63話 坑道調査と港町
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「ひっでえなあ~、ボロっボロじゃねえか?」
「つーか、長すぎじゃねえか? どんだけ歩くんだよコレ」
真っ暗な廃坑の中を調査のために進んでいく6人の冒険者パーティー。
ここはシャガル王国の山岳地帯の中腹辺りにある希少金属を掘るための鉱山跡である。
「土の中は懲り々々なんだがなぁ」
魔法使いのローブを脱いで革のマントをスッポリと被るハリーがボソリと呟く。
「前回みたいに落とし穴じゃないから大丈夫でしょ! 蜂だって居ないしさあ」
黒いとんがり帽子を脱いで頭にヘアバンドを着けたマリーが返す。
「廃坑になってから結構な時間が経つんだろうよ、壁に取り付けたランタンも使いもんになってねえからな」
パーティーリーダーのジルが、坑道の壁に等間隔に打ち付けられている魔石を使ったランタンを覗き込むが当然のように、中の魔石は輝きを失いその役目を放棄している。
「魔獣は住み着いて無いみたいだけどな・・・・」
「壁も崩れたりはしてない」
「「「ただ、長すぎる!」」」
暗くて長い坑道のあちこちに転がる石に躓かぬよう気を付けてはいるのだが、何しろ退屈なので全員がブツクサと文句を言いながら進んでいく。
冒険者という生業の者達は得てして退屈は好まないようである・・・
「随分奥の方まで来た筈なんだがなあ~・・・」
コウモリが光魔法の明るさにキイキイと文句を言いながら飛び去っていくのを横目に、地図を確認して首を傾げるパーティーリーダーのジル。
「なあ、これってさあ? 国境超えるんじゃねーの?」
ヘラヘラ笑いながら誰かが呟く。
「方位磁石は南に向かってることになってるから、リンデン辺りにつくんじゃないか?」
ゲラゲラ笑いながらそのまま進み続け・・・・
「なあ、此処何処だ?」
「さあ・・・ 丸々一日以上歩いたんじゃないのか?」
行き着いた最終地点でとうとう冒険者達全員が足が棒のようになって座り込んだのである・・・・
××××××××××
その頃別働隊である、ギルドマスター2人と、冒険者ミハイルの合計3人は、シャガルの王都クラーグから東に進んだ、海沿いの港町にやって来ていた。
「この辺は王都にくらべたら、平和そうだなあ」
「そうなんですよ、この街の方が王都って言ったほうがいいんじゃないかって思うでしょ?」
言われた通り、王都であるクラーグの通りを歩く人々に比べてこの辺りの住人は顔色も良く、花屋や雑貨店、食器等を扱う商店や旅籠等もあちこちに見られ活気があるように見受けられる。
ハイドランジア支部のギルドマスターであるダンが首を捻るのを見ながら、銀縁眼鏡のセインが港を指差す仕草をした。
「港に船が来てるでしょう? どうも誰かが食料とかを密輸してるっぽいんですけどね・・・」
「「密輸?」」
「ええ、でも調べたところで何も出てこないんですよ。この港街の住人自体が調べようとしても口を噤むんです。まるで町自体が容認してるみたいでね。まあ私らギルドには依頼が来ない限り関係は無いですから、どうでもいいんですけど」
ギルドは国家警察でも国軍でもない。
この世界の冒険者ギルドは、そもそもどこの国にも属さない独立機関であり、深刻な犯罪性がない限り調査依頼が無ければ頓着しないのが普通だ。
当然情報としては、把握はしているが・・・
「どうも積荷は、住人達の物になるらしいんですけど、街ぐるみで密輸って訳でも無さそうなんですよ、ですからね・・・」
「なるほど、この辺りにシャガルの王弟殿下がいるんじゃねえかって事か?」
「そう云うことです」
セインが眼鏡のブリッジを人差し指でクイッと上げ、ダンとミハイルが、顔を見合わせた。
その時、三人のすぐ近くで
「見覚えのある顔だな?」
という声がした。
今日もお疲れ様でしたー✧◝(⁰▿⁰)◜✧




