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プロローグ
「はあ・・・」
全く嫌気がさす。少年はため息をついた。
細身で黒の短髪。ありふれた服をきた、どこにでもいそうな少年である。
そんな彼の前には、三匹の怪物が並んでいた。
筋骨隆々の肉体、二メートルはある巨体、青緑の肌、その顔には・・・目が一つ。
俗に、サイクロプスと呼ばれる怪物である。三匹の怪物が少年に襲い掛かる。だが彼は眉一つ動かさない。
一匹の拳を、半歩横移動してかわすと、腕を一振り。
ズバッ!
怪物が絶叫を上げて倒れ込む。その腹部には深い切り傷。
『いつの間にか』現れた鋭い血まみれのナイフが、少年の手に握られていた。