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School game  作者: よわむしの人形
3/8

Ep.3 第1ゲーム鬼ごっこ

『記念すべき最初のゲームは…鬼ごっこ』


"鬼ごっこ"?って小学生なんかがよく遊んでるあの遊びか?それがどうやってデスゲームに…


『それじゃあ鬼ごっこのルールを説明するね』


そう言ったあとステージのスクリーンに文字が映し出されGMは説明を始めた


『君たちには今から誰かひとりが死ぬまで鬼から逃げ回ってもらうよ』


え…?誰かひとりが…死ぬまで?鬼ごっこなんかでどうやって人が死ぬんだ?

僕には全くわからなかったがこの後のGMの説明で合点がいった


『鬼と言っても君たちの思ってるような生ぬるいもんじゃないよ。君たちが逃げる鬼ってのは』


『"殺人鬼"のことだからね』


"殺人鬼"…確かに【鬼】とは付くが…

いや…このGMのやることだほんとうの殺人鬼を呼んでるに違いない


『【鬼】はゲーム開始から5分後に動き始めるよどこから出てくるかはお楽しみだね!』


『それじゃあ"鬼ごっこ"について細かいルール説明をしよう!』


『"鬼ごっこ"でももちろんプレイヤーへの攻撃はなし!ただし【鬼】への攻撃はOKにするよ! 』


【鬼】への攻撃はOK…目に見えるものであることは決定したな…

すると突然1人の男子が質問を投げかけた確か名前はオウとか言ってたか…


「その攻撃で【鬼】が死んだ場合は?どうなるんだ?」


『どんな理由でも【鬼】が死んだらその時点でゲーム終了。全員が生存して"鬼ごっこ"が終わるよ』


なるほど…

だがここまであっさり言うとなるとその【鬼】は相当強いのか?こんなこと言ったらほとんどのやつが【鬼】を殺しにかかるに決まってるだろ


『ゲーム内容は超シンプルだからとりあえず説明はこんなもんかな』


『あと何か後から聞きたいことがあったらその端末で僕にチャット打って聞いてね』


この端末には能力行使以外にもチャット機能、通話機能、検索機能がある。だが検索機能はなぜか今は使えないようだった


『それから【鬼】はみんなと同じように1つ能力を持ってるよ!気をつけてね!』


『それじゃあゲーム開始するよ!みんな逃げてねー!』


GMがそう言った瞬間静寂があったが本能的に逃げないと身が危ないと感じたのか全員一斉に駆け出した

体育館内に残ったのは僕とさっきのレイナという女子2人だけだった。

僕はステージに向かって歩き出し、そのままステージに腰をかけるすると彼女はこちらに向かって歩いてきた

僕の近くに来ると話しかけてきた


「君は逃げないの?」


「あぁここから【鬼】は出ないと思うからね」


なぜなら普通の考えならできるだけ今の場所から離れなくてはという考えから体育館から離れた場所に逃げるはず

それならここに【鬼】を出す意味がない

そう考え僕は【鬼】出現までここで待つことにした。他にも理由はあるが…


「わたしもここには【鬼】とやらは出ないと思ってる」


「それから…」


そう言いながら彼女は僕の近くに腰かけた


「…君も多分同じ考えでしょ?」


「え?」


「ここからなら…」


「「【鬼】がどんな姿か見られるかも知らないから」


そうこの体育館は2階が全面ガラスで外の風景が見やすくなっている柱の陰に隠れながら見れば【鬼】の姿がどんななのか把握することが出来る

姿形さえ把握できれば情報レースでこちら側が優位に立て、【鬼】を倒しやすくなるかもしれない

ここまで一緒かはわからないがどうやら彼女と考えてることは根本的には一緒らしい

すると彼女は意外なことを言い出した


「ねぇ君。わたしと手組まない?」


手を組む?協力関係に置くってことか?

