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第18話 尼の妙薬(後編)

 秋半ばの神無月。

 掃除の仕事に出たカズはいつものようにお晴と合流する。

 しかし、彼女の様子がおかしい。お晴は急用ができて、仕事を休みたいという。そして彼女は足早に数のもとを去っていった。

 すでに夜になり、星空が出ていた。肌寒い外にでて、カズとひさめはお晴の行方を捜していた。お晴が戻ってこなかったからだ。


「カズ、見つかったか」


 カズは首を振った。どこを捜しても、誰に訊いてもお晴は出てこない。


「まさか盗賊に襲われたのかな……」


 カズは一抹の不安を覚えた。だがひさめは声を上げた。


「んなわけないだろ。襲われてたらおれたちもお晴捜しを悠長にできっかよ」


 うん……。ひさめの言葉に異論はない。


「そういえばひさめさんは何かいい情報でも見つかったの?」


 ふん、とでも言うかのようにひさめは目を閉じた。しかも不敵に笑っている。


「あるぜ」


 カズとひさめが向かったのは漁村の南西にあるお寺。夜なので見えにくいものの、よく観察すると、お堂の柱はところどころ朽ちており、鐘楼しょうろうの壁にツルが巻き付き、うっすらと見える鐘も錆があちこちについていた。

 長い間手入れされていないようだ。

 だが、ひさめはここでお晴を見た人がいたという話を聞いたらしい。


「本当にこんなところにいたの?」

「多分だろうけど、あいつ薬は薬でも薬屋に頼めないものを探してたんだろうな」

「薬屋に頼めないもの……」


 よく分からない。一体何なんだ。


「ほら、ここに来る時宿屋の女将おかみが言ってただろ」


 ふと昨日の夜の話を思い返してみた。西野津の洞窟で何か見つかったそうだけど。


「そうか、人魚の妙薬か」

「ああ」


 ひさめはにっこりと頷いている。噂によれば妙薬はどんな傷でも癒し、えらく長生きできるものだからだ。


「お晴さん、そこまでしてひなさんを……」


 カズはお晴の気持ちが心の奥底から理解できた。多分、お晴は可能性に懸けたんだろう。

 もう助かる見込みは無い。だから嘘か本当かはわからないけど――


「ひさめさん、とにかく行こうよ。中にいるかも」

「ああ。行こうぜ」


 洞窟の内部は真っ暗で何も見えない。ロウソクを持って来ておけばよかった。

 洞穴の内部を北の海から吹き抜ける海風が通り、風の音は洞穴の中で不気味に共鳴していた。

 そのせいかカズは身震いしていた。

 いや、それだけではなく誰かの気配を感じていた。なぜか、心臓の鼓動が速くなる。多分、お晴はいるだろうが――


「ひさめさん、誰かいる気がする……」

「ああ。おれも同じだ。気をつけろよ」

「やっぱり、盗賊とかかな?」

「わかんねえけど物音がするんだよ。喋り声も。何言ってるかは聞き取れないけど」


 海風の音に混じって不気味な音が響き始めた。メラメラと何かを焚く音。奥に進むにつれ、徐々に大きくなる。それに連動するように、カズの心臓の拍動も大きく体の内側からカズを叩く。


