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第22話

「おいっ気をつけた方がいいぞ、ここに大量のモンスターが接近してる。まあどうせスライムだろうけどな」


「フンッモンスター以前にお前が私に接近するんじゃないわよ変質者め!」


 危険をわざわざ教えてやってるのになんて失礼な物言いをするのだろうかこの茶髪ツインテールは。

 このまま放置してスライムの餌食になるのを観察してやろうかしら~?


 まあ俺も全裸の変態が近くにいたら似たような態度をする自信はあるがな、変態に人権はない。

 しかし俺は変態ではないので人権があるはずだ!


「忠告はしたぞ、死にたくなけりゃさっさと逃げろよ。俺はそのスライム達の相手をする」


「だからそんなスライムなんて……」


 そう言いかけて言葉を女探索者は切った。

 ダンジョン内に響く何かが移動する音。

 ポヨヨンポヨヨンと言う聞き慣れた音だ。


 その正体はいうまでもない。

 俺たちが今いるトンネルの前後から。ものすごい数のスライムが現れた!


「やっぱりこのダンジョン、スライムしかいねぇんだな…にしてもこんな数どこか湧いてきたんだ?」


 その数は百や二百ではきかない。多分千体くらいはいるんじゃないのか?

 まるで青い波のようにスライムが押し寄せてきた。

 ものすごいプルプルしてる。


「……冗談でしょ? 何なの、あのバカみたいなスライムのスタンピード。あんなのどうしろってのよ」


「どうするもこうするもねぇっスライムはスライムだろ、みんなまとめて消し飛ばすんだよ」


「そんなことできれば苦労しないのよ! アイツら攻撃力は無いけど群れたらのしかかってこっちを圧死させようとしてくんのよ!? あとやたらと打撃にも斬撃にも耐性あるし」


 ごちゃごちゃうるさいな、なんでそんなスライムがいらダンジョンにお前は来てんだよ。


 蹴散らせないからスライムたちに飲まれて圧死しさせられるんだろ、あの大量のスライムに。


 そうこうしてるうちに大量のスライムの第一波がこちらに迫ってきた、というわけでぶん殴ることにした。


「いくぜスライム……このダンジョン世界最弱の一角がよ……往生しろやーー!」


 俺は一番前から襲ってきたスライムにパンチした。

 その瞬間そのスライムは消し飛ぶと同時にすさまじい衝撃波が発生した。

 なんで?


 その衝撃波によってスライムの第一波があっさり全滅した。

 いやなんで?


「………アンタ本当に人間なの?」


 ステータスの方は正直よくわかんねぇけど、それを説明してやる義理はないので無視する。


 それにしても本当に何これっ探索者ってステータスがおかしくなるとこんなおかしなことになるのか?


 だがまあおかげで確信した、このピンチ。

 乗り越えることは容易だ。


「かかってこいよクソ雑魚スライム共。お前たちはみんな俺の生活費になることが確定したー!」


 俺はスライムの躍り掛かった。

 スライム共は数に任せ、こちらに押し寄せてくる。

 俺は何度も何度も殴ったり蹴ったりしながらスライムたちは吹き飛ばしていった。


 その度に生まれる爆発的な衝撃波がスライムたちを更に消し飛ばしていく。


 ちなみに人様を変態呼ばわりした茶髪ツインテールの女探索者はとっくにスライムに飲まれ、もみくちゃにされてはいたが俺は知らん顔をした。


 俺を変態呼ばわりするようなやつだからな、スライムに飲まれてしまえばいいのだ。


「のわーーーっ! ちょっと助けなさいよ!」


「うるさいな……お前も探索者なら自分でどうにかしろよ」


 っと言うか、お前さえいなければなこいつら全員ゴッドブレイクアローで全部消し飛ばしたんだぞ。


 それをしないだけありがたいとは思えっての、そんな事を思いつつテキトーな感じで暴れているとあの茶髪ツインテール本当に力尽きたのか、スライムに飲まれてしまって出てこなくなった。


「……………ちっ」


 見えなくなっても気配はまあわかるから巻き込むことはないか……。

 仕方ないな、スライムの魔石は諦めるか。


 俺は周りのスライムを一度消し飛ばす、そして気配を頼りに茶髪ツインテールがいるであろう場所に突っ込んだ。


 群がるスライムたちを薙ぎ払い、気絶してる茶髪ツインテール救出する。

 お姫様抱っこだ。

 あとはそのままスライム共を吹き飛ばしながら出口の方に向かう。


 地面にドロップした魔石は回収する暇がなかったので全て諦めることにした。

 本当に今日は厄日だな、ろくな事がない……。


「手に入ったのは変なドロップアイテムのロザリオを1つとか何の冗談だよ」


「………ん、んん」


 これで俺は警察沙汰になったりしたら本気でキレる自信があるね。

 って……ん?


「おいっアンタもしかして起きてるか?」


「……………」


「……気のせいか」


 そんなことを考えながらスライムどもを吹き飛ばしながら俺はダンジョンの出口へと向かった。

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