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引きこもり王女の恋もよう  作者: hazuki.mikado
episode2 恋ハ異ナモノ味ナモノ
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40話 姫の葛藤

今日もありがとうございます(_ _)


 母親が生きてるなんて考えた事も無かった。


 小さい頃は母親が居ないことに何も疑問は抱いてなかった。


 身近に『家族』という単位の親族などが居なかったせいもあるかも知れない。


 父様の両親である前皇帝夫妻は父様が10代の頃に亡くなっていたし、父様自身が一人息子で兄弟姉妹が居なかったせいでもあるのだろう。


 私の産みの母は自分が生まれた時に行方知れずになり鬼籍に入ったと聞いていた。


 そのせいなのか、母方の祖父母にも会ったことはないから余計にそうだったのかも。

 

 でも間違いなくあの人が母親なんだろうな。


 だって私と顔がソックリだし、瞳の色はカイル兄様とまるで同じサファイアブルーだった。


 きっとあの人が隠し通路の事を他国の間者に教えたんだろう。だって元皇妃だったら知ってるはずの通路ばかりが塞がってたんだから・・・


 昔は今以上に父様は私に凄く甘くて子供同士の茶会にも母親の代わりに顔をよく出していたけど、元々貴族女性から異様なほど人気がある人だった。


 だからなのか茶会で母親に連れられてやって来る貴族の子女達は私と仲良くするフリをするし、生意気にもその母親達は父様に取り入ろうとしていたのを覚えている。


 私を利用しようとする貴族の子供なんか嫌いだった。


 だから叩いてやったし、生意気な貴族の奴らなんか辛辣な態度と言葉でやっつけた。




 マナーのなってない皇族の女性なんて淑女の風上にも置けないと陰口を叩いていた見習いの貴族子女の侍女なんか皆追い出してやったし、父様の食事に媚薬を入れようとしていたメイドも侍従もみ~んな追い出した。

 父様に色目を使う家庭教師も大嫌いだったから2度と皇城に来れないように締め出してやった。



 皆んな若くてハンサムで南大陸の英雄で大国の皇帝である父様の皇妃の席がきっと魅力的だったのよね。


 よく考えてみたらあの人が私達兄妹も父様も捨てて出て行っちゃったから、いらない苦労してたんじゃない私?


 何だかそう考えたら腹が立ってきたわ!



 ダンスの教師はベタベタ触ってきて気持ち悪いし、学者は偉そうに私のコトを頭が悪いって周りに言うから、他の奴らの意地悪ついでに毎日ベッドに虫の死骸をプレゼントしてやった。


 そしたら皇城に出仕しなくなってせいせいしたわ・・・ そのせいでマナーもダンスも教養も全部が中途半端になったみたいだけど。 


 まあ、そのあたりの面白くない連中を追い出しちゃったのは今考えるとやり過ぎだったかも。


 そしたらゲオルグ兄様とリンダに今頃スパルタ教育されずに済んだものね・・・ ちぇっ・・・


 でもどうしよう。母親かー・・・


 あ。そうか、母方の祖父母と疎遠なのもあの人が出奔しちゃったせい?


 なんかなぁ。余計に腹立つわね。


 今更生きてましたとか言われちゃってもピンとこないし!


 小さい時の苦労をどうしてくれんのよ! って文句言いたくなるわね。


 でも兄様とリンダの2人共に塔に近づくなって言われたし・・・・ ううぅ




「あ~~~ もう止め止めやーめた! 考えたって仕方ないじゃない! 今更礼儀がなってないからって、マナーを良くしたってハイドランジアに行けるわけでもないし! お菓子禁止令が解かれる訳でもないし! 知らなーーーーい! 淑女教育なんかクソ喰らえだわよーーーー」



 そう叫ぶとやおら私室の床で腕立て伏せを始める・・・



「どうせなら立派な女性騎士になってやるわよっ!」



 ロザリア・トリステス皇女20歳。


 紛れもなく立派な脳筋であった・・・・



××××××××××



「は? なんでそうなるんだ? 母親に会いたいとかじゃねえのか?」



 緑色の女性騎士の制服を身に纏い、報告するリンダ・テレッセ伯爵令嬢。紛れもなくロザリア皇女の家庭教師であり護衛であり、上官でもある彼女は眉をしかめた。



「いえ、ロザリア姫は『今更淑女教育なんかクソ喰らえ!』と叫んだ後、腕立て伏せを始めそのままスクワットと腹筋をこなして、演習場でランニングを始めました」


「・・・・そうか」


「はい」


「報告ご苦労だった」


「はっ!」



 一礼して去っていく女性騎士の後ろ姿が閉まるドアで見えなくなった後、皇帝グエンと閣僚達は全員が溜息を付いた。



「まあ、いいんじゃないかなぁ?」



 椅子にズルズルと沈む陛下。



「嫁入りは望めませんぞ、いいんですかなぁ・・・」


「イングリット様に会ってどうするということもないでしょうし」


「そうですなあ・・・」


「「「「「まあ、様子見で」」」」」



 満場一致でロザリアの事をイロイロと先送りにした皇帝と閣僚達である。


・・・合掌。




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