僕は咄嗟に端末を開き彼女の能力を確認する。

書かれていたのは

〈タイプ:補助 ありとあらゆるものに擬態できる〉

擬態?便利そうな能力ではある特に何か悪いことを企んでるようには見えないので僕は答える


「あぁいいよ手を組もう」


すると彼女は嬉しそうに


「ほんと?ありがとう」


「それじゃあお互いの名前と能力を確認し合わない?」


「構わないよ協力するなら知っといた方がいい」


「それじゃあわたしから」


そう言って彼女はステージから降り僕の前に立ったよく見ると端麗な顔立ちをしている

鼻も高く目もくっきり二重で肌は色白…まさにハーフ顔みたいな…こんな人がこの学校にいたのか


「1年7組シキミネ レイナ」


「能力はありとあらゆるものに擬態できる能力」


7組…通りで知らないわけだ


「それじゃあ僕だね1年1組フクノ イチ」


「能力は他のプレイヤーの能力をコピーする能力」


僕の能力を聞いた彼女は驚いたような顔をした


「能力をコピー?どういうこと?」


「そうだね…例えば君の能力をコピーしてみよう」


僕は端末を操作し彼女の能力をタップした

そして宣言する


「能力行使」


「え?終わりなの?」


「うん。今のでコピーできたよ」


「こんな感じで」


僕は空気に擬態した恐らく透明に見えているはずだ透明に見えてたらこの能力かなり便利だな…

すると彼女はこう言った


「ふーんそんな使い方もできるのねでも服が擬態しきれてないね」


「えっ!?」


確認してみると本当だ服だけは僕の目に映って見えるだが体は完全に透けているようだ


「さすがに全裸になってまで透明にはなりたくないかな…ふふっ!」


「あはは…恥ずかしいななんか」


『あと1分で【鬼】が出るよー!』


GMの声だ、あと1分だと?

これを聞いた彼女は急に目つきを変えた


「イチ。君は駐車場側を見ててくれないか?」


「うんわかった」


僕はダッシュで階段を駆け上がる

その間彼女が能力行使を宣言するのが聞こえた


「能力行使」


「脚をバネに擬態させる」


なるほどそれを使えば一瞬だったな体力も大して使わないし彼女の方が頭がいいな

となぜか敗北感を味わいながら僕は2階に辿り着いた当然彼女も2階に着いている

するとGMの声が聞こえた


『【鬼】が出るまで10秒前!』


『10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!』


『鬼ごっこすたーとーーー!』


僕は身構えたこれからデスゲームが始まるのだ

そう思っていると突然駐車場から煙が上がった。

煙が消えていき僕の目に映ったのは人間のようだった体は黒い服で覆われ、顔にも覆面があり、すらっとしている体型だが背が高い

だが想像していたものの10倍は弱そうに見える


「ほんとにあんなのが【鬼】なのか?」


思っていた矢先___

【鬼】の姿が消え去ったのだ


「えっ…!?どこ行った?」


すると端末がバイブを鳴らした

レイナからだ


〈鬼の姿見えた?〉


見えた。と一言彼女に送る


〈わたしも見えたすごい速さで校舎の方に入っていったよ〉


やはり校舎の方に向かったのか

すると校舎の方からこちらまで届く悲鳴が上がった


「えっ今のヤバくない?」


気づいたら彼女はこちら側に来ていた

擬態能力恐るべし


「でも終わりの合図がないまだ生きてるんだろ」


こっちがしばらく安全だと思った僕は彼女に聞いた


「その能力で剣とか刀とか擬態できるのか?」


「あぁゲーム開始前はできなかったんだけど…」


「やってみようか。能力行使」


「腕を剣に」


するとすぐさま腕が剣のような形に変わった


「おぉう…まじか」


「じゃあ一応これで自衛はできるね」


「そうみたい」


僕はあの【鬼】の能力が何かがとにかく知りたかっただから僕は彼女に1つ提案をした


「ね、ねぇ」


「レイナって呼んでなんか…ねぇだけだと歯痒いって言うかなんて言うか」


「じゃあレイナ。君に1つ提案がある」


「提案?なんの?」


「もう1人、2人くらい仲間を作らないか?」


「……そうだね。いい提案だと思う」


よかった…そう安堵した時重い足音がゴトゴト聞こえてきたバスケのゴール裏に身を隠し入口の方を見る

入ってきたのだ【鬼】が

予想より早くに体育館に来たためここから逃げる作戦は何も立てていない


「まずい…【鬼】が入ってきた」


「えっどうするのよ?」


「体育館ってあそこしか入口ないよな?」


「多分…」


「じゃあ【鬼】が2階に上がってきたタイミングでここから飛び降りよう」


「それで怪我したらどうするの?」


「大丈夫今の僕らには能力がある」


「あっバネか」


「そう脚をバネに擬態させれば落下時の痛みは多少軽減されるはずだ」


「なるほど賢いねイチは」


「いや全然だよ」


「じゃあタイミングは僕が指示する今の内にバネに擬態しておこう」


「そうだね」


僕はこれまでの人生でかつてないほど集中した

ここで死んでしまえばただのかっこ悪いやつだ必ず成功させなくては…

【鬼】が階段に足をかける音がした

1歩ずつゴトゴトと音を立てながら登ってきた

勘が今だと言った


「よし。行こう」


「うん」


僕たちは思い切り2階から飛び降りた

予想通り落下の衝撃はあまりない

だが僕の耳には確かに【鬼】が階段を降りてくる音が聞こえてきた

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