メイド喫茶とみなもと秀久
リクエスト依頼のおはなしです☆
ここはとあるメイド喫茶でみなもはここで働いていた。
なぜ、ここで働いているかというと。
「いや~、みなもが来てくれて本当に助かったよ♪」
「朋美さんの頼みですから、今回は特別ですよ?」
本当に感謝している様子のメイド服に身を包んだ女性が言うとみなもは笑顔で告げた。
そう、日野朋美という名前の女性の頼みでメイド服に身を包んでいるみなも。
実を言うと彼女と偶然デートの最中に出会ったことで働くことになったのだ。
初めは普通だったのだが、困っているという会話になった途端になにかできることはないかとみなもが聞いたのだ。
困っている人をほおってはおけないたちだから仕方ないといえばそれまでだ。
まあ、そんなわけでみなもは現在、メイド喫茶で働くことになった。
「お帰りなさいませ、旦那さま♪」
「お、お帰りなしゃいませ、旦那しゃまっ!」
来店する客達にみなもと朋美が笑顔で接客している。
途中でかみかみではあるが、それはそれで人気をよぶことに。
ちなみにみなもが働いていることは秀久もとうに知っていることである。
でるところは出ていてひっこんでいるところは引っ込んでいるスタイル抜群なみなも。
そんな彼女に客たちはすぐさま注文を聞いてもらうために呼んでいる。
「…………(むっす~」
「おやおや、みなもの旦那さんじゃないかい。 もしかして気になってきたってところかな?」
「べ、別にそんなんじゃない」
その様子を見ていた秀久はしかめっ面でつまらなそうにしているのがわかる。
朋美が代わりに出迎えると秀久がすねたままでそう答える。
「ふ~ん。 あ、みなも。 こっちの旦那様をご案内してあげて」
「はい、わかりました~!」
朋美はそれを聞いて納得したようなそうでないような感じで相槌をうつと忙しそうに動いている彼女に声をかけた。
みなもは即答するとぱたぱたと秀久の方へと向かって来た。
「あれ、ヒーくん? あ、えっと……秀久しゃん? それとも旦那しゃま?」
秀久を見てきょとんとしつつつぶやくと、言い直すためにつぶやいているみなも。
考える仕草がなお可愛らしく秀久に嫉妬の視線が集まるのはもういつものことである。
まあ、そんな彼女が可愛くて秀久の顔に赤みがますのもいつものことだ。
「と、とりあえず案内してくれるか?」
「あ、うん! こっちだよ」
秀久がそう言うとみなもは笑顔で頷いて秀久を席へと案内する。
「ご注文が決まりましたらスイッチを押してくださいね♪」
そう言うとみなもは踵を返して他の客の方へとむかう。
その様子を恨めしそうに眺める秀久。
「ご注文はお決まりですか?」
「は、はい///! こ、このおすすめを」
みなもが笑顔で問いかけると男性客は顔を赤くしてメニュー表をみずに注文してしまう。
それを見てみなもは目をぱちくりさせる。
「このメニューは高いですけど、いいんですか?」
「え、あ、そうなんですか。 ま、間違えました。 こっちで」
みなもの気遣いに慌ててメニューをみて言い直す男性客。
秀久はイライラしながらその様子を見ていたというのもあるが自分もしてもらいたいという願望があった。
「み「メイドさーん、こっち~」」
「はーい!」
意を決して注文しようとすると他の客が言葉をかぶせて邪魔になる。
聞こえたほうにみなもは急いでむかう。
今度こそはと思って声をかけようとしても邪魔される。
そんなことがなんどもあり、秀久の苛立ちはかなりきていた。
「ヒーくん、はい。 これはわたしのおごりだよ」
「え? いい、のか?」
みなもがケーキを持って近寄ると目を丸くする秀久。
みなもは朋美の方をみると彼女は笑顔で手を振る。
「いいみたいだから、遠慮しなくていいよ? ごめんね、忙しくてここに注文とりにいけなくて」
「べ、別にいいよ」
みなもは朋美の承諾を得たといわんばかりに笑みを見せてからすぐに謝罪する。
秀久はそっぽ向きながらそう言うとケーキを食べる。
「…………美味い」
「よかった、それ。 私が作ったんだよ? ヒーくん、甘いの好きだしね」
感想を言うと嬉しそうにみなもは笑った。
見とれそうなほど綺麗な笑顔に秀久の顔に赤みがます。
「もぐもぐ…………終わるまで待ってるから」
「え、いいの? ヒーくんだって忙しいんじゃ」
秀久がケーキを食べつつそう告げるとみなもは目を丸くして不安そうに見つめる。
「いい。 だから、終わったら声をかけろよ」
「! うん! ありがとう、ヒーくん!」
秀久の即答にますます笑顔になるみなもはお礼を言うとそのまま厨房に向かった。
不快なぶんもあったが、秀久はみなもの笑顔を見れただけでよしとしようと思うことにしていた。
まあ、途中で前言撤回するかもしれないな~と思いつつも。
ほかにもリクエストありますかね?




