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ゴリラに育てられた少年

作者: フランシス・ゴリ・ロウエル

短編小説書いてみました。

楽しんでってくださいね。

① 時は現在 あの時の友


東京のある居酒屋で今日は飲み会を開くことになっていた。

小学校時代の同級生とたくさん語るつもりだ。

「みんな久しぶり」

「おお、元気か」

「うん、おかげさまでね」

「俺もだよ」

そんな挨拶を交わして再会を祝う。

それから近況報告などをした。

「今、何の仕事しているんだ?」

「ああ、フリーライターさ。いろんな人の話を聞いて記事にまとめているよ」

「へえ、凄いなあ。じゃあ有名人にも会えるのか?」

「まあ、そこそこな……」

「いいなあ。羨ましいぜ」

そう言うのは広告代理店勤務の佐藤君だった。他にもスポーツメーカーの社員や、大手銀行員などがいた。

皆、それなりの仕事をしていた。

「俺は児童保護施設の施設長だ。」

「そうか……でも偉いと思うぞ」

「ありがとう。お前も頑張れよ」

「ああ、お互いにな」

和やかな雰囲気で会は進む。

その後会場は、僕がゴリラに育てられていたことの話で盛り上がった。

そう、僕は小さなときに父親を病気で亡くし、母親を交通事故で亡くした後ゴリラに育てられていたのだ。

そのことを話すと、みんなその時の話を聞きたいと口々に言いだした。

「なんかドラマみたいだな」

「俺、その話聞きたいわ」

「私も知りたーい」

そんな声が上がる。

「いいけど、面白くないかもしれないよ」

「大丈夫だって!」

こうして僕は、みんなにその話をすることになった。


② 僕のゴリラと過ごした人生


僕が生まれたときから父親はいなかった。

母親はいつも仕事に出ており家に帰ってくることはめったになかった。

だから家には僕一人だけ。

寂しくはなかったと言えば嘘になる。

しかし、母親は僕を愛してくれていたので、別に不自由なく生活できていた。

僕はよく近くの公園に行き、一人で遊んでいた。

しかしある日のことだった。

僕の耳に、驚くべきニュースが入って来た。

僕のことを、あんなに愛してくれていた母親が交通事故で亡くなってしまったのだ。

そのときのことを僕は覚えていない。気づいたら病院にいた。

僕は母親の顔を見て泣いた。そして叫んだ。

「お母さん!死んじゃ嫌だ!!」

すると医者がこう言った。

「残念ながら……もう手遅れです」

僕は絶望した。

これからどうすれば良いのか分からなくなった。

そのとき僕は思った。

この世に神様がいるならどうしてこんな仕打ちをするのか? もしいるとしたらそいつは悪魔に違いない。

絶対に許さない。

しばらくの間、僕はショックで立ち直れなかった。

しかし僕は、あの公園で運命の出会いをすることになる。


公園にいたのは、年老いたゴリラだった。

そして僕のことを、いかにも可哀そうかのような目で見てきたのだ。

その目はまるで、自分が育ててあげようと言ってきているかのように感じられた。

僕は直感的に悟った。こいつは、あの悪魔の親玉だと……。

「うわぁぁぁぁ!!来るな化け物めぇ!!!」

僕は泣き叫びながら逃げ出した。

しかし、いつ行ってもあのゴリラがいた。

ただ、毎日会ううちに少しずつ仲良くなっていった。

ゴリラは僕に色々なことを教えてくれた。

例えば、木登りの仕方とか、水鉄砲を使った遊び方とか。

ゴリラが教えてくれるものはどれも新鮮で楽しかった。

また、ゴリラは面白い話をたくさんしてくれた。

中でも一番面白かったのは、ゴリラの武勇伝だった。

ある寒い冬、ゴリラはある森に行ったらしい。

そこは凶暴な動物が多く生息しており、人間にとっては危険な場所だった。

そこでゴリラは、とある生き物に出会った。

それはゴリラより一回り小さいくらいの巨大な猿だった。

猿はその見た目に反してとても賢く、狡猾な生物だった。

その証拠に、ゴリラが罠にかかって動けなくなっているところを見逃さなかった。

猿は仲間を呼び、一斉にゴリラを襲った。

ゴリラは必死に逃げようとしたが多勢に無勢、結局捕まってしまった。

そのままゴリラは、生きたまま食べられてしまった。

話が終わると、ゴリラは涙ぐんだような声で言った。

「これは私が実際に体験したことなんだ。私は、あのとき死ぬべきだったのかもしれない。だが、どうしても死にたくなかったのだ……」

僕はゴリラの言葉に衝撃を受けた。

僕も、もし母親が死んでしまったら同じ気持ちになるのだろうと思ったからだ。

しかしそれは現実となってしまった。

でも、僕はもうさみしくはない。だってゴリラがいるから...