「おい、あれ見ろ」


 ひさめの呼び声にカズは立ち止まった。


「どうしたの?」

「あそこ、明るくないか?」


 ひさめが指さす先の暗闇にほのかな光……。暗闇だからはっきりとその光がわかる。洞窟の岩壁にその光は揺れている。光源はおそらく炎。


「あれ、ロウソクかな……」

「ああ。カズ、木刀を準備しておけ」


 カズは頷く。腰に下げてある木刀を握る。そして、カズたちは一歩ずつ、気配を殺して前に進んだ。

 そして、壁際から光源を覗き込む。

 しかし、そこには「他の誰か」はいなかった。


 かわりにいたのは……。


「お晴さん!」


 その姿にカズはすぐに駆け寄った。そこにいたのは彼の仕事仲間の栗色髪の少女……。

 彼女はロウソク立ての前で倒れていた。顔中が傷つき、アザだらけになっている。


「お晴さん! しっかりして! お晴さん!」


 カズは必死でお晴の体をゆすった。


「う、うう……」


 お晴の瞼がかすかに動く。そして、少しだけだが茶色い瞳が瞼から見えた。


「だ、誰……」

「僕だよ! カズだよ!」

「カズ……?」


 お晴が辺りを見回している。そして、自分と目を合わせた。


「カズ……、あなた、来てくれたの?」


 気づいたようだ。よかった……。

 カズは胸に手を当て、ほっと一息つこうとしたが、事態はそんな猶予を与えてくれなかった。


「カズ! 後ろ!」


 カズの背後から鋭い女の声が響く。カズは瞬間的に振り向いた。

 クナイがカズに向かって振り下ろされる。

 カズはすぐさま木刀を振った。


 金属を弾いた音が洞窟内に強く共鳴した。木刀がクナイをはじき、空中で高速回転する。そして、クナイは地面に突き刺さった。

 反射的だったから攻撃してきた者の確認はできなかった。だが、自分を襲おうとした奴は目の前にいた。

 目の前に立ちはだかる、短い黒髪の大男。

 身長は六尺ぐらい(二メートル)、巨大な体格でその眼はまるで鬼。あの鬼神きじん、宇羅を思わせるような姿だった。


「なかなかすばしっこいじゃないか」


 カズは目の前にいる大男を睨む。

 多分、この男がお晴をひどい目に遭わせたんだ。


「この女はお前のダチか。俺はこの女に用がある。ただそれだけよ」


 大男は懐から白い巾着袋を取り出す。巾着袋を上に軽く投げながら、


「小僧よ。この中に何が入っているかわかるか?」


 カズはずっと大男を睨んでいた。

 大男は不敵に笑う。


「そこの女が探していた〈尼の妙薬〉さ」


 予想は当たっていた。やはり、お晴は賭けに出ていたのだ。もう育ての親は助かる見込みはないから――。


「しかし、馬鹿な女だぜ。こんな何の意味もない粉を薬だと思い込みやがって」


 そう言って大男は巾着袋を宙に投げた。白い粉末が巾着袋から飛び出し、地面に飛び散る。さらに、大男はそれを巨大な足で踏み潰した。

 カズは唖然としていた。

 お晴にとっては最後の希望だっただろう。しかし、この男はお晴の希望を踏みにじったのだ。

 カズは心配してお晴を見る。彼女は弱々しい息ながらも、目の前の大男をぼーっとながめていた。目はうつろだった。

 多分、言葉を失っているのだ。いや、悲しみも、怒りもだ。感情というものが彼女から失われていた。


「てめぇ……」


 カズは大男をぎっと睨みつけた。カズから放たれた言葉はカズ自身でも信じられないほど、低く、重くどすが利いた声だった。腹の底から湧き上がる怒りが彼を動かしたのだ。


「お晴さんは助けたい人がいるんだ。てめぇ、何てことしてくれたんだ」


 大男は唾を吐いた。


「この女には用があると言ったろ。この女は俺が壊した村の生き残り。おれは全てを壊さないと気が済まねえんだ」


 壊した、だと? お晴の過去についてはこの前聞いたばかりだ。まさか、こついがお晴の生まれ故郷を壊滅させたというのか?


