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看板娘物語

「見回りも大変だよね」

「わ、私達にしかできないことだから、頑張りましょう!」

「みンな一緒なラ大丈夫でスよ♪」


三人の少女達は暗い夜道を歩いていた。


「本当にここらへんにでるのかな」

「じょ、情報によるとそうらしいんだけど」

「アマちゃン達ノ情報ハ確カでスよ?」


憂鬱そうな声で言うのは小柄で低身長の少女……雨宮つぐみ。

そんな彼女を宥めるのは親友の涼宮みなも。

 ぽへ~と気にしたようすもないどこかゆるい空気の持ち主……星井明香。


「うぅ、怖いな~。 でも、もっと怖い思いする人がいるだろうし」

「わ、私達にはそんな人達がないようにするんですから、頑張ろうよ!」

「はイ! 3人デなラ怪異ヲ解決デきマすヨ!」


身を震わせるつぐみを励ますみなもと明香は拳を握っている。

 彼女らの首元には金色のチェーンに丸い石みたいなのがあった。

それはいったい何を意味するのだろうか。


「う、うん……頑張るよ! 怖いけど!」

「そのいきだよ、つぐみちゃん! 私も頑張るからね!」

「ワたシも頑張リまスよ♪」


そんな会話をしながら3人は目的の場所へと到着した。

 そこは廃校舎となった旧校舎のようだ。

深呼吸する3人は首元にある石に触れると、歩き出した。

校舎へと向かって……。


「お、おじゃましまーす」

「……みなもちゃん、気が抜けるんだけど」

「気ヲ貼リすギてモ駄目なンじゃナいデすか?」


おずおずと廃校舎の玄関をあけるみなも。

それを聞いてずっこけるつぐみは頭に手を当てていた。

明香は気分が落ち着くからよいのでは?という様子である。


「……はあ、そうだよね。 気張りすぎても結果がでなくちゃ駄目だし」

「そ、それじゃあ。 階段を上りましょう!」

「デも、浄化しナいト上ガれマせンよ?」


つぐみは少し考えてから改めた様子で頷いた。

みなもが笑顔になると階段へと向かうのだが、明香はみなもの手を掴んだ。


「じゃあ、これの出番だね」


つぐみは狩衣の胸元から札を取り出すと、階段へと向ける。

するとまばゆい光を放ち、黒い瘴気が立ち上り、消えてゆくのが見えた。


「はわ~……。 いつもながら凄い手際」

「ワたシ達モ負けズに頑張リまショう!」


感動したようにつぶやくみなもの肩に手を置いて笑いかける明香。

頷き合うと、つぐみのとなりに並んで階段を登る。


「ム~……。 二階ニハいナいンでショうカ?」

「どうだろう、いるにはいるみたいなんだけど。 なんか油断はできない気がするよ」

「それくらい力が強いのかな」


明香は注意ぶかく観察しながら言うとつぐみは目を細めて告げる。

みなもも意識を集中してあたりを探る。


『キシャアアア!!』


そこへ謎の奇声と共になにかが飛び出してきた。

 視線を向けるとそこには雷を放電させている巨大なワニもどきがこちらを睨んでいる。

背中にあるタービンが雷を蓄積しているのだろう。


「あの雷には注意が必要だけど、消耗させてから捕縛しないと」

「じゃあ、このカードを使いましょう!」

「影デ縛リ、地デ包ムんデすネ!」


つぐみの言葉にみなもはつぐみと同じ衣服の胸元から一枚のカードを取り出すと笑う。

明香は目をきらきらと輝かせながら、弓矢を取り出す。

そこからの彼女らの動きは早かった。


「はっ!」


つぐみが地面を蹴り、石に触れると巨大ピコハンが現れて、それを持つとタービンめがけて横から打ち付ける。

ただのピコハンに見えて実際は違うという使用である。


「大地のカード、セット!」

『ギョオオオオオ!!?』


そう言ってみなもはカードを投げつける。

すると、カードから砂が溢れ出し、ワニもどきを押しつぶす。


「次ハめイんディッシュでスよ~♪」

『ギシャアアアア!!』


明香がそう言うと、弓矢にひとつの黒い色をした矢を引き絞る。

そして、ワニもどきが砂を弾き飛ばしたところで矢を放った。

 矢が見事にタービンに命中し、そこから黒い球体が溢れ出てきてワニもどきを吸収した。


「終わり?」

「終わりだね!」

「完了ーデすネ」

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