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カードでファンタジーな世界にて魔獣に転生!

どうもみなさん、こんにちは?

いや、こんばんわでしょうかね~。

私はいま、重大な状態になっております。

どこが重大かというと……。


「聞こえてるかい? 聞こえてるよね?」


逃げてなどいませんよ?

ただ、読者のみなさんに状況を教えようと思ってのしだいで。


「えェい! いい加減に現実を直視しなさい!」


…はい


現在、どこかの暗い空間におります。

ここには本当になにもないのです!!

 なにもないだけなら、まだマシですが。

目の前におられる不思議な雰囲気をもつ女性。

銀色で髪の長くて真っ白い衣装に身を包んでいるようです。

ざっと、みたところ……。 整った顔立ちに髪は金、背は155くらいでしょう。

なんとこの人は自称・神様で、名前はまだないらしいのです。

 これからも無いらしいので、心の中で名付けてみようかと思います。

んー……何がいいですかね。


「神だから、カミちゃんはなんて安直な呼び名はやめてね。」


いきなり、モノローグに介入しないでくださいよ!

 今の状況をすぐに受け入れることできわけないでしょーに!

あなたならすぐに受け入れられますか!?


「うん、それは無理だね☆」


うわっ、めっさ良い笑顔かましましたね。

といいますか、ナイフをしまってもらいたいんですがね。

てか、とっととしまえよ! いや、しまってくださいお願いします。

えらそうですけど、何様ですか? 


「だから神様だって」


いやいやいや、そんな素晴らしい笑顔でナイフを構えないで!

 あなたが神様なのはもうわかりました! わかりましたから!!

あわわ、ナイフは駄目です、勢いつけようとしないで!

投げませんよね? てって投げようしないでください死んじゃいますからっ!!

ごめんなさいごめんなさいお願いしますからやめてください、無礼な事考えないから止めてくださいぃぃぃぃぃぃ!!!!


「はい、天誅ぅぅぅぅ!!!!!!」


ヒギャァァァァァ!!!!!


「…はぁはぁ、そんでその神様がなんの用でしょうか?」


「うん、君にこの世界から移転して貰うためにきたの」


………ホワイ?


「だから、君にこの世界から移転して貰うためにきたの」


いや聞きたいことはそうでなくて、ナゼに?

つか移転って、なに、どっかいくんですか?

なんでさ、理不尽すぎですよ、余りに理不尽すぎますから。

あ、そうか、これは夢なんですね、うん。

そうだと言って、お願いですから!!!


「違うよ、あれさあれ、あの俗に言う異世界とやらにいって活躍?してもらうなにかだよ。 ほら、勇者召喚とか」


いやあああああ!!? 認めたくないことをさらりと言われたー!!


「うるさいっつの。」


ふぎゃ!?

重力でつぶれる~~~っ!!


「まぁとにかく、君には旅立って貰います。

このままこの世界にいても君の存在無かった事になってるからね?」


ちょおいっ!

なんつーことすんですか!


「まあまあ、落ち着いて」


lこんな理不尽なことが起きて落ち着けるかー!!!


「まあ、貴女の気持ちはわからなくないわ。

でも、貴女はアンケートに書いたでしょ?

『異世界に行きますか?、行きませんか?』そして、貴女は選んだじゃない

…行くと」


そ、それは……


「貴女はこんなのなんかの冗談だと思ったのかもしれない。

でも、これは契約なの。

貴女が自分で選んだ選択、それを今さら否定することなんてできないわ」


だ、だけど…くーりんぐおふせいどぐらいあるでしょう!!


「残念ながら、私達の世界にはそんなのないわ!」


なっ!!


「貴女は軽い気持ちで選んだ選択。

だけど、あれは神様との契約なの、それを変えることはできないのよ。

でも、それじゃあ、あんたにとって納得できないだろうから…

貴女に異世界に行くときに貴女に能力をあげる。

だから、異世界で新しい家族を作って幸せになってね

それが、私からのプレゼント」


……わかった。

今さら変えられないのなら、新しい世界で楽しむことにするわ。


「では、貴女に能力を与えるわ。」


それから、真っ白い空間に現れいくつものカードが現れた。

それは何処までも続いていて幻想的な光景だ。



「このカードは、貴女が異世界で生きていくための力。

だから、慎重に選んでね。

さ、ここから五枚好きなカードを選んで」



え、選ぶだけでそれが自分の力に。

おら、わくわくしてきたぞ!

ごめんなさい、なんでもないです!!普通に選びますからっ!!



緊張しながらカードの前に立ちカードを選び出す。

選んだのは左にあるカード。空中から取り裏返す。


『魔力適正:EX』


……すごっ!!



