第11話
「ふへ?」
気付いたら朝だった。
リビングに置かれたベッドの上で目を覚ました椎菜は、気の抜けた目覚めとともに、意識を取り戻した。
とはいえまだ夢半ばの状態である。実のところ寝起きはいいほうではない。それでも毎朝学校があったので無理やり親に起こされて、学校に向かうまでの間にようやく目を覚ますのだ。
しかしここ数日は学校に行くことは適わず、毎日が強制サバイバルだった。
故に数日振りの布団は非常に心地よく、いつの間にやら眠っていたらしい。
「…………」
そのままで実に二十分近い間ボケェとしていたが、ようやく意識が浮上してくる。
窓から入ってくる陽射しに眩しさを覚えながらゆっくりとまぶたを開いていき――
「お嬢、起きたか?」
「――ッ!?」
すぐ傍から聞こえてくる男性の声に、一気に覚醒した。
思わず言葉通りに上半身だけ飛び起きるようにして辺りを勢いよく見渡す。そして近くのソファに腰掛けて本を開いていた桔梗と目が合った。
「紅坂さん!?」
「おはよう、お嬢」
「え?え?」
「おはよう、お嬢」
「え?何で?」
「お・は・よ・う、お嬢」
混乱するしかない椎菜に、それでも辛抱強く桔梗は挨拶を繰り返した。
その甲斐あってか、椎菜もすぐにその気迫に呑まれ、押し黙ることしか出来ない。
「おはよう、お嬢」
「お……おはようございます……」
「うん、おはよう」
どうにかこうに朝の挨拶をすませると、それだけで彼は納得したのか、目の前のテーブルに本を置き、やおら立ち上がる。
「起きたばっかで悪いが、そろそろ朝飯の時間だ。顔を洗って寝癖を整えたら、すぐに下におりるぞ。俺は部屋で寛いでいるから準備が出来たら教えてくれ」
パタンという背後でドアの閉まる音がして、リビングには静寂が戻る。
未だ正常に復帰できない椎名ではあったが、彼が座っていたソファーの後ろのサイドボードの上に設置された鏡が丁度目に入った。どうやら桔梗の体で隠れていたらしい。
そして鏡に映る呆然とした寝癖が爆発した少女と目が合い、
「イヤーーーーーーーーーーーッ!!!!」
と今度こそ目が覚めた。
「あっはっは!そりゃ油断大敵ってやつだね!一階の食堂まで悲鳴が聞こえたときは、やはりか!とキキョウくんの性癖を正しく理解するところだったけど、うちで事案が発生しないで本当に良かったよ」
「おいミクちょっと待て」
「ううぅ……」
朝の悲鳴の一幕をミクリアに根掘り葉掘り聞かれ、意気消沈する椎菜を傍目に、ミクリアは妙に上機嫌だった。
あのあと鬼の形相で室内にマスターキーで入ってきたミクリアだったが、リビングになぜか設置されたベッドの上で、真っ白に燃え尽きている寝癖前回の少女を見たときは逆にびっくりしたものだが、とりあえず乱暴された形跡がなかったことにホッとし、桔梗の名前を呼んでみた。
そうしたらあっさりと別室から彼が顔を出したので、事情聴取をしたわけだ。
彼の説明では要領を得なかったが、彼の証言と少女の現状から彼女は過たずに答えを出した。
そして客商売をしている身として甚だ不謹慎なことに笑ってしまったのである。
「そりゃ無防備な乙女の寝姿を見られたばかりか、大噴火した髪形まで見られたんじゃあ、致命的だよね!でも今回はキキョウくんにあまり非はないかな?寧ろ優しくしてくれたじゃん」
「それはわかるんですけど、心が納得してくれなくて……」
「わかるわかる、私も乙女だもん。寝起きを見られたらどんな理由があってもパンチをお見舞いしちゃうね!」
ミクリアはそうあっけらかんと言い放つ。
起きたら自分の部屋に桔梗がいるということを想像すると、怒る前に少々頬が熱くなる。だから手を出すのはきっと照れ隠しなのだ。
