表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪者――『誰も清くない王国で』  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/81

Scene 6 終幕 ― 何も変わらない

王は変わった。

 正確に言えば、「王」という肩書を持つ者がいなくなり、代わりにいくつもの肩書が静かに並び直された。


 ある者は廃位され、

 ある者は表舞台から消え、

 ある者は名を記録から削られた。


 だが、それは断絶ではなかった。


 制度は続いた。

 政務局の扉は毎朝開き、

 書類は同じ形式で回され、

 印章は変わらぬ位置に押される。


 人々は忘れた。

 怒りも、期待も、物語も、

 新しい噂の前では等しく色褪せた。


 昨日まで語られていた事件は、

 今日には「昔、そんなこともあった」という程度の話題になる。

 名前は混ざり、意味は薄まり、

 やがて誰の物語だったのかすら曖昧になる。


 それでも、記録だけは残る。

 削られ、整えられ、角を落とされた言葉で。


 そこには感情はなく、

 正義も悪もなく、

 ただ「そう処理された」という事実だけが並ぶ。


 王国は今日も平和だった。

 ――少なくとも、そう記録された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