それからというもの、僕とゴリラは一緒に過ごすようになった。

例えば、山菜取りや魚釣り、相撲や鬼ごっこなどだ。

ゴリラはとても強かった。

だから、僕たちはいつも勝負をして遊んでいた。

しかし、僕がゴリラに勝てる日は来なかった。

そんなある日、ゴリラは僕にある提案をした。

「お前を、私の息子にしてやってもいいぞ」

ゴリラはそう言ってきたのだ。

僕は最初断ったが、ゴリラは諦めずに何度も頼み込んできたので、仕方なくOKを出した。

「分かったよ。ただし、条件がある。僕が勝ったら息子になるよ」

「ふん、いいだろう。じゃあ、今から始めるぞ!」

ゴリラは自信満々な様子で答えた。

あれ、なんで僕は、僕が勝ったらなんて言ったんだろう?まあいいや。

「いいか、始めるぞ!」

ゴリラはそう言うと、僕に向かって突進してきた。

ゴリラは、僕に攻撃を仕掛けてくるが全然当たらなかった。

ゴリラの攻撃を避けると、ゴリラはそのまま地面に頭をぶつけて気絶してしまった。

「おい、起きろ」

僕はゴリラを起こした。

「いてて……あれ、ここはどこだ?」

ゴリラは目を覚ますなり辺りを見渡して不思議そうな顔をした。

「お前が負けたんだよ。それで、約束通り僕はお前の子になった」

「えっ……?本当か!?」

「ああ」

「やったー!!」

ゴリラは子供のように飛び跳ねて喜んだ。

「ところでお前の名前は何だ?」

「僕の名前か?名前は優斗だ」

「そうなのか?じゃあ俺のことは、ゴリロウコンジってよんでね。」

「僕のお父さんだね。だから、これから僕のことはゆうって呼んでよ」

「い、嫌だよ!恥ずかしいじゃないか!」

「いいから、ほら言ってみてよ!」

こうして僕の新しい生活が始まった。

「ねえ、僕のお母さんはどこにいるの?」

まだ、僕は現実を受け入れられなくて、ゴリロウコンジに聞いた。

「お母さんは、今は遠くに行ってるよ」

「遠いところ?」

「うん。ずっと遠くだ」

「ふ~ん」

「よし、今日はもっと奥に行くぞ」

「うん」こうして僕らは、さらに森の奥へと進んだ。

するとそこには、大きな洞窟があった。

「ここに何かあるのか?」

「そうだよ。さあ行こう」

「う、うん」

中に入ると、そこは真っ暗だった。

すると、急に目の前に大きな猿が現れた。「ウキィッ!!」

「危ない!!逃げろ!!」

「うわぁぁぁぁ!!」

僕は必死になって逃げた。

すると、いつの間にか後ろにいたはずのゴリロウコンジが、猿を倒していた。

「大丈夫か、怪我は無いか?」

「う、うん……」

「良かった。それなら早く進もう」

「うん……」

それからも、次々と恐ろしい動物が出てきたけど、全部ゴリロウコンジが倒してくれた。

そしてついに最深部まで来た。

そこからは、とても美しい夕焼けが見えた。


③ 僕の、小学校入学~そして現在へ~


今日も探検に出かけていた。

そして、いつもと同じように道を進んで行った。

するといきなり、ゴリロウコンジが止まった。

そして、僕に話しかけてきた。

「お前、学校へ行きたいとは思わないのか?」

「うん、行ってみたいと思ってた。」

「それは良かった。お前ももう、小学校入学の年だった。」

「そっか。あと一カ月で行けるんだ。楽しみだなぁ。」

僕はワクワクしながら言った。

「ただ一つだけ問題がある。それは、お前が人間だということだ。」

「どういうこと?」

「人間は、私たちのような動物と違って知能が高く、様々な道具を使って生活している。そんな人間と一緒に暮らすとなると、俺たちは攻撃されてしまうかもしれない。」

「えぇ……じゃあどうすればいいの?」

「まず、不審な人間には絶対近づかないようにすることだ。もし会ったらすぐに逃げるんだ。それともう一つ。人間と仲良くすることだ。もしそれが出来たら、一緒に暮らしても問題ないだろう。」

