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現在の時刻は朝の6時です。アズゴッキーという黒い悪魔も消え、視界的に平和になったフィールドを見渡す。

……おっと、ヒヨッコがアズゴッキーを咀嚼しているようだ。見なければよかった。運営はなにを考えてヤツを登場させたのか。鬼かよ。



北門からフィールドに出て、ひたすら真っ直ぐ歩く。前方から帰ってきてる奴等は徹夜組だろう。森は特にヤツが多いのによく行ったな。お疲れ様と言えばいいだろうか?まぁ、挨拶されたところで困るからスルーするんだが。

コミュ障というわけではないが、無名が徹夜組と会話すると二分の一の確率で喧嘩腰になられる。まぁ、これはどっかのプレイヤーが呟いてた嘘か本当かわからない話だが。

徹夜組もこちらに挨拶することなく、というか見向きもせずに横を通りすぎていく。よし。



「お……?」



森で見た石像が、と思ったがかなり風化していてパッと見た感じではわからなくなっている。だから掲示板では出現条件不明だったのかと納得。

ゾンビアタックしていた件のプレイヤーはかなりいけどんな人間の様で、飛んだり跳ねたりは普通にやっているらしい。まぁ、跳び箱を飛ぶようにこの石像を跨いだのだろうと推測。じゃあ自分は、石像に触れるだけにしておこう。



≪第一ゾーン中ボス(1/2)との戦闘が開始します≫



背後から咆哮。振り向けばグレーのオオカミ。ただしウルフと違い、軽自動車ほどの大きさをしている。なるほど、初見でこれはキツいな。



[グランウルフ【昼】]

種族:ウルフ

レベル:20

スキル:咆哮 ひっかき 噛みつき すなかけ ひきちぎり



鑑定をするとこう出た。レベル20か……今レベル9なんだがいけるだろうか?



≪ソロプレイヤー10回限定ボーナスを開始します≫

≪レベル10以下のためサポートモンスターがランダムで出現します≫

≪サポートモンスターが決定しました≫

≪ヒヨッコ・ハイ【韋駄天】が10分間のみ陽動行動をします≫



えっ?なんだそれはと思った瞬間に目の前に魔法陣が現れ、ヒヨッコが出現する。ただし通常の個体と違い、赤いアホ毛が頭のてっぺんに生えていた。



「ぴょ!」



ヒヨッコ・ハイは小さいながらも胸を張り、グランウルフの視線を奪っていった。

え、胸を張っただけでタゲとるとかどんなスキルだよ。


気にしない方がいい。というか気にしていたら確実に死ぬ。それはいただけないのでヒヨッコ・ハイに気をとられているグランウルフを見据え、とりあえず機動力を削ごうと死角へと移動してそこから攻撃を開始する。



「ぎゃいん!」



いつも通り、脚の付け根。四足歩行のモンスターはここがクリティカルなのは確定だろうか?今回もクリティカルだったようだ。

一瞬の停止にすかさず反対の脚の付け根も攻撃。崩れ落ちたグランウルフに一閃。とどめをさす。にしてもモンスターには体力のバーがあるのに生命的な急所にあたれば一発で倒れる。……はじめの方だからか?



≪第一ゾーンエリアボス(1/2)が倒されました≫

≪第一ゾーンエリアボス(2/2)が解放されます≫

≪ワールドインフォとしてこの情報を流しますが名前の公表をしますか?yes/no≫



yesと。普通ならしないをえらぶところだがあえて晒しておこうと思う。人の反応も見たいし。チートだとかバグじゃないかとかね。遠慮はいらないからスレで色々叩いて欲しいね。あ、ドMとかそういう性癖ではない。別に。



≪只今の戦闘に勝利しました≫

≪クラメアのレベルが上がりました≫

≪【召喚魔法】のレベルが上がりました≫

≪【刀術】のレベルが上がりました≫

≪【回避上昇】のレベルが上がりました≫

≪【鑑定】のレベルが上がりました≫

≪【気配感知】のレベルが上がりました≫

≪【見切り】のレベルが上がりました≫

≪クラメアのレベルが上がりました≫

≪【召喚魔法】のレベルが上がりました≫

≪【刀術】のレベルが上がりました≫

≪【回避上昇】のレベルが上がりました≫

≪【気配感知】のレベルが上がりました≫

≪【見切り】のレベルが上がりました≫

≪クラメアのレベルが上がりました≫

≪【召喚魔法】のレベルが上がりました≫

≪【刀術】のレベルが上がりました≫

≪【回避上昇】のレベルが上がりました≫

≪【気配感知】のレベルが上がりました≫

≪【見切り】のレベルが上がりました≫

≪クラメアのレベルが上がりました≫

≪【召喚魔法】のレベルが上がりました≫

≪【刀術】のレベルが上がりました≫

≪クラメアのレベルが上がりました≫

≪【召喚魔法】のレベルが上がりました≫

≪【刀術】のレベルが上がりました≫

≪ステータスを確認しますか?yes/no≫



長い長い。これは確認が面倒だ。ステータスは以下の通り。



クラメア Lv14 下位召喚魔法師

【ステータス】

功    16

魔    22

体    18

心    19

器    20

速    20

(ジョブ)スキル】

召喚魔法Lv14

【攻撃スキル】

刀術Lv10

【魔法スキル】

風魔法Lv2

炎魔法Lv3

氷魔法Lv1

空魔法Lv1

【補助スキル】

回避力上昇Lv8

鑑定Lv3

再生強化Lv1

気配感知Lv6

忍び足Lv1

見切りLv6

【特殊スキル】

幸運

直感

【称号】

異界の旅人


残スキルポイント:23



やっぱりというか、再生強化は上がらないな。完全に死蔵スキルだ。逆に刀術は順調、と。自分のレベルとの誤差は魔法の使用分だろう。


……で、だが。まだヒヨッコ・ハイがいるんだが帰還しないんだろうか。ふわふわと軽く飛びながらヒヨッコ・ハイはこちらを見ている。




≪ヒヨッコ・ハイ【韋駄天】に認められました。次のボーナスの際もヒヨッコ・ハイ【韋駄天】がサポートとしてきてくれます≫



ぴよ、と首を傾げながら鳴いたヒヨッコ・ハイはそのまま一瞬で帰還した。……他のサポートも気になるから来なくてもいいんだが。なんてことは胸の奥にしまいつつ、新たに石像付近に浮かび上がった文字を見る。



