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生と死 2

作者: 世木 新


 だが、世界というものは広いもので、自殺する人も多い。死んだからって世界が変わるとは僕は思えない。時計の針は6時55分を指していた。もう赤い光も差し込まなくなった。

 僕はベッドから体を起こしリビングに向かうことにした。リビングにある本を読みたいからだ。本は読み手側に想像力を与えてくれる。僕は漫画やスポーツ雑誌よりも本が好きだ。


 リビングの本棚の前で何を読もうか考えていたが、外から警察の声がして、自然にさっきまで考えていた自殺のことを思い出した。


 大体人が自殺をするのは、自分の生活が苦しくなり、それに耐えられなくなるからだ。時計の長い針が少し進む。「自殺」は、自分を殺すという意味だと僕は思っている。

 それに、自分の生命を殺す以外にも当てはまるとも思っている。例えば、周りの人間に合わせるために自分の性格を変えてしまうことだ。針がまた少し進む。周りに合わせるためだけに、自分の性格を変え、にこにこと接するなんて、僕にはできない。いや、出来なかった。でも、それで良かったと思ってる。自分を殺さないですんだのだから。また、針が進む。

 なんてことを思ったけど、やはり僕は「殺す」という言葉は「命」を奪うのが一番あっていると思う。


「ただいま」

 疲れた顔の母が帰ってきた。一応「おかえり」とは返してみる。母はソファにドサリと座ってテレビをつけた。針が進む。テレビの中で天気予報のお姉さんが笑っていた。僕は母の隣に座ったが、音は出なかった。

「母さん、仕事お疲れ様。晩御飯どうする?」

 そう母に尋ねても母はテレビを見ていた。

 

 七時になった。

『先週、○○県✕✕市△町で中学三年生男子生徒の遺体が見つかった事件についてです。遺体は男子生徒の家の前で発見され、警察の調べでは自殺だとわかりました。また、男子生徒は学校の人間関係で不登校だったようです。』

死んでも、見える世界は変わらない。



読んで下さりありがとうございました。

1年前に書いた小説をあげてみました。  


なろうも執筆もまだまだ初心者ですが、頑張っていこうと思います。


感想を聞かせてくれると嬉しいです。

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