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巫女カフェ

リクエストにお答えしての会です!

「いらっしゃいませ~♪ 祈祷ですか?おみくじですか?」


水色の長い髪を二つまとめにしている少女―――深紅は笑顔で接客していた。

巫女服を着てたが……。


「一名さま、ご案内しまーす!」


そこには小柄な体型に大人の部分をもつちみっこい少女もいた。

忙しそうに動いて案内しているのだが、入る人達がその光景を見て和んでいるのは内緒だ。


「やー、今日も繁盛してるね~♪」

「店長、これくらい繁盛せんとなりたちまへんって!」


にこにこ笑顔で店内を見渡す女店長に深紅が呆れながら声をかける。

たまにこういうところでアルイバイトをするのが深紅だったりする。

ちなみにつぐみはいつも巻き添えだが。


「もう! どうしていつもいつも巻き込まれちゃうの!」


つぐみはそう言いながら接客をしていく。


「まあまあ、こういうのも貴重だとボクは思うよ♪」

「ソーでス! コれモ楽しイでスし♪」


響と明香は笑顔で巫女服姿のまま給仕をしている。

 かなり楽しげなのはこの二人だからだろう。


「綺麗どころがたくさんなのはいいんだけど、なにか足りないのよね」

「あ、店長もそう思うたんやな」


店内を見渡しつつ、つぶやく店長に近寄ると深紅はそう言った。

 そんな会話しているとひとりの中学生くらいの少年が入ってきた。


「え、あれ? なんで神埼さん達が?」

「深紅ちゃん、捕獲よ!」

「らじゃーや!」


それを見た店長が指示をだすと深紅は縄でつっ立っている少年を縛り、更衣室の方へと連れて行く。

 悲鳴があがったのは気のせいだと思いたいが。


「ああ、龍清くんが犠牲にっ」

「新たな犠牲者がここにきちゃったね」


つぐみと同じように巻き込まれたみなもが不憫そうな様子でつぶやいた。

 まあ、こうなることはすでに世界の法則によるものだろうことは彼女達は知る由もない。

数分後、深紅に連れられて現れたのはほどよいメイクされた龍清だった。

ウイッグも装着されて、衣服はすでに巫女服という違和感なく似合う姿だ。


「うぅ、どうして僕までっ」

「堪忍な♪ これも店の売上の為やねん♪」


めそめそと嘆く龍清に深紅は笑顔で背中を叩いていた。

 まあ、この姿を見た客がカメラを片手に迫ってきて大変だったのはいうまでもない。

ほとんど深紅に成敗というか、制裁みたいな処置をされたが。


「どうして、あんなに似合うんだろうね」

「さ、さあ?」


つぐみとみなもは龍清の巫女服を見てどこか複雑そうな顔で話をしていた。


「これよ、今度は男の娘もつかって接客させるわ!」

「というわけやから、頑張るんやでー♪ りゅーちゃん♪」


ほとばしるパワーをかきたてている様子の店長。

深紅は笑顔で見ながら落ち込んでいる龍清に声をかける。


「うーん、この店に行先が不安になってくるね~」

「??? ソうナんデすカ?」


苦笑いする響を疑問を浮かべた明香が問いかける。

 すると、笑顔で頷いた響を見てまた納得するのだった。


「と、とにかく! 私たちでできるだけフォローしよう!」

「そ、そうだよね! 大切な友達だし!」


つぐみとみなもは龍清のことも注意しながら接客することを決意したようで握りこぶしをしている。

その光景を見て癒される客もいたことはここで追記しておく。

え? そのあとの巫女カフェの売上はどうなったかって?

それは大盛況だったそうで、店長も深紅もホクホク顔だったそうな。

まだまだリクエストは募集しておりますですよ~♪

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