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悪者――『誰も清くない王国で』  作者: 南蛇井


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Scene 6 結論 ― 一番遅く動く悪

結論は、すでに出ていた。


 私が取る行動は、ただ一つ。


 ――沈黙を続ける。


 表に出ない。

 説明しない。

 誰も責めない。


 噂を否定しない。

 同情を求めない。

 正しさを主張しない。


 それらはすべて、

 「今やるべきこと」ではない。


 噂というものは、

 一度動き出すと、

 必ず“次の犠牲者”を探す。


 一人を叩き続けるには、

 人は飽きる。


 だから、物語は先へ進む。

 新しい悪役を必要とする。


 王子の善意も、同じだ。


 彼は守る。

 彼は選ぶ。

 だが、そのたびに、

 誰かが踏み台になる。


 それを、

 「仕方のないこと」だと信じている。


 大臣は、もっと静かだ。


 彼は刈らない。

 熟していない実には、

 触れもしない。


 熟したと判断した瞬間だけ、

 ためらいなく刈り取る。


 今は、まだ青い。


 だから私は、

 そのどれにもならない。


 被害者にも、

 反撃者にも。


 泣きもしない。

 叫びもしない。


 私は、

 盤の上に残された駒を見ている。


 動き回る者たちが、

 自分で配置を崩し、

 道を塞ぎ、

 逃げ場を失うまで。


 一番遅く動く悪は、

 いつも最後に盤を片づける。


 感情ではなく、

 正義でもなく。


 ――結果だけを。

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