91話 ロザリアの勉強会
初夜の衣装なんぞ侍女が適当(?)に選んでも良いのだが、やることが無くて部屋の中を動き回るとシンシアなど、ロクな結果になる筈がないと彼女は考えたのだ。
何のことはない、侍女としてはシンシアに座って出来る仕事を与えただけである。
しかも色々と悩む(ハズ)なので時間がタップリかかるモノを与えたほうが自分の手間省ける―― そして悩む王女のお相手は、シンシアがこの国にやってきた事が嬉しすぎで舞い上がり皇妃の部屋に前触れもなく突撃してきたロザリアに頼んでいくという念の入れ様。
そこへ、クエストのついでに挨拶がてらやって来た大聖女ミリアが捕まり、ついでにもうすぐゲオルグ皇子と婚約する運びとなったリンダ嬢が巻き添えを喰った訳だ。
この中で何故か初夜にガッツリ前向き姿勢なのがロザリアだけというのが、何とも微妙である。
「そもそもリンダ隊長、ゲオルグ兄様との婚約式に騎士服で出席する気だったでしょう!」
「・・・いけませんか? ゲオルグ殿下はそれで良いと申されましたが・・・」
解せぬという顔のリンダである。
「そ、ソレは駄目じゃないかしらね、トリステスの第二皇子殿下の婚約者様なのだから」
目が泳ぎながら物申すシンシア王女。
「え? 軍服と騎士服で婚約式・・・ 格好いいですね!」
――コイツは論外のミリア。
今日も男性神官のキャソックとトラウザーズという凛々しい姿である。もっとも顔も姿も妖精のような可愛らしさなので、ファン? にとってはただのギャップ萌えな見た目だが。
「あ~も~、何を考えてるのよ! ゲオルグ兄様が、周りに色々言われるのが面倒だから隊長と婚姻するって貴族共に思われちゃうでしょう!」
「そうですわ、愛ある婚約なのですから其れはいけませんわ」
ロザリアとシンシアが同時に諭す。
「そうでしょうか?」
至極真面目な顔で返すリンダ嬢。
「そうよ! 他の貴族女性が後々うるさいじゃない。隙を見せた皇族男性にすぐに擦り寄ってくるのよ! 最初っからぶっ飛ばしで見せつけなきゃ駄目なんだからねっ!」
そう。
良い感じの位置取りだった皇太子が他国の貴族女性に陥落後、最高位だった皇帝陛下はもうすぐ婚姻。
こうなってくると残る最優良株はゲオルグ皇子である。
「アイツらハイエナは油断も隙もないんだから! 今日だってお父様の周りを彷徨こうと鵜の目鷹の目で潜り込む女狐を放り出したばかりなのよ! ホントにしつこいんだから!」




