詩 グミ、食べる?
授業が終わり、彼女の元に行くと、口をもごもご動かしている。
「何、食べているの?」
「グミ。ハード系の」
「美味しいの?」
「食べてみる?」
勧められて、俺は1個手に取り、口の中に入れる。
飴やゼリーとは違った食感。
ぶどう味なのだが、果物が弾けたような、そんな感じである。
ハード系というから、もちろんグミ自体は硬めである。
「美味しいな」
「でしょ? なかなか売ってないのよ」
彼女は袋からもう一個取り出し、俺の唇に寄せてくる。
ごくんと、先の1個を食べ終わると、彼女の手から口に入れてもらう。
まるで親鳥が小鳥に餌を与えるようなものだと、苦笑する。
俺は周りに睨みをきかせて、何も言われないようにすると、彼女に聞く。
「他にも持っているの?」
「持っているよ。見る?」
「おう」
カバンから彼女はお菓子を取り出す。
カラフルな見た目は子どもが喜びそうなもので、つい手を伸ばしたくなるような、そんなデザインだった。
まるで秘められたアイテム、しかもレアに出会ったかのような幸福感だった。
「こんなに持っているのか」
「だってお腹、空くんだもん」
彼女は少し頬を赤らめる。
確かにランチタイムまで、時間はかなりある。
ぐーとお腹が鳴る人もいるから、授業時間がどうにかならないのか、文句を言いたくなる。
「一緒に食べてもいいか?」
「いいよ。好きな物を教えて」
「えーっと」
俺はお菓子を眺めると、2つ、3つ、選ぶ。
口の中に入れると、梅味で少し甘酸っぱいような、まるで初恋の味のような感じがする。
「どう?」
「美味しい」
「良かった」
彼女が満面の笑みとなる。
それから自分も違うお菓子を開け、口に入れる。
もごもご動かす姿はリスなようで、ああ、お菓子になりたいと思ってしまう。
可愛すぎるんだよ、もう。




