怪しい石
キュウは早速、石の解析をはじめた。
ダンは、不安げなナーシャのところに行くと、ナーシャがしがみついて、
「怪我はない?私を1人にしないで!次は一緒に戦うから!」
ダンは、
「大丈夫だ。だが戦いに連れて行くわけにはいかない。俺は負けない。必ずナーシャのもとへ帰るから。」
ナーシャは、
「ダン、約束よ。必ず私のもとへ。」
ダンは、
「さあ、タリス共和国のエアポートに向かおう。」
するとキュウが、
「ちょっと待って!石の解析が終わった。これは人が作ったものだよ。しかも、人体に埋め込むようにできてる。さっきのデーモン野郎は普通の人間だったんだよ。実験体だったのさ。
たぶん、コントロールできずに放置されたんだ。」
ダンは、
「持っているのも危険なのか?石はヴァイラス帝国のものか?」
キュウは、
「波動で居場所がわかる仕組みだから、持っているのは危険だね。ヴァイラス帝国のものに間違いないよ。刻印がある。」
ダンは、
「石を捨てに行く。タリス共和国にいることをさとられたくない。引き返して、紅の海に捨てよう。ザイケン、頼む。」
ザイケンは、
「はいはーい。紅の海のど真ん中まで引き返すよ。」
ダンは、
「高速で頼むぞ。石が光りだした。」
エアシューターは最高速度で紅の海に引き返し、甲板から海の一番深い部分に投げ込んだ。