''reverse it''


英和で検索するなら、それを逆転させよとかそこらへんだろう。まぁ、とりあえず森の石像のところへ戻れってことか。夜に。

夜の予定は決まったのでそれまではレベル上げ、夕方の間にショトレに戻っていらないアイテムを売ろう。



2日目なのだがぱらぱらとプレイヤーが露店を出している。……ってはやくない?β陣はまだのはずだけど?

然り気無く並んでいる商品を見つつ通りすぎてみたが、商品自体は低品質で安いものだった。うん、まぁ、はじめてなら仕方ないね。自分でやってみたら同じ結果になるだろうし。


ショトレの冒険者ギルドの中に入る。いかにもファンタジー世界な内観に微妙に呆れつつも、買取りと書かれた札の下がっているカウンターで買取りを頼む。数が数だったため所持金が十万超え。序盤にしては金持ちなんじゃないか?

因みにプレイヤーはギルドにはショトレに入った時点で強制的にギルドに加入させられているらしいので登録云々はない。PKをすればギルドから登録が抹消させられるらしいが。


ギルドを出て再びプレイヤーが露店を出している通りへ。基本的に目立つところを陣取ってるプレイヤーはVRに慣れてる人だろうからあえて端の方へと向かってみる。



「こんばんは」


「!こんばんは!いらっしゃいませ!」



隅っこの方でひっそり体育座りしていた水色の髪の少年に話かける。売ってる商品を見る限り、鍛冶師の様だ。ほそっこいのに力持ちっていうギャップ狙いだったりする?……どうでもいいか。

並んでいる商品を見回す。あ、少年の足元にある丁度自分の腕の長さ程の刀。あれがいいかな。



「刀くれるかな」


「せっ、1000クロルです」


「1000?安いけど、良いのかな?」


「今のところ1000を安いと言えるプレイヤーは20人もいないと思いますよ……?」



困惑したような少年に思わず苦笑する。そうか。自分の様に延々と狩りをしていたのは一握りか。攻撃くらえば回復しないといけないもんな。パーティー組んでたら回避もし辛いだろう。



「あ、鞘の色変えられますけどどうします?」


「黒のままで構わないよ」



少年から刀を受け取って………………おーい、手を放してくれないかな。

何故か深刻そうな顔をしている少年。なにがしたいのかわかんないな。うーん……



「自分はクラメアといいます。フレンド登録、しませんか?」


「!」



目を輝かせた少年に苦笑する。自分から言い出せなかったのか。行動には出てたけど。コミュニケーションとるのが苦手なんだな。



「ネームは?」


「や、ヤガラといいます!」


「ヤガラ?魚のからとったの?」


「はい!好物です!」



普通に暮らしてたら海近辺に住んでるとかわざわざ食べに行く以外じゃヤガラなんて食べないよな……値段そこそこ高いし。良いとこの坊っちゃんかな?まぁ、現実(リアル)の詮索はしないけど。予想という名の妄想ならしちゃいますがね。

とりあえずフレンド登録を、って、はじめてだからやり方わかんないな。



「ヤガラはフレンド登録の仕方わかる?」


「?はい」


「フレンドはヤガラがはじめてだからやり方がわからない。教えてもらってもいい?」



勿論!と嬉しそうにするヤガラ。弟に欲しい。

フレンド登録を済ませ、なにか用があったらでも、パーティー誘うのでも良いから気軽に連絡していいからねと伝えておく。多分自分からは武器関係の用がないとしないから。



「………………あれ?」


「どうした?」


「クラメア、……クラメア?さっき、ワールドインフォで……!?」



驚いた顔をしたヤガラに苦笑。続いて目を輝かせたのにほっこり。うーん、癒しだ。男なのに可愛い。

ワールドインフォもヤガラの反応を見る限り面白い反応がみれそう。ログアウトしたら掲示板見よう。



「あ、そろそろ行くね」


「引き留めちゃってすみません……」


「いやいや、楽しかったよ。ゲーム内でプレイヤーと会話したのはじめてだし。……じゃ、またね」


「はい!また!」



最早犬に見えるヤガラを後に、再びフィールドへ戻る。さーて、夜の狼狩りをしましょうかね。



…………………………まずはアズゴッキーの処理が先だけど。





運営ログ

*60607

時刻が06:00になりました

称号【yesロリータ、noタッチ】を確認しました

スレ【ぬっころ】称号について3【運営】を確認しました

称号【エリートニート】を確認しました

スレ【特攻せよ!】モンスターウォッチ4【特攻せよ!】を確認しました

第一ゾーン中ボス(1/2)がクラメアによって倒されました

スレ【はやすぎ】雑談スレ14【中ボス】を確認しました

スレ【キチガイなのか】雑談スレ15【チートなのか】を確認しました

時刻が12:00になりました


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