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紫の仮面  作者: 馬場悠光
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第三章③

「……………」


 夕食を食べ終えて自分の部屋で勉強をしていた所、まるで四方八方から誰かに見られている様な気がした。最初は人を殺してしまったからその影響かと思ったが、時間が経つにつれて、そうではないような気がした。


「よし」


 一時勉強を中断して立ち上がると、俺は自分の部屋の中を荒らしまくった。


「一体何やってんのよ」


 途中、母が怪訝そうな顔をしてやって来たが「少し掃除をしているだけ」と言って追い返した。


 約三十分…遂に壁に掛けた時計の裏から、それを一台見つけ出すことが出来た。


 小型のカメラだった。人に見られているという感覚は、コイツのせいに違いない。


 俺は一昨日自分が殺した男の顔を思い浮かべた。あの男がこれを?俺の行動を監視する為に…もしかすると、もっとカメラが仕掛けられているかもしれないが、奴が死んだ以上それらももう無意味だ。


 俺はカメラをストローやアルミホイルの溜まったゴミ箱に放り込んで、ベッドの上に横になった。


「大川…」


 俺が一体お前に何をしたというんだ。確かに陰口を言ったり、見せてくれと頼まれたノートを出し渋ったりした事はあるが、それが殺意に繋がるとは思えない。それに、どうしてわざわざあんな目立つ格好をして殺人を犯そうとしたんだ。顔を隠したいにしても、紫色の仮面なんかを付けていれば、浴衣姿の恋人以上に目立つだろう。


「…アイツは何がしたかったんだよ…」


 俺は数学の問題以上に、難解な問題に直面してしまった様である。


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