52話 蕩けるイケオジ
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「グエン様、流石に恥ずかしいですわ」
茹でた蛸みたいになったシンシア王女が、蕩けるような笑顔の皇帝陛下の膝の上に座らされている。
はい。
引き続き実況生中継場所はルクス大神殿の応接室で御座います・・・白目。
「自分がされてても恥ずかしいですが、他人がやってるの見るのって、更に居た堪れない気分になるんですね・・・」
「そんなのお前だけじゃねえか? 俺は平気だぞ」
そう答えながら二人羽織のようにミリアを抱き込み白い#天鵞絨__びろうど__#張りのソファーに座るのは聖王ミゲル。
コイツらはコイツらで十二分にバカップルである。
因みにこの二人は#件__くだん__#のグエン陛下とシンシア王女の真正面にいたりするのだが。
「まあ、若いってことよのう~」
ホッホッホッと楽しげに高笑いをする聖王ネイサンはその聖人バカップルの隣で平気で2杯目の珈琲を口にしている。
100年以上分の面の皮は中々の厚さであろう。そして羞恥心はきっと宇宙の彼方に棄て去っていると思われる・・・
「で、グエンはシンシアを嫁に迎えるつもりがあるから周辺整理のついでにシャガルの一斉清掃に踏み切るのかのう?」
まるで第3日曜日の町内一斉清掃・・・
「まあ、そんなところだ。いつまでも周りを彷徨かれたらたまらんからな。そうじゃなくても未だに平気で人攫いする国だ。野放しじゃ安心出来ん」
グエンは急に仏頂面になる。
まあ、婚姻を結んだ途端に花嫁を拐われたらと思うと、おちおち初夜も安心して迎えられないかもな。うん。こないだ他所んちの婿さん拐った国だしねえ・・・
「今後我が国にちょっかい出したらどうなるか身を以て知ってもらわんとな・・・」
悪い顔でニヤリとグエンは笑うが、膝の上でオタオタしているシンシアは顔が見えてないので気が付かない。
「陛下、このままではちょっと、お話ししづらいですわ・・・」
「大丈夫だ。そのまま何でも発言してくれ。全部受け止める!」
イケオジ絶好調である。
誰か止めろ。あ、無理ですね。
「こ、ここではちょっと恥ずかしくて・・・」
更に赤くなり指先まで熱を持つシンシア王女・・・ 余計に唆られるだけだよって誰か教えてやってはくれないか?
ニコニコするお爺ちゃんと気にしないミゲル、人より自分の対応で精一杯のミリアンヌ。
無理ですよね。
白目アゲイン。
××××××××××
「御主人様、捕獲終了致しました」
ミリア達2人の足元にキラキラと光ながらメルが現れた。
「え。ナニが・・・」
「お。メル。サンキュー、大量か?」
メルは後ろ足で立ち上がると恭しくお辞儀をする。
「夜会ほどでは御座いませんがそれなりの数でございました。現在不法侵入者として無力化及び拘束中ですが、安全のため魔獣用の檻に保管中で御座います。念の為檻全体に電撃罠を設置しております」
「「「「「・・・(汗)」」」」」
「尚、檻は神殿の中庭に移動させております。あのまま地下に置き捨てると転移門使用時の邪魔になります故」
「おう。流石はメル。気が利くな!」
「お褒め頂き恐縮で御座います」
そう言いながら、一礼する白猫。
「流石メルちゃん♡」
しかし早速ミリアの魔の手に掴まれモフられ始める白猫なのであった・・・
「取り敢えず、中庭に行ってくる。シンシアとミリーはここで待っててくれ。確認が済み次第ハイドランジア国王にも連絡する。メルすまんが後の警護を頼んだ」
白猫がミリアの膝上で頷くのを確認すると同時に立ち上がる聖王ミゲルと、名残惜しそうにシンシア王女の手の甲に口付けを落とすグエン陛下。
「ここで待っていてくれ。すぐ戻る」
お爺ちゃんは、既に転移して居なくなっていた・・・ 早っ!
部屋を出ていく美丈夫達を見送ると、侍女が珈琲を新しく注いでくれる。
「ねえ、メルちゃん」
「何で御座いましょう、シンシア殿下」
首を捻るシンシア。
「一体何を捕まえたの? ワタクシ、全然お話がわからないのですけど・・・」
「あー・・・」
「?」
不思議そうな顔をする白いモフ猫。
そう、シンシアは最初からこの部屋に居たわけでは無い。
間諜を捕まえるに至った経緯の説明をするのは自然とミリアンヌの仕事になったのである。
まあ、適材適所というところだろう。
ミリアは溜め息を一つ付いて、今回の騒動の発端を説明する事にした。




