようとすると、愛海の声が聞こえた。


「お兄ちゃーん、転入の準備手伝ってー」

そうだった、転入をするために今日は準備をするのだった。


「おう!ちょっと待ってろー」

ん?てか転入の準備って何するんだ?

「お兄ちゃーん今頃だけど転入の準備って何すんの〜?」


愛海もわかってなかったみたいだ。

「ちょっと病院の先生に聞いてみるわー」

こんなことで名刺が役立つとは思わなかったな。


「もしもし、田山(たやま)ですが。」

病院名を言わないということは個人電話番号だったのか。

「あの、先日お伺いした、天崎です」

これでもかというほどの綺麗な敬語を使った。

「あぁ、天崎くんか、どうしたんだい?」

思ったよりラフな返事が来たな。

もっと形式ばった会話になると思ってたんだけどな…


「いや、転入するための準備とかどうしたらいいのかな?って」

やはり医者と患者という立場でも話しやすい雰囲気があるな。

「別に何もしなくていいよ、あっちで全部してくれるらしいから。」

当たり前だろという口調で電話越しから聞こえる。


「え、じゃあ僕らって…」

「ゆっくりしといていいよ。」

予想外な返事が来た。何かしておくべきことも何もなく。ゆっくりしといていいよって


「はい、わかりましたありがとうございましたー」

お礼だけしてすぐに切ってやった。次会ったら謝っておこう。


「愛海ー、何もしなくていいってよー」


「はあああああ?ふざけんなよおおお?」

妹の怒鳴り声と落胆した声の中間のような声が聞こえた。


「もう私は寝るっ!」

二度寝を宣言しやがったぞ…


まぁいいや、俺は転入までに能力の確認をしておかないといけないな。

お、丁度電池容量が減ってるな。電撃を試してみるか。


「確か、こんな感じで………あれ?何も起きない?」

妹には悪いが起きてもらうか…

「愛海ー?起きろー!」


わざわざ部屋まで行って叫んだ。

「うるさいなー…なに?」

眠そうな顔をしているが、まだ寝付けていなかったようだ。


「電撃ってどういう感覚で発動するんだ?」

「いきなりどうしたの??昨日使えてたじゃん。」

嫌味ではなく、ただの疑問のようだ。


「いやぁ、なぜか使えなくなって…」


「ふぅん、まぁいいや、えっとね…なんだろうな…気を集めて電気を発電する感じ?」

相変わらずアバウトな解説をありがとう。


「こ、こうかな?」

その瞬間、前と同じ感覚。静電気が全身に帯びる感覚が蘇った。


「お、そうそう!出来てるじゃん!」

妹の褒め言葉が聞こえる。幸せだ!


「じゃあ…充電してみようか…」

手に持っているスマホに意識を集中させる…が、充電は開始されなかった。


「あの…どう充電すれば…」

そう言いながら顔が恥ずかしさからか火照っていった。


「うーん…指先に全身に流れているものを集中させてみて?」

お、愛海には似合わないわかりやすい解説だな。


「こう…かな?」

するとスマホは充電されだし、すぐに100%になった。


「おお!出来た!」

歓喜の声を上げた。いきなり叫んだせいか愛海は少しビクッとしていたが、すぐに笑顔になっていた。

「よかったじゃん!」

兄の喜びに共感してくれる妹…俺はいい妹を持ったな…


「じゃあ私は寝るねおやすみ」

そう言うとすぐに布団に潜った。


ありがとう。とだけ言いすぐに部屋から出た。

にしても、なぜ昨日はモノマネとして発動できたのに、今日はダメだったのだろうか…


そういえば無意識に電撃を停止しているな。

俺の能力は一体どういうものなのだろう。その時にノリでつけた名前に案外あっているのではないのか?あっていたらいいな…


妹も寝たし、俺は散歩にでも出かけようかな…

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