7/15
森へ
ダンは鍵を使い古い扉を開けた。
その先には深い森があった。
ナーシャは、その森の放つ邪気にめまいを起こした。
倒れそうになったナーシャをダンがしっかりと受けとめた。
たくましい腕にかかえられ、ナーシャは顔を赤らめ、ダンの
「大丈夫か?」
の問いに
「ごめんなさい。」
と一言返すのが精一杯だった。
ダンに支えられながら、ナーシャは深い森を見つめた。その奥には確かに魔物の気配がした。
ダンはナーシャの細い肩を支えながら、
「ナーシャ様、朝を待つ時間がない。森へ入るが俺が必ず守るから、俺の後ろからついてきてくれ。」
ナーシャは、
「ダンを信じています。頑張ってついていきます。」
ダンは、
「では行くぞ。」
2人は森へ入っていった。