「てめぇ、いったい何者だよ」


 カズは腰に下げた木刀に手をやろうとした。

 怒りをあらわにするカズとは対照的に、大男はまるで赤子の手をひねる用にあざ笑った。


「俺の名? 俺は篠原佐茂しのはら さも。このあたりを根城にする盗賊さ」


 篠原佐茂。カズはその名前を深く胸に刻み込んだ。

 こいつのせいで、お晴さんは……。


 その時だった。


「カズ、そいつに手を出すな!!」


 また洞窟に響く女の鋭い声。


「何だ。この目障りな声は」


 佐茂が振り向く。その先にはクナイを両手に持った女。周囲には女にやられた盗賊たちが倒れていた。

 ひさめだった。


「そいつは危険な男だ! 手を出すな」


 ひさめは素早く佐茂を通り抜け、カズの隣についた。しかし、佐茂は彼女の姿をずっと注視しているようだった。


「おれはこいつを聞いたことがある。この男は通称〈破壊を好むケモノ〉この国の田舎を荒らしまわる破壊魔だ」

「ほんとなの?」

「ああ」


 ひさめが言っていた。この男は忍びから成り上がった元足軽。戦乱が多かった時代は気に入らない領主を誅殺したり、城に火を放ったりしていた。現在は盗賊に転身して目につけた村を略奪だけでなく、焼け野原になるまで壊滅させていた。

 こいつに狙われたら最後。生き残る者はいない。地方都市や農村では数ある盗賊の中でも特に恐れられる存在なのだ。


 一方、大男は目の前の盗賊を一人で倒した忍びを前にしてもひるむ様子すら見せなかった。


「また連れがいたのか。しかし一人で俺の連れを倒すとはな。ま、初めから使えない奴らだがな」


 ひさめがカズの前に出る。


「お晴やカズに手出しさせないぞ」


 カズも前に出たかった。

 しかし、ひさめが左手で制止した。


「そこをどけ。おれはこの女を始末しないと気が済まない」


 だがひさめは一歩も動こうとしない。両手を大きく広げてカズとお晴をかばうように。


 カズは必死にどうすればいいか思考を巡らせていた。

 やっぱり僕も戦うべきだ。後ろでお晴が震えている。お晴さんのためもある。

 カズはもう一度木刀を構え、ひさめの隣に出た。


「ひさめさん、僕も行くよ」


 カズは木刀を佐茂に向けた。


「カズ、お前は来るなって言ったろ!」


 ひさめは大声で怒鳴る。

 佐茂はまた唾を吐き捨てた。


「もともとお前らに俺を止めるなんてできねえ。この女もろともあの世に行きな」


 佐茂はクナイを振り上げる。

 来る――。

 カズがそう思ったその瞬間だった。


 いきなりカズは横腹に強い衝撃を受け、後方に吹っ飛ばされた。

 いててて……。

 カズはなんとか立ち上がろうとする。前を見ると、ひさめは佐茂のクナイを自分のそれで防いでいた。相手の攻撃をクナイで打ち払う。金属音が周囲にこだましていた。


「カズ! 手を出すんじゃねえ!! おまえはお晴を連れて逃げろ!!」

「でも!」

「でもじゃねえ!! 逃げないとお晴も助からないぞ!!!」


 ひさめは佐茂の攻撃を防ぎながらそう言い放った。


 カズははっとして、お晴を見た。彼女は弱々しい息でひさめと佐茂の戦いを見守っていた。いま、お晴をこの状態にしておくのは極めて危険だろう……。

 でも、自分としては戦いたかった。しかし、それが逆にお晴のためにならないのだとしたら――。


 カズは決意を固めた。カズはすぐに白い巾着を拾い、懐に入れた。幸い妙薬はまだ少しだけ残っている。


「お晴さん、行こう」

「カズ……」

「僕の背中につかまって」

「でも……」

「いいから」

「うん……」


 カズはお晴を背負い、外に向けて走り出した。

 だが、ケモノはカズたちを見逃していなかった。


「獲物は逃がすかよ」


 佐茂が巨体に似合わぬ速さでカズの目の前に立ちはだかった。目の前に、まるで立ちはだかる壁のような大男。


「その女を殺さねえと俺の気が済まないんでね」


 カズの両手はお晴を背負っており、動かせない。

 どうする。どうやって切り抜ける。でも考えている余裕はなかった。

 佐茂がクナイを右手に持ってゆっくりとにじり寄ってくる。

 しかし、佐茂の左手側はかがめば通り抜けられそうな隙間がある。

 なら――!!


