エリザさんの思いつき
洋館の庭で真っ白い雪のような髪をもつ女性―――エリザ。
澪次と深紅の義母として彼女らを支えている。
そんな彼女は暑さで弱っており、団扇で仰いでいた。
「暑いわね~……。 なんかこう面白いことないかしら? たとえば、すぐに涼しくなるような何か!」
誰もいない場所でそうつぶやくエリザ。
今はメイドも出払っていて、彼女だけの時間である。
「うーん……なにかないかしら? ……そうだわ! お化け屋敷なるものをすれば涼しくなるかも!」
悩みながら、手を叩いて思いついた案をつぶやいた。
「いやいや、なるかもしれんけど。 そないなこと誰も参加しーひんって」
「でも、少しでも涼しくなるようにエリザさんが考えてくれているんだからいいんじゃないかな」
「自分も楽しみたいからじゃないの?」
近くで聞いていた深紅が苦笑し、澪次はにこにこ笑顔を浮かべている。
レイナはエリザが楽しみたいだけではないかと言うと沈黙がみちる。
ありえそうだからこその沈黙だと思われる。
「あら、レイナちゃんはわかってるわね~♪」
「ところでおかん、本気で考えとるん?」
近寄りながらエリザが言うと深紅は首をかしげて問いかける。
「もちろん! だって澪次くんも辛そうだし、ここは涼しくなるかもしれない案を実行すべきなのよ!」
「エリザさん、そこまで考えてくれているんだ」
エリザはやる気満々でそう言うと嬉しそうに微笑む澪次。
深紅もレイナもそのあたりは嬉しく思っていた。
「やでやで!」
「あらあら、みっくーちゃんもやる気満々ね☆ これは是非するべきね!」
みっくーが澪次の膝の上で鳴くとそれを見てふんわりと笑うエリザ。
「でも、怖いものが苦手な連中もいると思うからそうは集まらないと思うんやけど」
「ああ、そうだね。 ひばりちゃんやつぐみちゃんやみなもちゃんや白姫ちゃんがそうだよね」
深紅がエリザを眺めつつそう言うと澪次も怖いものが苦手な連中を思い浮かべる。
「それはパートナーに支えてもらうことにするわ! 組み合わせは男女で交互にしようと思うから!」
「へ~、それは面白そうだね」
エリザはにこにこ笑顔でそう言うとレイナも楽しそうに笑みを浮かべている。
「どうせなら盛大に盛り上げて楽しい思い出にしないとね☆」
と、そう言いながらウィンクするエリザ。
「で、開催場所はどうするの?」
「ここの近くの森にしようかと思うわ!」
「まあ、そこなら隠れる場所もあるから大丈夫だろうけどね」
レイナがアイスを食べながら問いかけるとエリザは拳を握りしめてそう告げる
澪次は苦笑を浮かべつつそう言った。
「うーん、怖がりがいる中でこういうことしてえェんか悩みどころやな」
「まあ、そこはフォローをいれつつするしかないよ」
深紅は怖がり組がいることを知っているのでなかなか賛成できかねないでいる。
澪次が近寄りながら深紅にそう告げる。
「まあ、あんまり恐怖を感じないものに……ってそれじゃあ意味ないんか。 うーん」
深紅は案を思い浮かべるがそれはちょっと難題かと思い考え直す。
リクエストお待ちしておりますよ~




