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ぷちと富士也

「38度、完全に熱があるね。 フジくんてば、なんで連絡しないのかな?」

「う~、うっせェよ」


体温計を見てベッドで伏せている富士也に呆れたような声をかける小柄で低身長な女の子。

でも、ボリュームがある胸を除けば普通に小学生に見える。

彼女の名前は雨宮つぐみで富士也とは従兄のような関係である。

幼い頃、一緒に遊んだ仲で親同士も仲がよかったりする。


「そのいいぐさはないんじゃないかな? フジくんがきちんと体調管理していれば熱で唸ることもなかったのにさ。 おばさんになんて言えばいいのよ、まったく」

「まあまあ、つぐちゃん。 どうせぷち達と遊んでいる時に水でもかぶったんでしょ」

「確かに、ぷち達が遊んでほしいってねだっていたもんな」


つぐみは腰に手をあててお怒りモードである。

そんな彼女に142cmくらいの幼女と間違う女の子――あいりが宥める。

その彼氏である斗真が笑いながら富士也を見ていた。

富士也はみずたまりに落ちそうなぷち達を助けるためにした行動だったのだが。

脚をすべらせて近くにたまたまあった噴水に飛び込んでしまったのだ。


「ところで、ぷち達は?」

「フジくんの熱をうつしたらいけないから隔離しているの」


富士也が気になったことを尋ねると苦笑しながら答えるつぐみ。

それを聞いて静かなことに納得する。

いつもならそばにきてわらわらとのしかかりが起きるからだ。


「つぐぴょんちゃんが涙でぐしょぐしょになっていたから宥めるのも大変だったけどね」

「しろしろも泣きすぎて目があかくなってたもんな」


あいりと斗真は苦笑を浮かべていた。

基本、ぷち達は富士也が暇なときに遊んでくれるので乱入しにいくことが多かった。


「ふんぬぅ!」

「あ、りゅーさん。 もうおかゆつくったんだ」

「迷惑かけたお詫びってことだけどな」


ぷちの保護者といわれるりゅーさんの声に気づいて扉をあけるつぐみ。

龍星は付き添いで一緒に来ていたりする。


「に~」

「お邪魔します、天城くんが倒れたってきいたけど」


りゅーさんに続いて入り、くだものもありますよと書かれた紙を見せるあっきー。

後ろにはつぐぴょんがひっついており、うるうると涙目である。

それに続いて秋斗も部屋へと入りながら倒れている富士也を見て苦笑。


「わきゅ~」

「しろしろ、悲しいのはわかりますが。 そんな顔しては駄目ですよ?」


白姫に抱っこされているしろしろは涙目である。

よっぽど富士也のことが心配だったのだろう。

ぞろぞろとぷちが集まってきているのはぷちに好かれている富士也ゆえなのかもしれない。

りゅーさんからのおかゆをもらって食べながら富士也は不甲斐ない気分でいた。


「フジくん、はやく元気にならないとぷち達も心配するんだから、ゆっくり休むんだよ?」

「風邪薬と解熱薬もあるからきちんと飲めよ?」


つぐみと兄貴分の龍星はそう富士也に言うとこの場にいる全員で部屋を出る。

だが、本当に全員が出て行ったかどうかはわからないが。


「せりかっか!」

「あきかっか!」

「ちょ、そのネギはなんだよ?!」


せりかさんとあきかさんがなぜかおり、ネギを片手にすぶりをしていた。

どうやらネギをさせば熱もさがるのでは?と思ったようだ。

どこから得た知識なのだろうかと誰もが思う。


「わきゅ~ ねーちゃ! め!」

「かっか~」

「あきかっか~」


そこへしろしろが止めにはいり、ネギを取ると富士也の首に巻いた。

なぜか満足げに頷いているように見えるのはなぜだろう。

富士也は当然唖然とすることに。


「みゅ~?」

「に、に~」


つぐぴょんは今の状況に不思議そうにしているようで、あっきーも困惑している。

なぜなら、ネギを首に巻きつけられている富士也がいたからだ。

なぜ、ここにいるかというと二匹も心配で戻ってきたのだ。


「わう?!」

「み?!」


後から続くようにしゅうやんとみなちゃんも来て困惑。

なぜなら、今度はネギが富士也の尻に刺さっているからだ。

周囲のぷちをみたが、全員首を横に振っている。

とりあえずせりかさんに電波を飛ばしてもらい、りゅーさんを召喚。


「ふんぬぅ……(汗」

「ね、ねえ」


召喚されたりゅーさんもどうしたらいいのか困っているようだ。

ぷちモデルガンを見せようときていたとーやんも唖然。

なぜなら、どんどん富士也の状態が聞かされたときと状況が違うのだ。


「やで?」

「かっか」


みっくーはせりかさんと相談中。

彼女はしろしろに呼ばれてきたのだ。

まあ、とりあえずネギは取り除いて、看病することになった。

なお、このあとぷち達は風邪をひいてしまい外にでれないことを嘆いたのはいうまでもない。

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