「分かった。じゃあ僕、頑張る!」

「その意気だ。頑張ってくれ。」

それからしばらく歩くと、分かれ道に出た。

「この先に分かれ道がある。どっちに進む?」

「えっと、右!」

「分かった。気を付けて行けよ。」

「うん!」

僕は、慎重に歩を進めた。

すると、後ろから音が聞こえた。

振り返ると、そこにいたのは犬だった。

「ワン!」

「キャイン!」

僕は一目散に逃げ出した。

「こっちに来るんじゃねぇ!!」

僕は泣きながら叫んだ。

すると、犬は追って来なくなった。

「あれ……?助かった……」

僕は安心してその場に座り込んだ。

振り返るとゴリロウコンジがいた。

また、頼ってしまった。このままで本当に小学校に行けるのだろうか?

「ねえ、僕、これから一人で行くよ!」

僕はそう言うと、その場を後にした。

「待ってくれ!頼む……一人は嫌なんだ……」

ゴリロウコンジが何か言っている気がしたが、僕は気にせず走った。

しかし、途中で疲れてしまい、少し休憩することにした。

するとすぐに、ゴリロウコンジが走ってきた。

「ほら、やっぱりお前ひとりじゃ無理じゃないか。それに俺は、お前の親だぞ!!」

「ごめんなさい……でも、これくらい自分でやらないとダメだと思うから……」

「そうか。お前がそう決めたのならそれでいいと思う。だが、お前はまだそんな年齢じゃない。もっと人に頼っていいぞ!!」

「うん!」

「ところで、なんでさっき泣いてたんだ?」

「あぁ、実は……」

僕は、今までの経緯を話し始めた。

「なるほど。つまり、お前はあの時俺に助けを求めて泣いたのか。」

「ま、まあそういうことになるね。」

「よし、分かった。これからは、お前が危険な目に遭ったら必ず助けに行くからな!だから、その時は遠慮なく言ってくれよ。」

「うん!」

僕は嬉しくなって笑顔になった。

「じゃあそろそろ出発しよう。」

僕らは再び歩き出した。


今日は入学式だった。僕は、緊張しながらも校門の前に立った。

すると、一人の男の人が近づいてきた。

「君が優斗くんかい?」

「はい、そうですけど……」

「私は、君のお父さんの知り合いだよ。」

「そうなんですか。ありがとうございます。」

「いや、いいんだよ。それより、クラス分けを見に行こうか。」

「はい。分かりました。」

僕は、職員室に行き、自分のクラスの名簿を見た。

「あった!4組だ。良かったぁ……」

「何が良かったんだ?」

「えっ!?父さん!!どうしてここにいるの?」

「そりゃもちろん、入学式の付き添いだよ。」

「そっか、ありがとね。」

「どういたしまして。じゃあ帰ろうか。」

「うん!」

「おーい、優斗~」

誰かが呼んでいる。誰だろう? 振り返るとそこには、僕の友達がいた。

「あっ、拓海だ。」

「おっす、久しぶりじゃん。元気にしてたか?」

「うん!ずっと探検ばっかりやってたけどね……」

「そうなのか。まあいいか、とりあえず教室行かないと始まらないぜ?」

「そうだな。じゃあ行くか。」

僕たちは、それぞれの教室へ向かった。

4組の教室に入ると、みんな自己紹介をしていた。

「えっと、僕の名前は山田太郎といいます。好きなことは、サッカーをすることです。よろしくお願いします。」

「えぇ……それだけ?」

「うん、だって名前言っただけだもん。」

「じゃあ次、私だね。私の名前は、佐藤花子です。好きな食べ物は、ハンバーグとカレーライスです。皆さん、よろしくお願いします。」

「へぇ、面白い名前だな。次は僕かな?僕は鈴木健太と言います。趣味は、絵を描くことです。みなさん、よろしくお願いします。」

「はい、じゃあ次の人どうぞ!」

僕は、何を言えばいいのか分からず、戸惑っていた。

すると、隣の席の女の子が話しかけてきた。

「ねぇ、名前はなんていうの?」

「えっと、僕は……斎藤優斗って言います。」

「そうなんだ!ねぇ、もしかしてだけど、探検とか好きだったりする?」

「う、うん。好きだよ。」

「やっぱり!ねぇねぇ、今度一緒に探検に行こうよ!」

