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光一と深紅

「今日の仕事もこれでおしまいやな♪」

「そうだな、これくらいすれば相手方も落ち着きはするだろう」


水色の長い髪を背中くらいまで伸びている少女の前には黒い髪でくせっ毛まじりの髪型をもつ少年がいる。

二人は行きつけの喫茶店にて休憩を取っていたのだ。

 まあ、二人はとある事件の調査にあたっていてそれをやりおえたからだが。

ちらちらと周囲から視線を集まるのことに二人は特に気にしたふうもなく、注文したコーヒーに手をつける。


『くお』

『やで♪』


そんな二人の膝の上には二人によくにたぷちが座っている。

ホットケーキとパンケーキを美味しそうに食べているようだ。

ちなみに調査中にこの二匹の力を借りることでて早く終えることができた。

だから、そのねぎらいでもあるのかここを選んでいた。


「うまいか、くおっち」

「みっくーも、おいしいかえ?」


光一と深紅はくおっちとみっくーを見て微笑みながら声をかけると。

二匹は顔をあげて二人を見つめると笑顔で頷いた。


「やで~♪」

「ん、くれるのか?」


みっくーがフォークでホッケーキを突き刺して光一の口元にもっていく。

それを見てから光一が首をかしげて尋ねると。


「やーで!」

「あげる、というてるで」


みっくーは笑顔で頷いたのを見て通訳する深紅。

くすくすと微笑ましそうに見つめているのは楽しいからだろう。


「サンキューな。 ん、うまい」


お礼を言うとホットケーキを半切れもらい、食べてからみっくーの頭を撫でた。

 嬉しそうにみっくーは光一に飛びついてすりすりと甘えている。


「よかったなー。 みっくー♪

にしても……力の代償がこれの召喚とはなぁ」

「驚きといえば驚きだよな」


深紅は嬉しそうなみっくーに声をかけつつ、ぼやくと光一も苦笑を浮かべていた。

 本来の力の代償ならあてつけというかトラウマというものか心身的な代償になるのだが。

深紅と光一はなぜか珍妙な生物の召喚とその他の代償という摩訶不思議なものだった。


「確か、つぐみのは騎士甲冑の女性だったよな」

「おん、それの代償は心身的のものとぷちやけどな」


コーヒーに口づけつつ光一が深紅を見つめると頷いてからメモ帳を取り出すと話す。

膝の上でごろごろと甘えるみっくとを撫でる光一。

くおっちの口元をハンカチで綺麗にしつつ、頷く深紅。


「人によって力の代償とはかくも違うものなんだな」

「まったくやね、こんな代償必要なんかと言いたいくらいやわ」


溜息を漏らす光一に深紅は同感のようで溜息をついていた。

生まれついた力の定めと代償というものはどんな人物にも備わるわけではない。

特殊な出来事と出会いによって、目覚める力もあるわけで。

中には力を得ても使えない力を備わる人物だっていたりする。


「やでー!」

「どないしたん、みっくー」

「ん、なになに……海水浴場に行くから集合だとよ」


そんな会話をしているとみっくーに声をかけられて振り向く深紅。

よくみるとみっくーは画用紙をこちらに見せつけている。

光一が内容を見て苦笑いする。


「内容からして九条院の思いつきかもしれひんな」

「あいつならありえるよな。 そんな彼女の手綱を握る人は苦労するな」


深紅が呆れたように言うと光一は苦笑いを浮かべていた。

くおっちとみっくーはその二人を不思議そうに見つめている。


「さて、そろそろ行くか」

「そうやね、待たせるのはよくないやろうし」


立ち上がる二人はレジへと向かう為に二匹を抱き上げて席を立つ。

深紅と光一の仕事帰りの日常とはいつもこのような状態で過ごすことが多いのだ。

たまに、光一か深紅の家で休んだりもする。

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