暑いので
「よしっと、それにしてもよくこんなに大きいのあったよね」
「おかんの手作りやもしれひんわ」
ビニールプールを出しながらしゃべる澪次と深紅。
今回は暑いのでぷちたちを集めてプール日和にするつもりだったようである。
「みゅ~♪ないない~♪」
「やで~♪」
「ひよ~♪」
「の~♪」
「なぁ~♪」
「みぃ~♪」
「あきかっか♪」
「くじゅ~♪」
スクール水着にワッペンといういでたちのぷちたち。
中にはビキニを着ているぷちもいたりするが。
「さあ、ぷちちゃん達。いっぱい楽しんでね♪」
と、にこにこ笑顔でその様子を見つめているエリザ。
深紅にとっても澪次にとっても義母のように慕う女性である。
「まあ、エリザさんが楽しそうだからいいんじゃないかな」
「そうやね、かなり楽しそうやし」
と、深紅と澪次は笑みを浮かべていた。
ぷち達が怪我をしないように監視するためにサングラスをつける二人。
「やはり、かき氷もかかせないよね!」
「どこからとってきたんや」
「レイナ、いきなりすぎるよ」
レイナが深紅にもたれて言うと呆れたように見つめる。
それでも彼女の頭を撫でる手はやすめない。
澪次も呆れているようで苦笑を浮かべている。
「まあ、レイナらしいちゃらしいんやけどな」
「あはは(汗」
深紅とひばりはその様子を見て苦笑を浮かべる。
「ぷちちゃん達、とっても可愛いわ~♪」
エリザはカメラを片手に写真を撮るのに熱中しているようだ。
「こう、暑いとさそうめんもほしくなるよな」
「そうそう、流しそうめんしたくなるよね」
龍星がそう言うとつぐみも頷きながら言う。
暑さ対策には冷たい食べ物と冷やしたもの系が大事である。
「こんなに暑いのに元気いっぱいだな、ぷち達は☆」
「そうだね、見ていて癒されるよね」
綾香と鷹久はかき氷を手にぷちたちの楽しんでいるすがたを見ている。
『へっへっへっ』
「ルイセ、大丈夫?」
レイナのそばで寝そべてベロをだして暑そうにしているルイセ。
そんな彼女を冷やそうとアイスノンを載せてあげている。
「そうや、麦茶あるからみんなで飲もうや。 冷えとるし」
そう言いながら深紅は屋敷にもどるが、メイドさんたちと一緒に戻ってきた。
すでに準備されていたようでそれを持ちながら戻ってくる深紅。
「澪次様、みなさまどうぞ」
そう言いながら恭しく礼をするメイドのひとり。
他のメイドもうやうやしく礼をしてからひばり達に麦茶を配る。
礼をいいながらひばりたちは受け取る冷えた麦茶を飲む。
「うん、美味しいね」
「澪次様や深紅お嬢様に比べたらまだまだですがね」
笑みを浮かべる澪次に礼をしながらメイドのひとりはそう言って一歩下がる。
他のメイドもさがり、屋敷へと戻っていく。
「ないない~♪」
「うわ、冷たいよ。 つぐぴょん(汗」
足にくっついたつぐぴょんを抱き上げてタオルで包み込むつぐみ。
「かっか~♪」
「……!?(わ、水鉄砲!?)」
せりかさんの水鉄砲が顔にあたり、驚く芹香。
「このままじゃみんな濡れちゃうかもね~♪」
「そういいながら水鉄砲に準備してるんはなんでや」
にこにこ笑顔のレイナを見て苦笑しながら見つめる深紅。
テヘっとベロをだしながら水鉄砲を向けるレイナ。
深紅は咄嗟によけると秀久とみなもに直撃する。
「「わぷ!?」」
「「あ」」
驚きの声をあげるみなもと秀久。
それを見てまずい、という顔をするレイナと困った顔をする深紅。
髪も服も水でびしょびしょのようだ。
「レイナ、てめえ!」
「ちょ、メイドさん、さりげなく渡しちゃ駄目じゃん!? つめた!」
秀久はさりげなく水鉄砲を渡されて受け取るとレイナに向けて放つとレイナも当たる。
「自業自得、かな?」
「そうやね。 なあなあ、わっちらもしよーや」
と、澪次がつぶやくと深紅が水鉄砲を見せて笑う。
「お、なら俺も参加させてくれよ」
「光一くんもやな、じゃあ。 あっちの建物に行こうで! サバイバルチックな建物になっとるさかい」
光一が話にくいつくと深紅はそう言って澪次の背中を押しながら光一と歩いていく。
『きゃきゃきゃ♪』
ぱしゃぱしゃと水しぶきを立てて楽しそうに笑うぷち達。
「ふんぬぅ!」
ぷちたちが怪我しないように見守るお気遣いぷち紳士りゅーさん。
「くじゅー!」
みてみて~と氷でつくった氷像を見せるくじゅー。
どこをどうやったら作れるのだろうかと流牙と響が思ったのは言うまでもない。
と、ここで流牙に秀久の水鉄砲があたる。
「ぶ! ……上狼秀久。 貴様」
「そんなに熱くなるなよ、冷えるか?」
こめかみに怒りマークがうかぶ流牙をみても気圧されない秀久。
そんな彼にもすっとメイドから水鉄砲を受け取り、それを構えて秀久に向けて放つ。
秀久は避ける間もなくあたり、こちらも怒りマークが浮かび、二人で撃ち合いに発展。
「ありゃりゃ、二人でやりだしたよ」
「大丈夫、レイナちゃん」
びしょびしょなレイナにタオルをもって近寄るつぐみ。
タオルを受け取りながら平気平気と笑うレイナ。
服もすけているのでメイドが着替えの服を差し出してきた。
「あきかっか!」
と、ここであきかさんが出てきてレイナをふろしきで覆う。
そして次にふろしきをとると濡れた服装じゃなくなっていた。
なんともすばやいはや着替えである。