「え?でも僕、まだこの辺のこと全然知らないよ。」

「大丈夫!私が案内するから!」

「分かった。じゃあお願いしてもいいかな?」

「うん!約束だよ!」

「じゃあこれで全員終わったみたいだし、今日はこれで終わりだね。じゃあさようなら!」

「さようなら!」

こうして、僕の新しい生活が始まった。


④大学生になった僕とゴリロウコンジ


大学生になったある日ふと、ゴリロウコンジはどこに行ったのだろうか……と疑問を持つようになった。

最近少し家にいないことが多くなったのだ。

「おい、優斗!起きろよ。」

ん?僕は目を覚ました。

目の前には、拓海の顔があった。

「なんだ、拓海か。おはよう。ってなんでお前がここにいるんだ?」

「そんなことは今どうでもいい。お前の親父さんが、話があるって言ってるぞ。」

「分かった。すぐ行くよ。」

僕は急いで階段を下りた。

すると、ゴリロウコンジが立っていた。

「おお、やっと来たか!早速だが、俺と一緒に来てくれないか?」

「え?どこに?」

「まあまあ、ついて来れば分かるからさ。」

僕は、言われるままについて行った。

しばらく歩くと、大きな扉の前に着いた。「ここだ!入ってくれ!」

「はい。失礼します。」

僕は中に入った。するとそこには、見たこともないほど豪華な部屋が広がっていた。

「やあ、君が優斗くんかい?」

「はい、そうですけど……」

「私は、君のお父さんの知り合いだよ。」

「そうなんですか。初めまして、そしてこんな部屋に入れてもらってありがとうございます。」

「いや、いいんだよ。それより今日は、君のお父さんについて話せればと思って...」

「えっ!?父さんのことを知っているんですか?」

僕は驚いた。なぜなら、今まで一度も父親の話をしたことがなかったからだ。

「ああ知っているとも。なんなら、君の父親の名前を教えようか?」

「はい、是非教えてください!!」

「彼の名前は、斎藤龍之介というんだ。」

「えっ!?」

僕は、思わず声を出してしまった。

「どうかしたのかい?」

「いえ、なんでもないです……」

「そうか、それならいいんだけど。」

僕は、動揺していた。まさか自分の父親が、僕の祖父と同じ名前だったとは思わなかったのだ。「それで、父さんの話というのは?」

「実はね、私は彼のことが好きだったんだよ……」

「そうだったんですか!?」

僕は、さらに驚いてしまった。それと同時に、僕は嬉しくもあった。

「彼はね、とても優しい人だったんだ。だから私は彼を気に入ったんだ。」

その後息子が生まれた。それが君だ。ただその時、君の父さんがなくなったんだ。

「え?僕って、養子だったんじゃなかったんですか?」

「それは嘘だ。本当の君は、斎藤家の次男として生まれてきたんだよ。」

「どうしてそんなことを……?」

「まあ、色々あってね……。そのことについては、またいつか話すことにしよう。」

「いや、今日聞かせてくれませんか?それに、僕のお兄ちゃんについても知りたいです。」

「いいだろう。じゃあ少し長くなるかもしれないが、私の話を聞いてくれ。」

それから僕は、ゴリロウコンジさんの話を聞いた。

「私と彼が出会ったのは、私が大学1年生の時だ。当時私は、ある研究をしていてね。そこで偶然彼に会ったんだ。彼も、同じ研究をしていたんだ。」

「そうなんですか。」

ああ、彼とは気が合って、すぐに仲良くなった。私たちは、一緒に食事に行くこともあったし、飲み会にも行った。しかしある日、急に連絡が取れなくなってしまったんだ。」

「なぜですか?」

「分からない……もしかしたら何かあったのかもしれなくて、心配になった私は何度も連絡をした。でも結局、返信はなかったよ。」

「そうなんですか。」

「そんなある日、私のもとに一通の手紙が届いたんだ。」

『拝啓 斎藤龍之介様 突然のお手紙申し訳ございません。しかしどうしても伝えたいことがあり、このような形で筆を取らせていただきました。私は、持病のがんが進行し余命があと一週間しかありません。私は、あなたに会えて本当に良かったです。息子のことをよろしくお願いします。』

