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追憶の転生  作者: チャラン
第3章 カルタリア大陸・青い鳥を求めて(後編)

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第73話 忘れ去られた遺物

 莫大な力を持つキメラの噛み砕きは、ハルを守る分厚いエネルギーシールドを大きく変形させたが、それでも、その光の壁を突き破ることはできなかった。そして、怪獣の猛烈な攻撃の隙を逃さず、レイラが素早く踏み込み、ランスロットの大剣による神速の斬撃で、毒蛇の首を跳ね飛ばす! 頭を失った長いキメラの尻尾は絶命し、だらりと力ない毒蛇の胴が、尻から下がったまま動かなくなった!


「グッ!! ガアアアアァァアア!!!」


 壮絶な痛みにキメラは一瞬怯んだ。しかし、転瞬、痛みは全てレイラへの強い怒りに変換され、身を震わせ、獅子の大口から爆炎のブレスを吐き出す! 毒蛇の首を斬ったレイラは、瞬間的にバランスを崩しており、激しい炎の息を避けることが出来ない!


「イレイサー!!」


 姉の絶体絶命の危地を救うため、ソフィアが白銀のワンドから無意識的に発動させた魔法は、エネルギーシールドから外に出たレイラの前に、無色透明な見えない壁を作り出した。空間を自然法則から外し変化させたそれは、キメラの爆炎さえ全て無効化し、消し去る!


「ありがとうソフィア!! これでとどめよ!!」


 愛する妹の魔法に心強く守られ意気を得たレイラは、大剣を再び振り上げ、キメラの首元に狙いをつけると、渾身の突きを瞬発力が乗った跳躍と合わせ繰り出した! 突きは見事、急所を深々と刺し、キメラは断末魔を上げることもなく、巨象ほどもある体を合金の床へ重い音と共に横たえる。




 忘却の文明が作り出した怪物を倒し、他に危険はなくなった。激戦に勝利したハルたちは、その場にへたり込み、安息を感じたあと、遺跡内部の探索を始める。


「ガランとしたところだけど……あっ! あっちになにか機械があるぞ!」


 ハルが見つけたのは、ドーム内の片隅にある、モニターやゲートのようなものが、複合的に組み合わされた機械群だ。忘却の文明が残した遺物であろうそれに、ワイズは駆け寄り、早速あちらこちら調べ始めている。


「文献にほんの少しだけ書かれていたが、まさかに本当にあるとは……これは転移装置だ! しかも、うまくやれば作動するぞ!」

「また凄いのがあったもんだな。でもよ、ワイズ。動かしたとして、これどこに飛んじゃうんだ? 行って戻って来れるもんなのか?」


 ワイズとフラットのでこぼこコンビは、それぞれいい相方のようだ。鋭い冷静なツッコミに、ボサボサ頭の学者は少し考えていたが、ゲート近くのモニターを見て、何かひらめいたようだ。


「そうだこれだ! 分かるぞ! 転移には膨大なエネルギーというものが必要だが、このメーターからは、2人が行って戻って帰れる残存量があるのが読み取れる。そして行き先は……」


 複雑な数式が表すモニターのグラフと映像を見て、慌てることなどなさそうなワイズが、


「馬鹿な! ありえん! テラではないだと!? 違う星に転移できるのか!?」


 考えていた理解を越えるテクノロジーが表す結果と対峙し、大いに慌てている。

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