しかし彼女の年齢では「男女が同じベッドの上で夜を過ごす」ということをしっかりと正しい意味で理解している。だから流石に同じ理由で椎菜が不貞腐れているとは思わないが、深層心理の部分ではおぼろげに理解しているのかもしれない。
そう思うと微笑ましくて勝手にニヤニヤしてしまう。
そしてそれが椎菜の心をいちいち抉るのだ。
「それで、今日はどうするの?初依頼かな?」
「俺はそのつもり。でもお嬢はまずはこの街で生活するにも道具や服などの日常品を揃えたいから、別行動するつもりだ」
「え?」
そこで初めて椎菜が反応した。
そんなこと初耳だったからだ。
何となく自分も今日は「依頼を受けるんだろうな」くらいに考えていたし、ちょっとだけその事実に興奮もしていた。依頼をこなすということは、誰かの助けになると思ったからだ。
しかしいきなり肩透かしを食らったような発現に、思わず疑問がついて出た。
「え、いつの間にそんなこと決まったんですか?」
「いつの間にって……昨日部屋に戻ってきてから提案したら、お嬢も頷いてくれたじゃないか」
「…………」
記憶にない。というか、リビングに戻ってからの記憶が定かではない。
話をするためにリビングに置いていたベッドに腰掛けたところまでは何とか覚えていたが、その後のことはまったく覚えていない。
今日起きたのもそのベッドの上だった。ならば導き出される答えはひとつだけ。
そのまま眠ってしまったのだ。
どんなに記憶を掘り起こそうとしても、一向に昨夜のそのやりとりというものが思い出せない。それもそのはず、そのとき彼女は既に寝ており、それを知った上で彼は寝ている彼女に話しかけたのだ。
もとより存在しない記憶を思い出すことなど不可能である。故に彼女のしていることは完全に徒労だった。
「ま、覚えていなかったとしても今回ばかりは仕方ない。俺たちも長旅で、必要なものはほとんど持ち合わせていない。最低限必要なものだけでもまずは買い揃えなきゃダメだろう」
彼が言っていることは至極当然のことであり、そこには一部の隙もない。
しかし何だろう、この理不尽なまでの説得力は。なんとも納得がいかない。
それでも確かにやはり彼の言うことは正論なのだ。
浄化魔法でこれまで洗濯をしてきたものの、毎日同じ服ではストレスが溜まる。特に女の子は男子に比べてそれが顕著だ。
それに彼らの服はこの世界には存在しない原料で作られている。通常の服は言わずもがな、魔法服なんかは未知の領域だ。
ど田舎から飛び出してきた設定なのに、服装がハイテクノロジーでは説得力が薄い。今は「珍しい」で済んでいても、いつかは怪しまれる。
もちろん腕時計同様魔法で誤魔化すという手もある。《誤認》の魔法を使えば、自分たちの服装をこの世界の一般的な服装に見せることは簡単だ。
しかしそれはそれで面倒であった。毎日同じ服を着ているのに、毎日違う外見に設定をしなければならない。そんなことをするのであれば、新しく服を買ったほうが何倍もマシである。
もちろん魔法服は魔法ひとつで着脱可能なので、日常ではどんな服を着ていても、いざというときに気にならないのも理由のひとつだ。
それに日常生活品も今までいちいち魔法で無理矢理生み出していたので、そろそろ本物が欲しいというのもある。
だから最終的に彼女は頷いた。
「わかりました。でも次はちゃんと私も依頼を受けますからね」
「わかったわかった。そう気合入れんでも依頼はなくなったりしないよ」
「それはその通りね。冒険者ギルドには毎日ひっきりなしに依頼が舞い込むから、いつだって依頼で溢れてるよ。特になりたてのEランクの依頼なんて、受ける人のほうが少ないからいつもいっぱいだよ。お使いみたいな依頼も多いから、シーナちゃん一人でもクリアできちゃうと思うよ!」