「この内容を見た時、最初は何が何だか分からなかったが、やがて理解することができた。なんとなくだが、察してしまったんだ。」

「そうですか……」

「ああ、おそらく彼はもう亡くなっているのだろうと……」

「そういえば、あなたのお名前はなんていうんですか?」

「私の名前は、斎藤龍之介っていうんだ。」

「えっ!?父さんと同じ名前なんですね。」

「ああそうだよ。これはきっと神様が、私を導いてくれたのだと思う。だから私は決めたんだ。彼の分も、精一杯生きようと……でも今は、生きる意味を見失っている状態なんだ。」

「そんなことがあったんですね……」

「ああ、すまないなこんな話してしまって……」

「いえ大丈夫ですよ!それよりも僕からも質問があるんですけどいいですか?」

「ああ、もちろんだよ!」

「父さんってどんな人だったんですか?」

「彼はね、とにかく優しくて強い男だった。誰よりも強くて誰よりも優しかったんだ。だからみんなから好かれていた。」

「そうだったんですか。」

僕は、嬉しく思った。今まで聞いたことのない父の話が聞けたからだ。

「そして君にも、そんな人になって

ほしいと思っているんだ。」

「分かりました!これから頑張っていきます!」

「うん、ありがとう。じゃあ今日はこれで終わりだね。」

「はい、ありがとうございました!」

「じゃあまたね。」

僕は、斎藤龍之介さんの家を出た。

そして、拓海と合流した。

「おっ!終わったのか?」

「ああ、バッチリだよ!」

「そっか!それならよかったぜ!」

「拓海は、剣道の試合どうだったんだ?」

「俺は、全然ダメだった。なんか、全然集中できなくてさ……」

「そうか、お前らしいなw」

「うるせー!!笑わなくてもいいじゃんか!!」

「悪い悪い。」

「ったく、次は絶対勝つかんな!」

「おう!楽しみにしてるぞ!!」

「おう!!」

僕はうちに帰った。

「ただいま〜」

返事がない……いつもならゴリロウコンジがいるはずなのに……

すると、奥の部屋から声が聞こえてきた。

「ありがとうこれからはもう一人で頑張るんだ。」

「ゴリロウコンジはどこにいるの?」

「君はもう立派な大学生になった。もう君には僕の力は必要ないよ。大丈夫、いつも見守っているから。」「そうだったんだね……」

僕は気づいたら泣いていた。僕はずっと、ゴリロウコンジのことを父親だと思っていたのだ。でも違ったのだ。彼は僕の里親だったのだ。

僕は、自分の部屋に行き泣いた。今までの思い出を思い出しながら……

それからしばらくして、僕は泣き止んだ。

もう、ゴリロウコンジはいない。だけど僕はもう一人で頑張っていける。

今日から一日一日一歩ずつ頑張っていこう、そう確信したのだ。


⑤そして今がある。


「お前めっちゃいい人生過ごしているじゃん。」

「ゴリラと生活だなんて羨ましいな」

「まあ、色々あったんだけどね。」

「色々って何があったんだよ?」

「それは秘密かな?まあそのうち話すと思う。」

「まあいいか。それより、俺も彼女欲しいんだよ〜。」

「それは無理だろ。」

「なんでだよ!そんなこと言わずに、協力してくれよ。」

「はいはいわかったよ。」

「よっしゃぁ!ありがとよ!」

「じゃあそろそろ時間だし帰るか。」

「そうだな!」

こうして俺たちは解散した。

〜次の日〜

「おーい!おはよう亮介。」

「ああ、おはよう。」

「今日の授業ってなんだっけ?」

「数学だよ。」

「うげぇ……眠くなりそう。」

「確かにな。」

「ところで、昨日の合コンはどうだったんだ?」

「ああ、すごく楽しかったぞ。」

「まじか!羨ましすぎるだろ。」

「そんなに言うほど楽しいもんじゃないぞ。」

「えっそうなの?」

「ああ、だってほとんど女が話してばっかりで、こっちはほとんど喋れないし……」

「そうなのか……」

「ああ、だから早く彼女がほしい。」

