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能力:最狂

生徒会室に戻ってきたはいいが、みんな顔を(しか)めている。


「お前らどうしたんだよ…?」

全員に向けて言う。


「…てんだよ…」

神坂が小さい声で言う。


「なんだって?」

聞き返す


「なんでてめぇが【最狂(さいきょう)】なんて物騒な能力持ってんだよ!」

神坂はそう言いながら小さい体で俺の首元を掴み上げる。


「やめ…ろ…マジ…で…死ぬから…」

首を絞めるのがうまいな。

感心してる場合じゃない!本気で死ぬ!


「神坂さん…落ち着いてください!」

佐藤が止めに入る。

珍しく少し感情的な声をあげている。


「そうだよ!玲沙ちゃん!首を絞められても、殺意が湧いたような様子はないんだから最狂も今は使えてないんだよ!」

最狂ってのは、狂気のことでいいのか?

正式名称が最狂ってことでいいんだよな?

正式名称がわかればこっちのものだ。

いくらでも封じ込める。


「イテテ…いきなりなんだよ…ったく…死にかけただろ…」

少しキレ気味に言った。


「私は…最狂が許せないんだよ!」

そう言うと、生徒会室から勢いよく出て行った。


「どうして神坂はいきなり俺の首を絞めたんだ?」

首をさすりながら佐藤に聞く。


「それは…」

佐藤が表情を曇らせる。


「あいつと最狂に何か関係があるのか?」

追い詰めていく。


「それは、神坂さんに最狂がトラウマを植え付けたからですよ。」

トラウマ?なんだろうか…何か悪いことには違いない。


ここで、話を一度変えたほうが良さそうだな。


「そうなのか…最狂についての情報をくれないか?使いようによっては、コントロールできるかもしれない。」

もちろんそんな根拠どこにもない。


「最狂は、私たちが5歳ぐらいのとき、一斉に駆除されました。最狂の能力が発現した人にのみ、その能力がリセットされる薬を大気圏から世界中に撒いたんですよ…もちろん今も撒かれています。」


「それじゃあ、なぜ俺の最狂は消えないんだ?」


「多分それは、【最弱(さいじゃく)】という能力のフォルダに入っている一部に過ぎないため、効果がないんでしょう…」

なるほど…つまり今は削除方法がないってことか。

もちろん能力の消し方がわかっても消すつもりはないけどな。


この能力は随分と戦闘には役立つ。経験則から行くとこの能力が発生している間の傷の治療速度はカメレオンが獲物を取るとき並みに早い。


そして発動している間は、痛覚が俺自身の人格に通らない。こんなことから戦闘では十分に活躍してもらうため、消すことはできない。


「え?でもさ、その最狂が消えた人はどうなるの?リセットってことは違う能力を得れたの?」

神山が質問をする。

確かにそうだな、リセットと言っても与えられるのは生まれてから16までの間だ。


「それについてはあまり詳しくないですが、16にまだなっていなかった人々には新しい能力が振り分けられ、それ以上の人々は無能力者として生きているそうです。」

ふぅん、無能力者か。


今まであったことはないけど、実在するんだな。


(ガチャ)


「生徒会の方〜準備お願いします〜」

よし、決勝は少し最狂を押さえ込んで戦うか。


「はいよ〜」

そう言うと俺は運動場へ向かった。


〜運動場〜


ん?なにか見慣れないものが置いてあるな。


「あ、ちょっと、触らないでください」

審判から注意を受ける。


「これは、なんなんですか?」


「それは決勝だけに被害が今までと比較にならないことになるだろうということで設置されているリングですよ。」

なるほど、さっきの神VS魔神もやばかったとは思うが。


「あ、もちろんそのリングから出た方の負けというルールも追加されます。」

追記ルールか…リングがあるということは、今までみたいに部屋でモニターを見る形ではなく、間近で見るのもいいんだろうな。


そんなことを考えていると、続々とギャラリーが押し寄せてきた。


「神坂…」

目線の先には神坂がいた。


「星真…最狂は使うなよ!」

そう釘を刺されたので、わかってるよ。

という意味を込めて微笑んでおいた。


「よろしくお願いします」

「ああ、よろしくお願いします」

いつの間にかリングに上がってきていたんだな。


「それでは始めます。戦闘用意…3.2.1スタート!」

そうお決まりの掛け声が決まった後、相手は俺との距離を詰めてくる。


こいつは馬鹿なのか?いや、俺の能力を知らないのだから普通か。

このまま、転移でリーグから降ろして勝利は頂くか。


「うおおら!」

殴りかかってきたところを手で止めすぐさま転移させた


はずだった…


その瞬間俺は、転移で相手が飛んでいないことに気づき咄嗟の判断でいつもの【電撃(でんげき)】バリアで防御した。


「ええ…おいおい…転移しないってどういうことだよ…」

頭が混乱してきた…どうして転移が効かなかったんだ?わけがわからない…


「この感じ、【転置(ワープ)】か?いやでも電撃を今使ったってことはまた違うのか…?」

相手も俺が複数の能力を使ったことに混乱しているようだ。

そんなことよりこの能力は転置って言うのか。


じゃなかった。転置が効かない今、あいつを倒す方法を考えないと…

女じゃないと、最狂のハッタリで降参を促すことはできないし、神坂と約束した以上使うことはできないよな。


じゃああの魔神召喚するか?ダメだ、あいつを制御する自信がない。


どうする………


「何考え事してんだよ!」

そう声が聞こえた瞬間蹴りが飛んできたが、無意識にバリアを張り続けていたおかげでダメージはなかった。


「ああ、悪いな。お前をどう楽な倒し方ができるか考えてんだ、待ってくれ。」

煽りも混ぜてみたが、効果はどうだろうか。


「あ?口だけは達者だな!?」

釣れた…チョロいなこいつ。


それから無数の蹴りが飛んできたが、身体系の能力じゃないのか、バリアは破られない。


ん…?相手に転置が効かないのは、何故なんだ?

あの時確かに転置はしたはずだ。

その感覚はあった。

しかし、リング上からは落ちていなかった。

なるほど!あいつの能力も転置だ!なら簡単だな。


「【火炎(ヒート)】初使用か…まぁいいや、どれほどの力かも知りたかったところだ。」

俺はそう呟くと、自分が立っているところ以外のリング上を全て燃やし尽くした。


さすがにこれで生き残ってたら褒めれるな。


「え?ちょ、これはずるいだろ!」

ズルさも強さだ。


「わかった!俺の負けでいいから!炎を消してくれ!」

そう叫んだのが聞こえた。


「無所属側の降参により、生徒会側勝利!この試合の結果より、生徒会側の優勝!拍手を!」

そんや声が聞こえたので、炎を消した。

さっきの戦いより面白くなかったな。まさか降参で終わるとは思っていなかったよ。


まぁ、狂気の本名…最狂って名前が分かっただけで、抑え込めるとはな。


「星真!」

神坂の声が聞こえた瞬間後ろから刃物が飛んできた。


「うっ…」

そう呻きながら飛んできた方向を見るとそこにはニヤニヤしている無所属の相手が教員に押さえつけられている。


あれ…こいつの能力は転置なんじゃないのか…押さえつけても転置で逃げられるだろ…


「ヒヒヒ…ヒヒヒ…」

ずっと笑いながら押さえつけられている。


どうして逃げないんだ…?直ぐに逃げられるだろう…?


そう思考を巡らせているうちに、気を失っていた。

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