ミクリアは椎菜のことを「桔梗のついでに記念で冒険者登録した」としか思っていないので、生暖かい目で椎菜を見ていた。
実際は覚悟さえあればSランクの依頼すら簡単にこなせるほどの実力があるのだが、一般人にそれをわかれというのは土台無理な話である。
朝からいろんな事件があり、ちょっぴり不機嫌な椎菜に、宥める桔梗。
そんな新しい光景に、ミクリアはクスリと笑った。
そんなわけで冒険者初日から別行動をはじめた二人ではあるが、そのうちの片割れである桔梗は宣言どおり冒険者ギルドに向かっていた。
目的地に着くまでは大通りを歩く必要があるが、朝から非常に賑わっている。夕方とは打って変わって特に冒険者を対象とした店が繁盛していた。これから街の外に出かける人たちが買い込んでいるのだろう。
ちなみに桔梗も道具屋に入ってみたが、結局何も買わなかったと言う経緯がある。
傷薬や毒消しなど各種薬品や、簡単な日常生活に便利な魔道具。ツルハシやロープなどの探検家御用達の道具たち。
軽く見て回ったが、どれも品質はいまいちだった。実際は日本の技術力が高すぎるだけでこの世界では標準なのだが、桔梗のお眼鏡に適うものはなかった。
とりあえず地球から一緒に飛ばされてきた手持ちが少なくなったら考えることにする。
そんな脇見をしながらも賑やかな大通りを抜け、冒険者ギルドに到着。ここは相変わらず賑やかだ。
入り口ですれ違う冒険者たちはこれから出発なのか気合の入り方が違う。心の内で「がんばってら」と心の篭らないエールを送り、入れ違いで中に入る。
中もまた盛況だ。カウンターには受付が昨日と同じく三人居り、先ほどからひっきりなしに冒険者の相手をしている。
桔梗の近くの掲示板には、新しく発生した依頼をランクごとに貼り付けている男性ギル職員の姿。彼はチラリと自分を見る桔梗を一瞥するが、特に害意がないことに気付き営業スマイルで会釈をし、自分の仕事に戻った。
冒険者たちのためのテーブルスペースは、昨日感じた「カフェのような」という印象は正解だったようで、一人だけ格好の違うギルド職員が、トレイに乗せたドリンクを運んでいた。ウエイトレスという言葉がぴったりの格好である。案外日本のオタク知識が他の異世界人から流入しているのかもしれない、と本気で思うほど近所のファミレスもかくやという格好だ。
「あ」
そんな遠くから漏れ出た微かな呟きに、それでも桔梗の超人的な聴覚は拾ってみせた。
視線を向ければ何とも言えないような奇妙に顔を顰めたシャリッテが、こちらを見ている。視線が合った瞬間、露骨に目を逸らされたが。
不躾な視線にも彼は寛容に受け入れ――ただ興味がなかったともいう――自らも視線を別に移す。用事があるのであれば向こうから来るはずだ。
桔梗は昨日あまり見れなかった掲示板をEから順に流し見る。一枚一枚を流し見するように、それでいて逐一忘れずに把握する。
依頼のランクは大まかに分けて以下の通りに大別される。
Eランク――子供のお遣いレベル。個人のお手伝いや、失せモノ探しなど、時間を掛ければ一般人も達成可能。
Dランク――少しだけ専門的な知識などが要るが、その他はEとあまり変わらない。内容がEより難しい。
Cランク――周辺の害獣や魔物の討伐など、Cから戦闘力を求められるものが出てくる。しかし心得があれば危なげないレベルの難易度。死亡者が出はじめるランクではあるが、同時に「ここからが冒険者」というべきランクだ。
Bランク――商人や要人の護衛や遺跡などダンジョンの捜索、魔物の群れの討伐などが多い。どちらも街から出て数日は掛かるような難易度だ。ここらへんから個人ではこなせない依頼が多くなってくる。パーティーの大切さを知るランクだ。
