信念と虚動
ああ 誰か たった一つの信念があるのなら 僕は地を這うミミズにだってなっていい
人間が綺麗なまま生きられるなんて そんな期待など
不運や不幸は 槍のように天から降り注ぎ
それを一心に受け 血塗れになり 傷だらけになる者が真に美しい
僕は莫迦なので そんな風に生きるしか この地上にはいられない
けれども笑い泣いて 愛などといったものに 精神や生命をすり減らしたい
望むのならば 退屈という遊戯で 一生を畳の上で過ごしたいのだ
ああ 母さん こんな僕を産んで あなたは信念を貫けただろうか
有耶無耶に日々が過ぎる 歩いていく景色だけがこんなにも生彩であるというのに