 カズは佐茂の左の隙間に向かって突進した。

 お晴さん! 何かあったら本当にごめん!!

 一か八かの賭けだった。もう突っ込むしかない!


 うぐっ!


 カズは左足に激しい痛みを感じた。

 何かに刺された。一瞬よろめく。目もかすむ。

 だが、倒れるわけにはいかない。カズはそれでも右足で地面を強く蹴って走り出した。


 しかし、通りぬけるときに別の感じもあった。佐茂のうなり声も聞いたのだ。こちらも攻撃を受けた時の叫び声。


 でもそんなこと考えている暇はない。今はとにかく、外に向かって走れ!



 洞窟はすぐに脱出できた。ひさめが佐茂の仲間を始末していたからだ。

 カズはお晴を背負って夜の砂浜を走っていた。月がカズたちを照らす。周囲は真っ暗でも、月明かりがカズたちを導いてくれた。


 よろめきながらも必死で走る。カズの足袋に血が流れ込んでいる。どれだけ走ったかはわからないが、カズたちは西野津の漁村を走っていた。

 それでも走り続ける。


 目指す場所はひなの屋敷。



 ひなの屋敷。門は施錠されていた。

 カズはお晴を静かにおろすと、門を必死に叩いた。


「門番の方! 開けてください! 門番の方!」


 程なくして門が開いた。


「カズさんですね」


 門番の男が出てきた。だが、膝をついているカズを見て、門番は目を見開いたまま驚きを隠せないでいた。


「そ、その傷、どうされたのですか」


 彼はカズの足の傷を見て驚いている。足袋が血で赤く染まっている。

 ところが、彼はカズの隣で倒れている女を見てさらに驚いたようだ。彼女はぐったりとしていた。


「お、お晴様!」


 門番の目はカズに向けられた。


「お晴様に何があったのです!?」

「お晴さんは、これを探してました……」


 カズは息を切らせていた。しかしそれでも、懐からその巾着を取り出した。


「これは……」


 門番が目を丸くしている。


「〈尼の妙薬〉です……」


 力なくそう言う。

 カズの視界がかすんだ。目の前の門番がぼやける。同時に自分の意識も遠のき始める。意識が切れる寸前、門番の声が聞こえた気がした。


 ***


 そして、どれだけ眠っていたかは想像できない。目が覚めた時、もう昼だった。

 カズはうつろな目で周囲を見渡した。辺りは障子が張られた部屋。自分は今まで何をしていたんだろう。


 ふと自分の足を見る。

 包帯が何重にも巻かれていた。それで自分は何をしていたか、ようやく理解した。お晴を背負い、必死に逃げてきたのだ。

 そして、屋敷の前で……。


 そういえばひさめは……。


 あたりを見回していると、誰かがすすり泣く声が聞こえてきた。どこからだろう。

 カズは起き上がると、その部屋を出た。


 泣き声は昨日ひなが眠っていた部屋から聞こえた。障子を開けると、そこには見慣れた面々がいた。


 お晴も、ひさめも、門番もいた。

 ひさめも、門番も冥福を祈るように目を閉じていた。

 お晴は顔を両手でふさいで、しくしくとすすり泣いていた。彼女の温かい涙が両手の隙間から流れていた。

 温かい涙はぽたり、ぽたりともう動かなくなった育ての親の頬を濡らしていた。

 永い眠りについた育ての親。

 しかし、その顔は安らかで、優しそうで温かいものだった。



 ひなの葬式は身内とひなと関わりのあった村人だけで行われた。葬式はとても簡素なもので、式が終わると彼女は屋敷の裏に葬られた。彼女の魂はこれからもずっと西野津に眠り続ける。