Aランク――下位ランクに大別されない内容はすべてAランクになる。その難易度は折り紙つきだ。個人ではなく国や貴族からの正式な依頼が多い。
しかし。
(意外と大した内容の依頼はないな。この街が平和な証拠なのか、そういう依頼は腕のいい冒険者が片っ端から受けてしまうのか……)
桔梗としてみれば少し肩透かしを食らった気分だ。
E~Aと確かにその難易度は見てわかるぐらいにははっきりと違うが、すべてが常識の範囲内だ。「これは無理だろう」と唸るような依頼は見つからない。
もっともAランクに書かれている討伐対象の魔物が有り得ない強さを持っている可能性も否定しきれないが、流石にそういった依頼がこんな悠長に受けられるのを待つようなことはないだろう。恐らくそういった依頼は命令という形で招集が掛かることだろう。
もっとも楽をして大金を稼げるのであればそれにこしたことはない。
期間を設定されていないような単発の依頼、それでいて報酬が高いものを上から順に三枚選ぶ。
彼が選んだのは以下の通りだ。
ネクタル大霊峰の山頂の樹に生る《幻スミレ》の蜜の一瓶分の採取:報酬三千万クロル(Aランク)
最近郊外の森に集落を作り始めたオーガの群れの殲滅:報酬五十万クロル(Aランク)
ネクタル大霊峰に生息するバジリスクの討伐:報酬一匹につき五万クロル(Aランク)
上二つは文句なしに報酬がツートップである。というか一番上が図抜けて高い。
バジリスクは幻スミレの依頼のついでに稼げるものを選んだ。
近郊の森やネクタル大霊峰がここからどれほどの距離があるのかはわからないが、距離などあってないようなものだ。そこは問題ではない。
オーガやバジリスクも一応説明を聞くが、名前を聞く限りファンタジー大辞典に出てくるポピュラーな魔物とそう大差はないだろう。
桔梗が一番不安なのが報酬だ。
彼には依頼の相場がわかっていないため、上から選んだこの報酬が適正な報酬なのかどうかがわからない。寧ろ報酬が難易度に対して安いから冒険者たちにそっぽを向かれている可能性がある。
特に幻スミレの依頼書はやけにくたびれている。長い時間放置されているのがありありとわかった。
しかし首を捻るものの働かないとお金はもらえない。そしてこの依頼がここにある中で一番報酬が大きい。これだけは事実だ。
幻スミレの採集など、日本円にして三億円である。これだけで笑いが止まらないだろう。
だからこそ桔梗は最終的にこの三つの依頼書を掲示板から剥がすと、シャリッテの受付の列の最後尾に並んだ。
シャリッテが受付を終えて次の冒険者を呼ぶために顔を上げた際、自分の列に並ぶ桔梗の姿に気付く。
人前であるが故に今度は声には出さなかったものの、昨日の驚きが脳裏にフラッシュバックし、次を呼ぶ声がわずかに硬くなった。
「シャリッテさん、どうしたの?」
「いえ、何でもありませんよ!」
違いに気付いて心配する冒険者に笑ってごまかし、事務的に受付を済ませていく。
優秀な彼女は桔梗までの間に並ぶ五人の冒険者を十分弱で捌いた後、これからが本番だと気合を入れなおした。
「次の方どうぞ」
「よろしく頼む」
そして差し出された依頼書の内容を見て、入れた気合がすぐさま雲散霧消する。
その依頼書は冗談のような内容が書かれたモノである。もちろん職員であるシャリッテもこういう内容の依頼書が貼られているのも知っていた。
しかしこんな依頼を受けようと思う物好きがいるとは思わなかった。
まず大霊峰の幻スミレ。これは貴重な《始祖の霊薬》に必要な材料のひとつだで、標高の高い場所にしか咲かないことで有名な花だ。そして「幻」の名を冠するに相応しいほどに扱いがひどく難しい。せっかく手に入れても、扱いに失敗すればそれこそ幻の如く消えてしまうのである。
