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悪者――『誰も清くない王国で』  作者: 南蛇井


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Scene 7 終幕 ― 悪役令嬢の勝利

勝利とは、拍手を受けることではない。

 喝采の中心に立ち、名を呼ばれ、称えられることでもない。


 それはむしろ、

 ――役割を押し付けられずに済むことだ。


 王都では、まだ彼女の名が囁かれていた。

 英雄になり損ねた女。

 逃げた悪役令嬢。

 秩序を壊し、そして立ち去った存在。


 だが、そのどれもが、もはや彼女の背には乗らなかった。


 彼女は英雄にならなかった。

 救世主にも、象徴にもならなかった。

 誰かの期待を引き受ける椅子にも、

 次の混乱を背負う役にも、

 座ることを拒んだ。


 だからこそ――

 彼女だけが、舞台の外に立っていた。


 誰に追われるでもなく、

 誰に裁かれるでもなく、

 誰に祝われることもなく。


 静かに、確かに。

 自分の意思で。


 それを、人は勝利とは呼ばない。

 だが、

 物語が終わり、

 役割が消え、

 名前が必要とされなくなったとき――


 最後まで自分を失わなかった者がいるならば、

 それはきっと、


 唯一、自分で終わらせた悪。

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