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はるかかなたのエクソダス  作者: 風庭悠
第1章:見えざる鎖~護衛体技(ガード・アーツ)品評会編
3/42

第3話 傘を使う格闘技は、お子様が真似をする危険があるためアニメ化は困難である件

 さて、ここで、今までさんざん話題にしておきながら全く放置してきた「護衛体技ガード・アーツ」について簡単に説明しておこう。

 

 これは組手を基本とした格闘術・護衛術・逮捕術であり、用いる武器は最小限である。 ナイフ、警棒、手錠、スタンガンこれが基本で、最近では防弾仕様が施された護衛傘テクニカル・アンブレラ、TUと略されることが多い、を使うのが一般的だ。

 

 というのも、奴隷は刃渡り20cm以上のナイフや拳銃の所持や携行が禁止されているからだ。アマレク人の競技者もいるが、そちらは銃を中心にした競技となる。元々要人警護や施設警備の訓練のため、また技術の向上のために競技スタイルにされてきたが、スポーツ競技としても娯楽性が高いため、この国では人気が高い。

 

 この競技は一チーム5人で行われる。通常試合は5ゲーム行われ、3ゲーム先取で勝利となる。ゲームの形式はいくつかの形式がある。ルールブックから引用しよう。


①「1on1」

 これは一人の刺客アタッカーから被保護者クライアントを守ります。クライアントを5分守り切るか暴漢をを逮捕すればディフェンスの勝ち。クライアントの急所につけられた電極をつぶして死亡判定を取れればオフェンスの勝ちです。大会によって攻守ある時と、ディフェンスのみの時があります。


②「3on3」

 これは3人のアタッカーから3人でクライアントを護衛します。ルールは「1on1」と一緒ですが、フォーメーションとTUの使い方が勝敗を分けるカギとなるでしょう。


③「強襲アサルト」 

拉致されたクライアントを奪還する、という設定で五対五で攻防を行います。まったく同じ間取りの建造物を二つ使い、ステージにして攻守行われます。トラップなどは守備側が自分たちでしかけることも可能です。一番人気の種目ですが、準備に手間と費用がかかるため、大会では二日目の準決勝種目と定められています。


④「狙撃阻止スナイパーハンター

遠距離射撃や、人間爆弾、自動車爆弾といったテロ攻撃から要人を護衛するゲームで、シュミレーターで行います。最初の30分で7つの狙撃地点を看破し、封鎖したり人員を派遣させます。また、テロリストの直接攻撃が一度あり、対応能力を競います。

 

 1回戦は1on1。準決勝はアサルトと決まっていますが、他は大会運営が予算や日程を見て設定します。

  

 当然ながら警備は一発勝負が基本なので、リーグ戦はなく、トーナメント戦オンリーなのである。

 

 この競技であらゆる事態を想定して護衛能力を高めることを目的としている。個人の知力・体力・判断力・精神力に加えてチームの協調性やリーダーの統率力が問われるかなりシビアな競技なのだ。


「聖バテスト」は女子校なのでアマレク人が出場する「競技会」には参加できないのだ。お嬢様学校だから、みな護衛される側だからだ。俺たち奴隷が出場するのは「品評会」である。奴隷が競技会に参加することはを禁じられているわけではないが、慣例として参加を受け付けていない。まあ参加したところで、こちらが銃を使えないため勝負にならないのである。


「先生、良い知らせって何ですか?」

俺たちはドヤ顔の上、もったいをつける調教師トレーナーに内心いらっとしながら丁重に尋ねる。


「君たち労務者(奴隷の法的な正式名称)に「競技会」出場のチャンスが与えられたのだ。」


俺たちは顔を見合わせた。


自ブログ「風庭悠のSF(少し変わったファンタジー)はいかが?」にて先行連載中。こちらにも遊びに来てくださいね。

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