「そうだな。よしっ!じゃあ今日も張り切って行こうぜ!」

「ああ!」

こうしてまた新たな、僕の日常が始まるのだった。「そんなことがあったんですね……」

「ああ、すまないなこんな話してしまって……」

「いえ大丈夫ですよ!それよりも僕からも質問があるんですけどいいですか?」

「ああ、もちろんだよ!」

「父さんってどんな人だったんですか?」

「彼はね、とにかく優しくて強い男だった。誰よりも強くて誰よりも優しかったんだ。だからみんなから好かれていた。」

「そうだったんですか。」

僕は、嬉しく思った。今まで聞いたことのない父の話が聞けたからだ。

「そして君にも、そんな人になって

ほしいと思っているんだ。」

「分かりました!これから頑張っていきます!」

「うん、ありがとう。じゃあ今日はこれで終わりだね。」

「はい、ありがとうございました!」

「じゃあまたね。」

僕は、斎藤龍之介さんの家を出た。

そして、拓海と合流した。

「おっ!終わったのか?」

「ああ、バッチリだよ!」

「そっか!それならよかったぜ!」

「拓海は、剣道の試合どうだったんだ?」

「俺は、全然ダメだった。なんか、全然集中できなくてさ……」

「そうか、お前らしいなw」

「うるせー!!笑わなくてもいいじゃんか!!」

「悪い悪い。」

「ったく、次は絶対勝つかんな!」

「おう!楽しみにしてるぞ!!」

「おう!!」

僕はうちに帰った。

「ただいま〜」

返事がない……いつもならゴリロウコンジがいるはずなのに……

すると、奥の部屋から声が聞こえてきた。

「ありがとうこれからはもう一人で頑張るんだ。」

「ゴリロウコンジはどこにいるの?」

「君はもう立派な大学生になった。もう君には僕の力は必要ないよ。大丈夫、いつも見守っているから。」「そうだったんだね……」

僕は気づいたら泣いていた。僕はずっと、ゴリロウコンジのことを父親だと思っていたのだ。でも違ったのだ。彼は僕の里親だったのだ。

僕は、自分の部屋に行き泣いた。今までの思い出を思い出しながら……

それからしばらくして、僕は泣き止んだ。

もう、ゴリロウコンジはいない。だけど僕はもう一人で頑張っていける。

今日から一日一日一歩ずつ頑張っていこう、そう確信したのだ。


⑤そして今がある。


「お前めっちゃいい人生過ごしているじゃん。」

「ゴリラと生活だなんて羨ましいな」

「まあ、色々あったんだけどね。」

「色々って何があったんだよ?」

「それは秘密かな?まあそのうち話すと思う。」

「まあいいか。それより、俺も彼女欲しいんだよ〜。」

「それは無理だろ。」

「なんでだよ!そんなこと言わずに、協力してくれよ。」

「はいはいわかったよ。」

「よっしゃぁ!ありがとよ!」

「じゃあそろそろ時間だし帰るか。」

「そうだな!」

こうして俺たちは解散した。

〜次の日〜

「おーい!おはよう亮介。」

「ああ、おはよう。」

「今日の授業ってなんだっけ?」

「数学だよ。」

「うげぇ……眠くなりそう。」

「確かにな。」

「ところで、昨日の合コンはどうだったんだ?」

「ああ、すごく楽しかったぞ。」

「まじか!羨ましすぎるだろ。」

「そんなに言うほど楽しいもんじゃないぞ。」

「えっそうなの?」

「ああ、だってほとんど女が話してばっかりで、こっちはほとんど喋れないし……」

「そうなのか……」

「ああ、だから早く彼女がほしい。」

「そうだな。よしっ!じゃあ今日も張り切って行こうぜ!」

「ああ!」

こうしてまた新たな、僕の日常が始まるのだった。

どうでしたか。面白かったら光栄です。

連載中の次に君と会える時が来たら絶対に告るから ~君との大事な青春物語~も読んでみてくださいね!

感想もお願いしますね。

ではまたいつか会いましょう。

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