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第10話

 そして俺は家に帰ってきた。

 俺の住んでるところは九州のとある田舎なんだがそのせいか親戚とかがわりと多い。


 今俺が住んでるところも昔は親戚の誰か住んでいた古民家で今はそこをタダで使わせてもらっているのだ。


 平屋の一軒家で掃除もそこまで大変じゃない、広くないからな。

 一応タダで使わせてもらってるので管理くらいはしているつもりだ。


 その家に戻ってきた俺はとりあえず今日稼いだ金額を丸テーブルの上に置いた。


「まさか一日で軽く半年分くらいの給料になるとはな……」


 俺は焼き物会社で働いているのだがその月給は安い、 10万とちょっとくらいだ。


 俺が働いてるところは重労働はあまり無いのだが最低賃金ジャスト(都会じゃなくて田舎の最低賃金な!)の所でマジで一ヶ月、真面目に働いてもこれっパートか何かですかってレベルの給料しか貰えない。


 当然そんな給料では払うもんを払うと生活も厳しい。

 だからコンビニで深夜バイトしてたわけだが、しかしそんな生活ももうすぐに終わる。


 何しろこれだけ稼げたからわけだからな、もうあのクソ……いやっ安月給の会社ともオサラバさ。

 コンビニのバイトもさっさとやめちまおう。


 今宮のヤツには怪しまれるだろうな、俺が辞めることに文句を言ってきそうだな。


 しかしそんなことは関係ないね、会社の方もいきなりやめると言えば何か言ってくるだろうが正直あの安月給では無理ですね、限界ですよ、と言えばいいだろう程度にしか考えていない。


  ごちゃごちゃ言うなら本当に退職代行サービスに連絡とってそれ以降は本当に必要な時以外は一切連絡を取り合わないようにしよう。


 本格的に探索者に復帰して成り上がりを検討している俺の元にメールが届いた、今宮からのものだった。


 その内容については何やら愚痴っぽいものが書かれていた、俺とアルバイトを交代した後にムカつく客でもきたのか?


 今宮は見た目が良いからなのかおっさんのアルバイトがスケベな目で見ていたりもするからな。

 後で店長にチクッとくか。


 いつもそういうことがあると大抵俺にメールで送ってくる本来ならここで「わかったわかった今度あったら愚痴を聞いてやる」みたいなメールを返答するのだ。


 だが俺はもうあのコンビニを辞めるつもりなのでこういうやりとりもなくなるだろう。

 そう思うとほんの少しだけ寂しい気分になったので、今回はいつもと違うメールを打つことにする。


 内容は「バイトが終わったんなら会って愚痴くらい聞いてやるぞ、どっかに飯でも食いに行くか? 奢ってやる」そんな感じのメールを送った。


 すると今宮から「先輩……まさかと思うんすけど人から財布とか盗んだりしました?」と舐めたメールが帰ってきた。


 なんて失礼な後輩だ、本当にこの後輩は先輩である俺を心のどっかで人間的に下に見てる傾向があるな、俺が「だったら奢るのはなしだ」とメールをすると取り繕うようなメールが帰ってきた。


「まあいいだろう、許してやるか」


 小金持ちになった俺の心は広いのだ。

 そんな感じでバイトが終わった貧乏後輩と会うことになった。


 そんなわけで今日の俺は深夜のアルバイト終わりでダンジョンに向かって魔石や何やらを集めて家で一回寝て、そして朝に探索者ギルドが開く時間を狙って朝一で換金をしてきたわけだ。


 なんか忙しない一日だな、そんで後で今宮の愚痴も聞くことになってる訳だよ。


 現在の時間は昼の少し前か俺はダンジョン帰りに仮眠を取ったがまだ眠い、今宮のヤツも仮眠くらい取るだろう。


「まあ向こうからまたメールが来たら出かければいいだろう」


 そんなことを考えて俺はとりあえず昼寝することにした。


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