43話 恋の特効薬
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「はー、成程。それで又おいでになったわけですかー・・・」
お人形のような綺麗な顔の眉根を寄せる大聖女ミリアンヌ。
「だからね何かアドバイスとか・・・」
「ううううぅーん。自分はアドバイス出来るような知恵はないんですよねー、なんせTS転生者なので・・・」
ミリアンヌの後ろ頭をパコっと叩くミゲルの眼は三白眼だ。実は聖王も大聖女も3人ともが性別が反転して生まれ変わった転生者なのだが、神殿上層部の極秘事項なのである。
「オイコラ・・・」
「?」
「あ、いえ何でもないです、要するに会えないから不満てわけじゃないんですよね?」
慌てて話題を軌道修正する大聖女。
「不満というより、気持だけが落ち着かないから何も手に付かないっていうのが困るっていうか・・・」
「要するに情緒不安定なのが困るんだろ」
ミリアを膝に載せたまま指摘する聖王ミゲル。
「そう。そうなの。こんなのどうやって克服すればいいのかしら? 本は沢山読んでみたのだけれど・・・」
「「・・・・本?」」
「ええ。何か参考になるんじゃ無いかしらと思って、図書館の蔵書に恋愛小説を全部網羅してみたのだけれど・・・」
「「全部・・・」」
「ちょっと刺激的過ぎてワタクシには高難易度というか・・・」
ミリアンヌ達2人が遠い目になった。
××××××××××
「心頭滅却すれば火もまた涼しとか?」
「いや、それ違うだろミリー・・・」
「病は気からって言うじゃないいですか」
「その病とも違うだろう・・・」
眉根を寄せてムムム、と考えるミリアを見ながら、ガックリと肩を落とすのは聖王ミゲルの方である。
「シンシア、ミリーに相談するのは無駄だと思うぞ」
そのやり取りを見ていて
「ねえミゲル、よくミリアちゃんと恋人同士になれたわね、アナタ・・・」
そうボソリと呟いたシンシア。
「俺の苦労の賜物だ・・・」
何となく恋人同士の立ち位置が分かってきたらしくシンシア王女にいたく同情されたミゲルである・・・
「まあ、あれだ昼間の色々な作業は普通に集中して出来るんだろ?」
「ええ。困るのは休憩中とか、夜なの」
「・・・いやさ、困るって何で? 夜とか後は寝るだけじゃん。休憩中とか何もしねえから休憩なんだろ?」
「あら? そういえば・・・」
首を傾げるシンシアを見ながら溜息を1つ付いたミゲル。
「恋心ってのはそういうもんだから仕方ねえだろう。諦めろ」
「ええ~、だって・・・」
顔を赤くしながら反論する王女。
「あのな、落とし穴にお前が落ちたとする」
「え? ええ」
「落ちたら、どうする?」
「助けを呼ぶわね」
「でも、助けられたとしてもお前が落とし穴に落ちちまった事は隠せたとしても、無かったことにはならんだろう?」
「ええ。まあ、そうね。恥ずかしいけれども事実だしね・・・」
「恋に堕ちたってのもそれと一緒だ」
「・・・つまり、無かったことにはならない?」
「そうだな。恥ずかしかろうが、隠そうが、事実でしかないんだよ」
「・・・」
「お前が望んでるのは、恋をしなかった前の自分に戻してくれって言ってるようなもんだ」
「・・・」
「だから諦めて受け入れろ。俺に言えるのは其れだけだな」
そう言ってソファーの背もたれに自分の背中を預け
「お前は怖がってるだけだ。要は自分が変わることに抵抗を感じてるんだろ?」
「・・・・」
それまで恋人の膝に載せられたまま、黙っていたミリアンヌだが、
「シンシア様、グエン陛下のこと嫌いなんですか?」
と首を傾げる。
「え? いいえ」
そう答えるシンシアの顔は薔薇色に染まっている。
「じゃあ、好き?」
「え・・・」
「恋してる相手に会えなくて辛いのって普通だと思います。でも仕事ができてるんだったら、其れだけでも立派だと思うんですけどね。それじゃダメなんでしょうか?」
「・・・・」
「もし自分がグエン陛下の立場だったら、なんにもしなくて良い時すら思い出して貰えないなんて悲しくないですか?」
「・・・・・そうね。そうかも」
ミリアは頷くと。
「多分ですけど。そんなに悩むの今だけですよ」
シンシアは首を傾げた。
あーあーあー・・・