「いきなり良いカードを選びましたね。次もさくさく選んでね」


神様にせかされながら、カードの方へ向き直す。


次に目を付けたのは、自分からみて右から三番目にあるカード。


二枚目は…『俊敏性:B』


ま、すばやく動くことができる方がいいよね、うん。


「攻撃を交わすことができる方が生き残りやすいですから、問題ないかと」


神様も同じ考えで答えてくれた。

さ、次のカードを選ぶぞ


三枚目は…『変身能力:EX』


イヴと同じ能力だと楽しいかもしんない。


「いえ、それは魔法で姿を変えることしかできませんが…って聞いてませんね」


お次は四枚目……『高い知能』


知識が高いということだよね

魔法を使うには必要なことだから、なんの問題もないと


「なんでしょうか、いやな予感が…」


自分は神様のつぶやきを気にせずに最後のカードを引いた。


五枚目のカード、それは……『ーーー魔獣になる』


え?


「え?」


自分と神様の声が合わさった。


嫌な沈黙が流れた。


真っ白い空間。そこに居るのは二人。


自分の手元にあるカードに書かれてある文字をもう一度見る。


『ーーー魔獣になる』


ごしごし。


『ーーー魔獣になる』


あ、あれかドッキリか?神様のちょっとしたお茶目ってヤツだよね?

そうに決まってる!!!


「えーっと……現実逃避したいかもしれませんけど、さすがに変更できませんのでそれで頑張ってください」


そこをなんとかするのが、神様でしょ!!!


「あー、めんどくさい。さっさと異世界に逝きやがれ」


えーっ!!神様がそんなこと言っていいの!!?

しかも行くの字が違うし!


「もーまんたいです、では…グッナイ★」


突如現れた穴に自分は吸い込まれる。


きゃあああああああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!


そこでわたしの意識が途絶えた。


~~~


暗い、とても暗い光景が目の前にあった。

それは光のないとても暗い暗黒の世界。

音もなにも聞こえないその光景は少し恐怖を覚える。

 そんな中にいたくなくて必死に身体を動かしていた。

手も脚も必死にここから出ようと動かす。


そしたら段々と身体が重くなっていくような感じがあった。

それは身体全部がまどろみの中に落ちるくらいのだるさもある。

どうしたのだろうと混乱していると、ひとすじの光が見えた。

希望の光のようにも思えた。

だから、そこまで必死に身体を動かすことにした。

重くても必死にゆっくりとでも光を目指して。


突然眩しく思えたので目を瞑るけど、なんとか耐えて目を開ける。

視界に飛び込むのはみたことのない世界。

そもそもここにいること自体が信じられない気持ちに思えた。


『起きたのかい、我が子よ』


突然、聞こえてきた声に導かれるように視線を向けると……。

そこには大きな翼の生えた狼がいた。


「わきゅー!?(で、でたぁー?! わ、わたしを食べても美味しくないよっー!!)」


と慌てて必死に前足を動かすのだけどって……まて。

今、なにをしたのだろうか?

視線を落とすとぷにぷにした肉球が見える前足。

そう前足なのだ、それも獣だとしか考えられないくらいの。

この状態について混乱していると、首ねっこをくわえられてそばに置かれた。


『落ち着きよ、我が子よ。 なにをそんなに慌てておるのだ?』


声の主はどうやら目の前にいる狼さんのようです。

ちょっと待てよ、さきほどから我が子って言われてるけど。

も、もしや私は……いわゆる獣になっているの?!

硬直している私に生暖かい感触がおきる。

どうやら舐められているようだが、不思議と落ち着くのはなぜだろう。


「きゅ、きゅふう(あ、ありがとう)」


ありがとうという思いで告げた言葉は間抜けな鳴き声だった。

そんな私はなぜか情けなくなって前足を抱えてしまう。

おそらく、いや間違えてはいないだろうけど。

今、目の前にいるのは私の母親なのだろう。

まさか、あのカードのとおりに私は魔獣になってしまったのか。


『ふむ、生まれてからすぐ鳴けるとは、賢い子に育ちそうだ』


と、お母さんはどこか満足気に呟いている。

あれ、普通はすぐに鳴き声は出せないのかな?


「きゅうん?」


とりあえず、尋ねるように言ってはみたけど。

出るのは幼い獣の鳴き声だった。


『いや、そう珍しいわけではないよ? たまにそういう子が生まれてくるというだけさ』


どうやらさきほどの言葉というか、鳴き声だけで理解されたようだ。

母様すっごい! 博識だ!と思ったのは私だけではないはず。

いや、そもそもそんな知識は普通は生まれてすぐに理解されるようなものなのだが。

それがないということは人間のわたしに押しつぶされてしまっているのだろうか。

そう考えると母様にひどいことしている気分に陥る。


「くぅん」

『おや、どうしたんだい? なにか嫌なことでもあったのかい?』


しょんぼりしていたのか、自然と耳と尾が垂れていたようで。

心配をかけてしまったようである。

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