1-1 もしかして異世界転生した?
もしかして、異世界転生したのか?
「おい!ボーっと突っ立てるな!早くいくぞ!」
まず状況を整理しよう。ここは何処だ。このオッサンは誰だ。さっき出勤と言ってたが、俺は働いているのか?魔法を使えるのはお前だけ?もしかして俺は魔法職なのか?聞かないことには何も始まらないな...
「アッエッアノー」
「はっきり喋れ!聞こえないぞ!」
「アッハイ」
114社落ちたのはこれの所為だ。俺は昔から極度のコミュ障だ。知らない人とは全く喋れない。
「スッスミマセン、ココハドコナンデスカ?」
「は?お前の家だろ?」
どうやらここは俺の家らしい。そういえば日本語が通じるんだな。異世界なんてそんなものか。
「さっさと行くぞ!」
俺は腕を引っ張られ、外まで連れ出された。引っ張る力が強く、物凄く痛い。
「早く乗れ!」
俺は外に連れ出された。職場までは馬車で連れて行ってくれるらしい。自分で歩かなくていいのは楽だ。
俺、異世界に転生したんだよな?。異世界転生ってあれだよな?。魔法で最強になってハーレムだよな?。どうやら俺が転生した先はハーレムとは程遠い世界の様だ。現実は非情である。しかし魔法は使えるみたいだな...
「着いたぞ!早く降りろ!」
どうやら職場に着いたようだ。俺はこれから毎日ここで働くことになるのか...。俺今までアルバイトしかしたことないぞ。魔法もどうやったら発動するんだ?。先が思いやられる。そういえばこのオッサンの名前は何なんだ?聞いてみるか...。
「スッスミマセン、アナタノナマエハナンデスカ?」
「お前まだ寝ぼけてるのか?俺は"ガ・バーン"だぞ。忘れるな!」
このオッサンはガ・バーンというのか。凄い名前だな...。
「LUNEで何回も起こしたんだぞ」
「エッナンデスカソレ」
「それも忘れたのか?俺らでも使える魔法具だぞ。お前も持ってるだろ?」
俺も持ってるのか?試しにポケットの中を探してみた。
...本当にあった。どうやらこれで通信できるらしい。時間も分かるのか。オッサンでも使えるということは魔力は使わないのか?そもそもこの世界に魔力なんてあるのか?不思議だ。
建物に入ってみたが中は狭い。ここでは何をしてるんだ?
「オレッテシゴトナンデシタッケ」
「お前本当に大丈夫か?お前はこの魔力充電器を使ってこの魔力電池を充電するのが仕事だ。」
魔力電池なんてあるのか。魔力充電器大きいな...。さっきのLUNEもこれで動いているのか?俺しか出来ないと聞いていたが以外と簡単だな。試しに一個だけ充電してみるか...。どうやって充電するんだ?
玲斗が魔力充電器に触れた瞬間、玲斗の腕が光りだした。
え?!触れただけで充電できるのか?!意外と簡単だな...。しかしこれに充電していると力が抜けるな。
...何これ。すごくつまらない。この世界でもう3時間やったのか?。しかも物凄く疲れる。これが明日もか...。休憩も無いし、死ぬんじゃないのか?。これが明日から毎日か...。やめたいな、この仕事。
「帰っていいぞ」
やっと帰れるのか...。そういえばこの会社の名前は"ナヂエス"というのか。名前の意味が分からない。地図は持ってたみたいだからこれ見ながら家に帰るか。ふむ、近くに商店街があるらしいな。少し寄ってみるか。