猫が道路のど真ん中に座ってた
いつものように仕事に行く日の朝。
いつものように、車を運転して家を出ました。その直後、道路のど真ん中に猫がいるのが見えて、「ん?」となりました。
その場所は、住宅街の道路。ギリギリ車同士のすれ違いが可能な道路。その道路の、まさにど真ん中に、猫が静かに鎮座していました。
……なにゆえそこに?
前足を揃えてちゃんとお座り。とっても姿勢がよくて、行儀もよさそう。どこか店先で看板ネコでもやってたら、お客様の目をひくでしょう。
けれど、そこは道路のど真ん中。広いとは言えない道路のど真ん中で、そんな姿勢で座ってられても、はっきり言って邪魔です。
どうしようと思いつつも、近づいてけばどっか行くかなぁ、なんて気楽に考えつつ、ゆっくり運転するも、一ミリたりとも動く気配なし。こっち向いているから、気付いてないなんてことないと思うけどなぁ、どうしよう……と再び思います。
クラクション鳴らしてみれば良かったかも、と思ったのは後からで、その時には全く思考が及ばず。
猫のいる場所、脇がちょっと広くなってるから、何とか通れそうかなぁと徐行しつつ突っ込んでみました。
そうしたら、やっと猫が動いて、ちょっとだけ避けてくれました。もっと早く動いてほしかったし、もっと移動してほしかったけど、通れるスペースが広くなってホッとしました。
猫も危険を感じてヤバいとか思ったのかなぁと思いつつ、チラッと見ました。そしたら、猫もこっちを見てました。バッチリ目が合いました。
面倒くせぇな、オイ。
しゃーねーから避けてやったぞ、感謝しろ。
……そんなことを言われたように感じたのは、私の被害妄想でしょうか?
強いのは猫じゃなくて車だぞ、とちょっとビビりつつ思いながら、無事お猫さまの側を通り過ぎて、バックミラーで見たら、またお座りの姿勢に戻ってました。
やっぱなんも危険感じてないんかいっ! と心の中だけで突っ込みつつ、他の車が通ったらどんなエピソードが生まれるんだろう、と考えながら、その場を後にしたのでした。
真面目な話、ひかれるなよーと思いながら。
クラクション鳴らしたら、逃げてたのでしょうか?