Ep.6 束の間の休息
セリフがかなり多くなってしまったので読みにくかったらすみません…
この作品では珍しいネタ回(?)ですので頭を空っぽにしてお読みください。
第1ゲームが終わったあとオウ以外の残った19人は体育館へと戻っていた。
みんな緊張状態で張り詰めていたからか疲れが目に見える。でも【鬼】と戦ってた僕らだけはなんとも言えない空気に押し潰されそうになっていた。
当然だ。僕らがミスをしたせいでオウの大事な人を亡くしてしまった…僕はただそれだけが悔しかった
トウヤに気にするなとは言われたが威勢のよかったオウがあんなに凹んでいるのを見るとやはり胸が痛む
「イチ」
トウヤが僕の元へ寄ってきた
「なに?」
「オウのこと…やっぱ気にしてんのか?」
「…うん」
「そうか…まぁそうだよな…」
トウヤがそう言った時ステージのスクリーンに影が映ったまたあいつだ
僕らをこの地獄に陥れた最大の敵だ
『みんな〜!元気してるー?』
『って元気なんてあるわけないか!特にイチくんはそうだよね〜』
「こいつ…ふざけやがって…」
『まぁそんな無駄話は置いておいて今日はもうゲームはないよだからみんな体を休めてね!』
『みんなの部屋は君たちの教室。就寝時間は24時だよ24時になったら教室の扉のロックは閉めるから気をつけてね』
『そしてみんなが気になってるご飯とお風呂!お風呂はシャワーしか用意できないけどご飯は朝晩どっちも用意できるよ!』
『晩ご飯は19時から21時まで朝ご飯は6時から8時まで食堂を開けておくからみんな忘れずに食べに来てね〜』
『シャワーは剣道場、柔道場、シャワールームでいつでも使えるようにしておくね!』
『それじゃあ明日も1日!ゲームをがんばろー!』
『あっ!そうそうゲームが行われてない時は基本的にみんなの能力は制限されてるよ首にチョーカーが付いてる間に能力行使をしようとすると大変なことが怒るから注意してね!』
チョーカー?首に?僕は咄嗟に首を確認した
確かに何か首に付いている…外せそうもない。
『緊急の時は僕がそのチョーカーのロックを解除するからくれぐれも無理に外そうとか考えないようにね!それじゃ僕はこの辺で失礼するよ!またね〜』
そしてGMは消えていった
するとみんなぞろぞろと移動し始めた教室へと向かうのだろうか
僕はそんなことよりオウが気になって仕方ない
オウのところへ行こうと僕はトウヤに提案した
トウヤは少し拒否気味だったが僕の顔を見てOKしてくれた。
レイナはその場に座り込み顔を俯かせている。
そんな状態の彼女を連れていく訳には行かない
僕はトウヤと一緒にオウがいるであろう場所へ向かった___だがその道中フラフラのオウに出会った
「オウ!大丈夫か!?」
「…大丈夫だ…それに1年…なんでお前が俺の名前を知っている?」
まずい…そういえば特に名前を知る機会なんてなかった…
「俺が教えたんだ」
トウヤがすかさずフォローを入れてくれたナイスすぎる
「お前は…アカバネ トウヤか?」
「へぇ…あなたに名前を覚えていただけるとは光栄だ」
「そりゃあなお前は有名すぎる」
トウヤってそんな有名なやつだったのか…この学校に一切興味がなかったから知らなかった…後でレイナ辺りにでも聞いておこう。聞ければだが…
「それで?どこに向かおうとしていたんだい?」
「体育館だそこに行けばなんとかなるだろうと思ってな」
「それなら1歩遅かったかなもうみんな解散して各々自分の教室に帰っていったよ」
「自分の教室が部屋ってことか?」
「おぉ察しがいいねさすがオウだ」
「…今そういうのはいい」
「おっと…それは申し訳ない」
「それじゃあ俺は自分の教室へと向かう…離せ1年」
「あっ…ご、ごめん…なさい」
凄まじい形相で睨まれた僕は反射的に手を離してしまった。
「送ろうか?」
トウヤがオウに手を伸ばした。
でもオウはその手を払い除けた
「いらねぇ」
ただ一言冷たい言葉を言い放ち教室棟へと歩き出した。
