誤解される関係
「澪次は流牙とがいいんだろ」
「ヒーくんが拗ねてる」
ぶす~とすねている秀久を見てみなもがつぶやいた。
「傍から聞いたらとんでもない発言になるんとちゃうか、これ」
「うん、腐女子の子ならスクープだ!とか言って書き上げてそう」
深紅と澪次はすねている秀久を見て言う。
現に彼の言葉が掻き立てるなにかなようで作成している同人部がいる。
「ふん、ガキみたいにすねていてもなにも好転せんぞ、上狼秀久」
「なにお! もとはいえば澪次と歩いているお前が悪いんじゃねーか!」
「ちょ、秀久も流牙も落ち着いて! てか、なんで僕のことでこうなるの」
あざ笑う流牙にくってかかる秀久。
こうなるまえにパイをぶつけようとして返り討ちにあったことがある。
みなもが慌てて顔中のパイをティッシュで取り除いてやっていたが。
「わう~」
「みぃ~」
しゅうやんとみぃちゃんは仲良く読書しているようだ。
「ピリピリしテいタらメっデすヨ☆」
「ちょ、いきなり抱きつくな!?」
背中から乗りかかられて慌てている秀久。
女性の免疫がないというというのもあり赤くなるのも早い。
「そうだよ、秀久! 兄さんとそんな関係だなんて知らなかったけどさ。
もう少し周りの異性に目を向けた方がいいと思うよ」
「な、なんのことだよおおおお!!?」
レイナも明香と同様に乗りかかっている。
ますます顔が赤くなる秀久を見て深紅はカメラで激写してみた。
「ふん、異性に抱きつかれた程度でそのていたらくとは」
「まあまあ、流牙にはボクがいるじゃない」
文句を言う流牙にもたれている響。
背中に大きな果実があたっているが彼は気にしているようには見えない。
「そうだ! 友達から聞いたんだけど、男爵家なの3人とも」
「レイナちゃん、いくらなんでもそれはありえないと思うよ」
「き、きちんと異性に興味くらいあると想いまひゅ」
レイナは思い出したように言うとつぐみとみなもは苦笑を浮かべている。
「でも、兄さんが秋獅子くんと歩いているだけでヤキモチやいてるし」
「友達をとられて面白くないからってことも」
「澪次くんには深紅ちゃんがいるし、ヒデくんにはみなもちゃんとレイナちゃん達がいるし、秋獅子くんには響ちゃんがいるからないと想いたいんだけどなぁ
わたしはヒデくんにとっては妹分でしかないみたいだけどね~」
レイナの言葉にみなもはフォローするつもりで言い、つぐみはあてはまるカップリングを思い浮かべている。
じと目で秀久を睨むのはつぐみ自身も面白くないからかもしれない。
「???」
「明香ちゃんはまだ純粋でいてね」
「お前らはいい加減俺から離れろよ!?」
明香だけはなんのことなのか理解できずにレイナと一緒に秀久に乗りかかる。
秀久の顔は赤く、二人の異性である証を感じずにはいられないようだ。
「深紅、誤解しないでね。 あくまでお僕らは友人なだけだから」
「わっちはわかっとるけど、それでもやるせない気分になるんよなぁ。
デートしてれたら晴れるかもしれひんな☆」
澪次は深紅を見つめて注意するように言うと深紅は笑みを浮かべつつそうつげた。
彼女達や彼らがどうこう言う前にすでに作られていることはいわずともわかることだ。
そう、三つ巴としての作品として。もちろん内容は澪次と秀久と流牙の三人である。