 カズたちも葬式には参加したが、お晴には気を使った。彼女自身も大ケガをしていてまともに参加できなかった。ただ、式中はずっと泣いていた。


 カズたちが都に戻ったのはケガが完治した二十日後。すでに神無月も終わりに近づいていた。しかし、お晴は喪が明けるまで西野津に残った。ひなとの日々を忍びたいのだという。

 都に戻った翌日からカズは掃除屋を再開した。お晴がいない間、カズはひさめから様々な話を聞かされた。


 ひさめはカズたちを逃がした後も佐茂と戦っていた。佐茂はお晴に逃げられたとなっては戦う意味がないと吐き捨て、どこかに行ってしまったという。

 実はあの時、佐茂に攻撃したのはひさめだった。彼女のクナイが彼の肩を直撃していた。


 そしてあの〈尼の妙薬〉。あれはひなの病気には全く効果がなかった。お晴はそれを知ってたいそう落胆していたという。

 やっぱり伝説は伝説でしかないのか。カズは知る由もなかったが、知る必要もなかった。十数年後、南蛮医が西野津を訪れた。医者が〈尼の妙薬〉を調べたところ、どうやら鯨の耳骨が長い年月をかけて粉末になったものらしい。

 まあ、十数年後のカズはそれを知った時は大笑いしたそうだ。


 喪が明け、お晴も西野津から戻ってきた。少し日が経って、お晴の提案でひなの墓参りに行くことになった。


 持ち主のいなくなったひなの屋敷は荒れ放題だった。

 しかし、彼女が埋葬されたお墓は立派な墓石が建てられていた。


 お参りが済んだ後、お晴は空を眺めていた。

 空はとても青く澄んだ空だ。秋らしい青空だった。


「お母さん、元気にしてるかなあ……」

「してるよ。きっと」


 カズはお晴に歩み寄った。


「でも、本当に独りになっちゃった。元から私独りだったけど」


 お晴は下を向いた。よく見ると彼女の瞳に涙が浮かんでいた。


「ねえ、なんでこの掃除屋の名前を〈おなじみ〉ってしたのか知ってる?」


 お晴が涙ぐみながら言う。


「どうして?」


 カズたちがやっている掃除屋は〈おなじみ〉という名前だ。名前は名前でカズはそれほど意識していなかった。


「お母さんはみんなとの〈つながり〉を大事にしていきたいと思ってたの」


 つながり。

<つながり>を強くするために、お客や周りの人々との関係を大切にしなければならない。そんな思いがこの〈おなじみ〉には込められていた。

 それは育ての親の信念であり、またお晴の、いやこの掃除屋の座右の銘であった。


 お晴は持っていた手拭いで自分の涙を拭いた。


 何か言った方がいいだろうか。カズは必死で言葉を探していた。


 その時カズの脳裏にあの言葉が浮かんだ。


 ――私を一人にしないで


 でも、今はそうじゃない。カズは決心した。


「お晴さん。もともと君は独りじゃないよ」


 お晴に語りかける。彼女は顔をあげた。


「え?」

「ひさめさんも、喜平も、千鶴ちゃんも、みんないるじゃん。それに……」


 お晴が不思議そうな顔でこっちを見ている。


「僕も、いるからさ。これからも僕はずっといるから。お晴さんの傍にね」


 カズは決心したのだ。本気でお晴を守ると。


「カズ……」


 泣きそうな目でお晴はカズを見つめた。

 そして……。

 カズはいきなり自分の体が熱くなるのを感じた。よく見るとお晴はカズの背中に手を回していた。


「カズ……、ありがとう……」

「うん……」


 そしてカズもお晴の背中に手をまわした。

 ふたりはひとつになった。はじめて、ひとつになった。カズはお晴との見えない〈つながり〉を体いっぱいに感じていた。

(『尼の妙薬』一件落着)


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©ヒロ法師・いろは日誌2018

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