「トウヤ…あのまま放っといていいのか?」
「…構わない…また明日話せばいいさ」
「そうだイチ」
トウヤが急に僕に問いかけてくる
「どうした?」
「夜に君の教室に行ってもいいかい?少し話しておきたいことがあるんだ」
「別にいいよてか今からじゃダメか?」
「レイナ…彼女も交えて話がしたい」
トウヤが真剣な顔をしている。
あまり人の顔を見ない僕だがこの顔が本気であることはわかった。肯定する他答えがなかった
「いいよ。晩飯の後…22時くらいでいいか?」
「わかった。じゃあ22時にイチの教室だね1年7組であってたかな?」
「あぁ。合ってる」
「よしじゃあ決まり22時に1年7組だね」
そして僕とトウヤは教室棟へと向かった。
レイナは教室棟へ行っただろうか…
レイナとオウのことが心残りだが今は考える体力も気力もない。まずは体を休めることが優先だろう
_________
教室へ入るとそこは自分の部屋に酷似していた
「すげぇ…僕の部屋だ…」
置いてある家具や雑貨、マンガやゲームまで全て僕の部屋にあるもの配置も一緒だ。壁紙と天井は教室のままだがそれでも自分の部屋にいるように感じられた
僕はふとテレビが使えるのかが気になったテレビの電源をつけるとニュースが流れてきた。
僕がいつも見ているチャンネルのニュースだ確か今日は火曜日…僕の好きなバラエティ番組の日だ。テレビの左上に目をやると時刻は18時55分あと5分で番組が始まる僕は番組表を開き、その番組があることを確かめる。
「番組表には載ってる…」
あと3分…_____2分_____1分____
プツンっとテレビが突然消えた
「えっなんでだよ!?」
そう言いながら立ち上がった瞬間放送が流れた
『いや〜ごめんごめん』
GMの声だ
『電波の調子が急に悪くなってさーやっぱ適当に作ったんじゃダメだったかなぁ』
『復旧するまで結構時間かかりそうだから今日はテレビ見れないかもごめんねーその代わりテレビゲームとかはできるからそれで暇つぶしてね!』
………………ふざけるな…
「ふざけるなぁぁぁぁぁ!!!!」
心の中に留めておこうと思ったがさすがにこれは無理だ。なぜバラエティ番組がもうすぐで始まるというのに丁度いいタイミングで電波がおかしくなるんだ!?絶対狙ってるだろあのGM…はぁ…仕方ないひとまず晩飯を済ませてシャワーまで浴びてしまおう。
幸いなぜかWiFiも飛んでるみたいだしスマホゲームやテレビゲームをする分には特に困らないだろうそれでトウヤ達を待つしかない
______
僕は食堂へと来た。…が、僕一人だけだ
「えっ…僕一番乗りかよ…帰ろうかな」
そう思って回れ右をすると
「痛っ」
何かにぶつかった僕は咄嗟に
「あっ…わ、わりぃ」
「いえ大丈夫ですどこかお怪我はありませんか?先程痛いと仰っていたので…」
「あぁ…いや…平気だ…」
「左様ですか。本当に失礼致しました。」
「あ、あぁ…」
やけに物腰の低い男の横を過り教室に戻ろうとした時声をかけられた
「あの夜ご飯一緒にどうですか?」
「はぁ…?」
この男は何を言っているのだろう…見ず知らずの赤の他人をご飯に誘うって…僕じゃ絶対に無理だ。
いつもなら断っているがこんな状況である手前非常に断りづらく
「あっえっと…い、いいよ」
「ありがとうございます!」
男は勢いよく頭を下げた。
この会話の間でも食堂には誰一人としてやってこなかった
晩飯は1人1皿のワンプレートで米とサラダ、味噌汁はおかわり自由となっているらしい。
定食屋なんかにあるような元をとれと言わんばかりのあのサービスシステムと同じだ
…ほぼ行ったことなんかないが
「美味しそうですね!このヒレカツ!」
さっきの男がキラキラした目で話してきた
「あ、あぁ…そう…だな」
「それじゃ食べましょ!いっただきまーす!」
「い、いただきます」
飯を受け取りここに座るまでの間に1人来たがこっちに寄ってくる気配はない。みんな先にシャワーを済ませるかまだ教室でくつろぐかしているのか?