そして何よりも場所が大問題なのである。ネクタル大霊峰は魔物の巣窟である。まず人が足を踏み入れて無事には帰っては来れないほどの危険地域だ。
それでも山頂に幻スミレがあることが知られているのは、数年に一度王国の騎士団が大人数で足を踏み入れ採取をするからである。危険を冒す価値があるほど件の霊薬の価値は高いのだ。
しかし冒険者にとっては霊薬など豚に真珠、猫に小判だ。確かに効き目は素晴らしいものがあるが、そのために高い金を払うのはもったいない。そんな金があるのなら、彼らは冒険者になったりはしない。
始祖の霊薬の使い道は王族のためのものだったり、戦闘時に将軍などの要人に持たせるものだったりする。つまり簡単に死なれては困る人たちのためのものだ。
そういうものだからこの依頼書の報酬は決して安いものではない。少なくともこれを達成できれば数十年は遊んで暮らせるだろう。
幻スミレは咲いている場所と扱いに難があるだけで、生息数は比較的多い。大霊峰の山頂は一面に咲き乱れているとも言われている。
その場所が今回大問題なのであるが。
そしてオーガもまた人類にとって強敵だ。同じ人型の魔物であるゴブリンやコボルトとはワケが違う。ヤツらなら駆け出しの冒険者パーティーや中堅の冒険者でも相手は出来るが、オーガはその何倍も強い。ゴブリン群れほどの強さを一匹が有しており、しかもそれが群れている。人型の魔物の特徴は群れることだ。これもまた人と似ている。
森に偵察依頼に出た冒険者の話では、少なくとも三十体以上いたそうだ。
報酬の大金貨五十枚というのは一見多いように見えるが、こういった依頼は複数のパーティーが手を組んで受ける内容であり、そうなると途端に一人当たりの報酬は目減りする。五人パーティーが四組で動けば、一人当たりの報酬は二万五千クロルと意外に少ない。
人数が少なければ少ないほど報酬は上がるが、その分命を落とす危険性も上がっていく。そのバランスをどうするかが運命の分かれ目だろう。
バジリスクは大霊峰を住処とするトカゲ型の魔物だ。猛毒を持ち、簡単に人を死に追いやる恐ろしい魔物である。「人を石にする」と言われるが、それが毒の効果であり、神経系を犯し身動きを取れなくし、そして最終的に生命活動すら止めてしまう。
バジリスクは群れることはないが、それでも同じ地域に生息していることは多い。共生生活をしているかしていないかの差だろう。その生物が暮らしやすいところであれば、その生物が増えるのも納得できる話である。
とまあ、長々と説明をしてきたものの要約すれば「冷やかし」としか思えない依頼書の提出であった。一個一個も高難度ながらそれを三つ同時に受けるなど、冗談としか受け取られようがない。
特に幻スミレはギャグといっていい。冒険者や職員はこの依頼書を「魔除けのお守り」とまで言う始末だ。それもそのはず、これら始祖の霊薬の材料は各国が絶えず依頼を出して高額で買い取るため、依頼が無くなることがないからである。例えこの依頼が無事達成されても、すぐに同じ依頼が貼り出されることだろう。
しかし、
「どうかしたか?」
「いえ……」
上司であり国の象徴とも言えるラファイルを以ってしても「敵わない」と言わしめた少年である。そしてそれはシャリッテもその力の片鱗を目の当たりにした。
であればこの依頼も案外飄々とこなしてしまうのかもしれない。それほど冗談にしか思えない戦力の持ち主なのだ。
「依頼は受理しました。これから詳しい説明と、必要な道具をお渡し致します」
「よろしく頼む」
シャリッテはすべてを観念し、その後の職務に励むのだった。
お読みいただきありがとうございます。