「そうだこれからゲームでお世話になるかもしれないから自己紹介しておきましょうか?」
「あー………うん。いいよ」
「それじゃ自分からいきますね」
「1年6組 オクテ ムツと申します。能力は補助型"ありとあらゆるものを調整する"っていうよくわからない能力です」
それを聞いた瞬間僕は驚いた
あの【鬼】と戦った時に僕がコピーした能力だったのだ…オクテ ムツ…確かにそんな名前の人だった気がするこいつだったのか
「じゃあ次は僕が」
「名前はフクノ イチ学年クラスと能力は伏せさせていただくまだ完全に信用したわけではないんでね」
「……」
僕が自己紹介を終えると終始笑顔で会話を絶やすまいとしていたムツは顔を強ばらせて一瞬沈黙した
何が悪い事を言っただろうか?
「…そうですか!まぁ確かにそうですよね初対面に何でもかんでも教えるっていうのは」
ムツはすぐに元の顔に戻った
今のはなんだ?とても気になるが深掘りして墓穴を掘っても面倒だこれ以上は何も言わないでおこう
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その後時間が過ぎて他愛もない話をしてくるムツを適当にあしらいながら晩飯を食べ終えた
「ごちそうさま」
「あれっもう行っちゃうんですか?」
「今日はもう疲れてるんださっさとシャワー浴びて寝ることにするよ」
「そうですか…今日は楽しかったです!ありがとうございました!」
「あぁ」
ムツと別れ僕は部屋に戻り置いてあった寝巻きを持ってシャワールームへと向かう
シャワールームに着くとそこには2人の人がいた僕は服を脱ぎ空いている個室に向かう
その途中でシャワーを浴び終えた人が出てきた僕はドキッとしたが幸い相手は男だった
しかしその相手が一言ボソッと言い放った
「小さ…」
…僕は聞かなかったことにしておいた
後で名前を知ったら絶対に許さないとそう思いながらシャワールームの個室に入った
ただ勘違いしてほしくないのは僕は大きさなんか気にしていない小さいことをコンプレックスに感じたことも無い…身長は166cmだが何か悪いか?
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シャワーを浴び終えた僕はトウヤとの約束の時間が迫っていたから急いで着替えて自分の部屋へと戻った。部屋の前にはトウヤとレイナが立っていた
「悪い待たせたか?」
「俺は待ったけどレイナは今来たよ」
「そうか。レイナ調子は大丈夫か?」
「うん。もう平気」
「それならよかった…あ、じゃあ部屋開けるな」
僕の部屋に入ったトウヤとレイナはまずその部屋の綺麗さに驚いた
「以外ね…結構整頓されてる…」
「イチの教室も君の家の部屋と同じなのかい?」
「あぁ壁紙と天井以外はそっくりそのまま僕の部屋だよ」
「無理やり整頓されたとかじゃないんだね」
「僕の部屋汚いとか思ってる?」
「いや別にそういうわけじゃないわよ」
「うんうんイチくんのことだからほんとにこれくらい部屋が綺麗なんだろうなーって」
「…想像は勝手だぞ」
「そんな話はどうでもいいんだ話ってなんだよ」
「そうだね。じゃあそろそろ始めようか」
「このゲームはどういうものなのかという考察を」